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16年目の片想い  作者: 雪本はすみ
第4章 もう二度と会えない
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「あれっ、市之瀬?」


 スライドショーが始まる前に煙草を吸いにいこうとすると、誰かが俺の名前を呼んだ。ふりむくと、知っている顔だった。

 誰だっけなあ、とさりげなくネームプレートを確認する。そうそう、浜野数樹はまのかずき


「久しぶりだなあ。こっちにもどってきたのか?」

「いや、帰省中」

「ふーん。おまえがこういうイベントに参加するなんて、めずらしいじゃん。今何してんの?」

「普通のサラリーマン」

「東京で? いいなあ。俺、実家の電器屋ついだからさあ。東京って、かわいい子いっぱいいるんだろ?」

「さあ。どうかな」


 普通に答えたつもりなのだが、浜野はしばらく間を置いてから、「おまえ……全然変わってないな」と、しみじみ言った。


「そうやってさ、いつも冷めたような、なんにも興味がなさそうな顔して、試合になると俺たちより活躍して、おいしいとこ全部持ってくんだよな。ほんと、ずるいよな」


 本当に俺に言いたいことは、そんなこととは違うんじゃないか、と思ったが、黙っていた。

 中二の夏。もとはといえば、こいつのせいだった。

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