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詩❲心理描写-暗❳

鳴かず叶わず咲かず留める

作者: 日浦海里

はかないもの

なかないもの


今朝はそこにあったのに

明日はそこからなくなっている


振り返って見つめた表情

前を向いて見据えた想像


指先一つで失われるもの

指先一つで救われるもの


引き金は些細な力で

引き裂くのは楔と軛




かなわぬもの

ならないもの


ずっと繋がっているはずなのに

そっと触れるだけで消えている


連なってるように見えた線上

蓋をされていただけの感情


口先一つで失われるもの

口先一つで救われるもの


琴線に触れて奏でて

深遠を覗くのは誰か




胸の先に三寸はなく

胸の奥は開かれぬまま


あかないもの

さかないもの


さいは箱の内に()めたまま

ほんの少し力を入れる

たった一つの音が鳴り響く

繋がっていくはずの明日が途絶える

真っ赤な花が咲いて

本当に咲くはずだった輝かしい花は咲かないまま


思うままにあれば

描けるはずの未来も描けない


だから、この胸の内は開かない

内側に留めたままがいい

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― 新着の感想 ―
[一言]  簡単に失われるからといって、その存在が軽いとは限らず。  失う危うさを抱えて過ごすならば、いっそ傷を負ってでも消してしまったほうが楽にはなれるのか。  それともつらくとも抱え続けるほうが幸…
[一言]  優しさから留め内包される抑圧は留めた期間も内包されて行く、ふとした事から留めた紐が解かれて、引き起こされる暴発は……  けれど本来咲く花を剪定する事で間引いた一つ一つにより多くの栄養を与え…
[一言] 「先」だけでも、失われ、壊れてしまうものだからこそ。  取り戻すためだったり、核心に触れるためには、深く腕をさしいれなければならないのかも。
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