第21話時点での登場人物
主要登場人物詳細プロフィール(第21話時点)
【絶対的管理者・神】
橘 栞 / コードネーム:KAMI
本質: 都心のマンションでWebデザインの仕事をこなしながら、裏で地球と異世界、そして人類の歴史そのものを管理画面のように操作する超越者。 彼女にとって、国家間の対立や戦争の危機は、自身の目的(全能化)における「システム障害」や「仕様変更」程度の認識でしかない。日米中露が互いに牽制し合い、結果として異世界開発に全人類が熱狂する現状を、「効率的なリソース回収体制が整った」として満足気に眺めている。
性格・行動原理:
究極の合理性: 善悪の彼岸にいる。中国とロシアに力を売ったのも「サプライヤー(ゴミの供給元)を増やしたかったから」という単純な理由であり、それが世界を破滅させかけたことには無頓着。
観測者としての愉悦: 人間たち、特に各国の首脳陣が自身の提示した無理難題に右往左往し、必死に知恵を絞って生き残ろうとする姿を、一種のエンターテイメントとして楽しんでいる節がある。
最新のステータス: 中露への戦力供与により、地球上のゴミ処理効率は最大化された。さらに異世界『アステルガルド』とのゲートを安定させ、資源回収のルートも確立。蓄積された膨大な対価ポイントにより、すでに「地球の神」と呼べるレベルの権能を解放しつつあるが、最終目標である「宇宙の法則を書き換える全能」にはまだ遠いと認識している。
【日本政府・神の代理人】
沢村
役職: 日本国内閣総理大臣
変遷と現在: かつては常識的な倫理観に苦悩する一人の政治家だったが、度重なる極限状態を経て、「人類を守るためなら、世界を欺くことも厭わない」という冷徹な覚悟を決めた指導者へと変貌した。 中国・ロシアの侵攻計画を黙認しようとした密談がリークされ、一時は世界中から非難を浴びたが、アメリカの描いたシナリオに乗ることで「大国の暴走に苦悩し、平和のために戦った被害者」というポジションを確立。現在は国連の壇上で「異世界という希望」を演説し、新時代のリーダーとして世界を牽引する立場にある。
内面: 「物理攻撃無効化」の能力により肉体は不死身だが、精神は常にギリギリの状態。神の理不尽な命令と、世界の期待という重圧の板挟みになっており、その胃痛の種は尽きない。「嘘」で塗り固められた平和の上に立っているという罪悪感を抱えつつも、もう後戻りはできないと腹を括っている。
九条
役職: 内閣官房長官
変遷と現在: 神の力を背景に日本の覇権を画策した策士であり、中露への「台湾・ウクライナ切り捨て論」を提唱した張本人。その冷酷な計算高さが裏目に出てリーク騒動を引き起こしたが、動揺することなく即座にアメリカの策に乗り換え、事態の収拾に尽力した。 彼の「限定的未来予知」は、今や政権運営の生命線となっており、メディアや世論の風向き、テロの予兆などを先読みすることで、日本政府の完璧な立ち回りを支えている。
内面: 沢村総理の「汚れ役」を一手に引き受ける女房役。感情を完全に殺して任務を遂行しているが、その本心では、自身の手のひらで転がせない「神」の存在に、誰よりも深い疲労と諦観を感じている。
小此木
役職: 第一次異世界調査団『チーム・フロンティア』総責任者
変遷と現在: 政治的な泥沼から離れ、現場指揮官として異世界『アステルガルド』での実務を取り仕切る。彼の柔軟な外交手腕と、現地の商会とのコネクション作りが、今回の国連発表における「輝かしい成果(新元素やポーション)」の基盤となった。 世界が核戦争の危機に怯えていた間も、彼は異世界で着実に信頼と実績を積み重ねており、今や日米政府にとって、KAMI以上に信頼できる「希望の象徴」を作り出した立役者である。
【アメリカ合衆国政府・脚本家】
ジョン・トンプソン
役職: アメリカ合衆国大統領
変遷と現在: 当初は神の力に翻弄される覇権国家の長だったが、中露の台頭という絶体絶命の危機において、「自らの機密情報を自らリークし、世論をコントロールする」という起死回生の大博打に勝利した。 現在は、恐怖に怯える世界に「異世界フロンティア」という新たな夢を提示し、熱狂の渦を作り出した「新時代の演出家」。軍事力ではなく、「物語」の力で世界を支配する、真に恐ろしい政治家へと進化を遂げた。
内面: 沢村総理とは「共犯者」としての奇妙な友情と連帯感で結ばれている。神の気まぐれに振り回されながらも、人間としての意地と知恵で対抗しようとする不屈の闘志を持つ。
CIA長官
役職: 中央情報局長官
役割: トンプソン大統領の懐刀であり、今回の大規模情報操作作戦の実行犯。世界中のメディア、SNSを裏で操り、中露を悪役に、日米を正義の側に仕立て上げた影の功労者。神から与えられた「未来予知」能力を諜報活動にフル活用し、もはや人間の目には見えない次元での情報戦争を指揮している。
【中華人民共和国・ロシア連邦】
王将軍 / ヴォルコフ将軍
立場: 神の力を手に入れ、一時は世界の覇権を握りかけた野心家たち。しかし、日米の仕掛けた情報戦によって「世界を裏切った悪役」として断罪され、国際社会から孤立無援の状態に追い込まれた。 現在は侵略計画の凍結を余儀なくされているが、その手には依然として「超人兵士」と「未来予知」という神の力が残されている。
現状: 日米が主導する「異世界開発」という新しいバスに乗り遅れまいと、屈辱を耐えて協調路線を取らざるを得ない状況。しかし、その腹の底には煮えくり返るような復讐心と、次なる機会を狙う虎視眈々とした野心が渦巻いている。
【民間アドバイザー】
沢渡 恭平
職業: ライトノベル作家
役割: 異世界の実情を知る数少ない民間人の一人として、引き続き政府のアドバイザーを務める。フィクションの世界で培った知識が、現実の外交や科学技術の発展に寄与していることに、作家としての喜びと、事態のあまりの大きさへの恐怖を感じている。 国連での発表を聞き、「俺たちが書いた妄想が、世界を救う『嘘(物語)』に使われている」と複雑な心境を抱いている。
月城 るな(つきしろ るな)
職業: Web小説家
役割: 異世界での「チョコレート外交」を成功させた実績から、異世界文化交流のキーパーソンとなりつつある。彼女の柔軟で常識にとらわれない発想(なろう系知識)は、硬直した官僚機構や軍部の思考を打破するブレイクスルーとして重宝されている。世界が熱狂する「異世界ブーム」の火付け役の一人。




