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『学園のトップ3美女がバ先で全員俺の部下 ~君たち高嶺の花なんだから、平凡男子に甘えるのはやめましょう』  作者: 波瀾 紡


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【★<√M>第66話:待ち合わせ場所に向かう】

 俺が向かっているのは、京乃さんが待つ「大芝生公園」だ。

 ターミナル駅近くにある、都心の大公園。

 学校からは徒歩10分くらいで行ける。


 そう。俺は京乃さんが好きだ。

 もちろん浜風さんも嫌いではない。

 あのあっけらかんとした明るさには、何度も助けられた。あのオモロキャラは大好きだ。


 だけどそれは友達として、人としての好き。


 俺は清楚で控えめで、それでいて俺への好意をあんなにまっすぐに語ってくれる京乃さんの姿に、ぶっちゃけ強烈に撃ち抜かれた。


 しかも小学生の頃の、あの女の子が彼女だったなんて。

 俺も印象的で覚えている。子供ながらに、とても可愛い子だと思った記憶がある。


 運命を感じさせられるそんな繋がりも、より一層京乃さんに気持ちを惹きつけられる。


 ──いや。今になって思えば、告白を受けるよりも前から、俺は京乃さんのことを好きだったように思う。


 あの日、京乃さんに嫌われたかもと思った時の胸の痛み。

 浜風さんにも距離を取られた感じがしたけど、明らかに京乃さんに対するショックの方が大きかった。


 俺は元々人とコミュニケーション取るのは得意な方じゃない。

 最近でこそTOP3美女やイケメン達とワイワイする機会もあるけど、やはり京乃さんの落ち着いた感じが、俺自身もとても落ち着く。


 彼女のそういったところに惹かれたんだと思う。


 それにあの黒髪清楚な美少女っぷりが、めちゃくちゃ可愛いよな。

 ……って、ヤバい。俺、今めっちゃ恥ずいこと考えてた。顔が熱い。


 ──あ、そうだ。浜風さんに電話しなきゃ。


 断わる方には電話を入れる。

 神ヶ崎が説明してくれたルールだ。


 歩きながら、浜風さんに電話をかけた。

 呼び出し音が鳴ったと思ったら、秒で「もしもし」と声が聞こえた。早い。早すぎる。


「ああ〜っ、負けちゃったかぁ」


 スマホ越しに可愛い声が聞こえる。思ってたよりも明るく元気な声。

 頑張って明るく振る舞ってるんだろう。


 心が張り裂けそうに痛い。申し訳ない。


「ごめん」

「うん、仕方ないな。じゃあまた明日」

「また明日」


 約束どおり、お互いに余計なことは言わずに電話を切った。

 そして京乃さんの待つ公園の入り口に向かった。


***


 土曜日の午後イチということもあって、公園の入り口は割と人が多い。

 京乃さんとちゃんと出会えるかな……


 なんて杞憂だった。

 高校の制服を着て、通学カバンを肩に掛けた黒髪の美少女が、公園の入り口横に立っている。


 その美しい佇まいに遠慮してか、行き交う人は彼女から少し距離を開けて、チラチラと横目で見ながら過ぎていく。


 そんな人の流れのおかげで、遠方からもすぐに京乃さんを発見できた。

 


 いやもう、美少女オーラが神々しい。

 いつもの制服姿だけど……今日はもう、たまらなく可愛く見える。

 好きという気持ちを自覚したからかもしれない。


 そんな中、周りが注目する女の子に声をかけるなんて、俺にとってはハードルが高い。高すぎる。


 近づき難い気がして、足が止まってしまった。


「あ、雄飛さ〜ん!」


 京乃さんが俺の姿に気づいて、満面の笑みを浮かべた。手を振っている。

 普段の控えめな態度からしたら、まさに破顔一笑と呼べるくらいの大きな笑顔。


 見てるだけで、こっちまで幸せなホルモンがドバドバ溢れそうな笑顔。可愛い。


 ──あ、周りの人達が俺を見てる。


 あれだけ目立つ美少女が待ち合わせている男がどんなヤツなのか、そりゃ興味あるよな。恥ずすぎる。逃げたい。


 いやいや、さすがに逃げ出すわけにはいかない。男を見せろ、俺。

 勇気を振り絞って京乃さんに歩み寄った。


「お待たせ」

「はい。お待ちしておりました。小学6年から5年間。わたしの元に来ていただいてありがとうございます」


 京乃さんは穏やかな表情で、たおやかに頭を下げた。その名のとおり、雅びやかという言葉が似合う。


 5年間も待ち続けてくれた女の子。

 可愛くて仕方ない。

 だけど何を言えばいいのか。


 ──やあ、元気?

 いや違うな。


 ──あなたが好きです。

 いきなりすぎないか?


 ──今日も超絶可愛いね。

 確かにそうなんだけど、それじゃナンパ師だ。


 なにぐだぐだと考えてんだ俺。

 その間も京乃さんは、穏やかな微笑みで俺の言葉を待ってくれている。素直に自分の気持ちを口にすればいいじゃないか。


「こちらこそ、俺を待っててくれてありがとう。嬉しい」


 可愛い彼女は、俺の言葉に、嬉しそうな笑みで頬を染めた。


「それじゃあ雄飛さん、少しお付き合い願えますか?」


 京乃さんは公園の中に目を向けた。


「あ、はい」


 もっと気が利いたことが言えたらいいのに。

 いや、まだ勝負は始まったばかりだ。これからいくらでも取り返せる……はずだと信じてる。

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