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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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すれ違う少女

部活動の開始が決定しました!!

初めての事だから楽しみだ!!


「リーナちゃん楽しそうだね。」

「はい。今日から部活動が再開するので楽しみです。」


まさかお姉ちゃんと部活出来る日が来るとは思っていなかった。


「しかし、レオナちゃんは楽しそうではありませんね。何かありましたか?」

「うーーー、聞いてよ!みんなが―!」


それからレオナちゃんの話を聞いた。

レオナちゃんいわく、この前の事でみんなが弄っ…、応援しているのが逆に変な気持ちにさせるとか。

マリアお姉ちゃんと同じ廊下にいるだけで、クラスのみんなが無言の視線で何かを訴えてくるらしい。

その視線で、まともにマリア会長と話す事も出来ず、逃げてしまっているとか。

そして、そんな事を繰り返しているから、マリアお姉ちゃんに嫌われたかもしれない。

そうじゃなくても、これまでの言動から、マリアお姉ちゃんと話ずらいとか。

確かに気持ちは分かるけど、


「会長にきっと嫌われちゃったよね。わたし、どんな顔でマリア会長に会えば…。ねぇ、ねぇ、リーナちゃん何か知らない!?サナ先輩と喧嘩ぐらいあるよね!?仲直りってどうすればいいのかな!?それと、仲直りするまでとか!?私、私……。」


話を聞いていくと、だんだんとレオナちゃんが病み始めた。

レオナちゃんって、思っていた以上にヤンデレ気質だったのかな?

ちょくちょくそんな感じはあったけど、こんなことで病むのは相当重症だと思う。


「現状、何もできませんね。そう言えば、今日の部活動はどうするおつもりなんですか?」

「そうなんだよ!!部活動に行けば会長に合うと思うけど、……絶対嫌われてるから私が話しかけようとしたら会長が避けてくると思うし…。」


と言われても、正直に教えてあげる以外にないと思うんだよね。

そしたら、クラスのみんなのせいってわけじゃないけど、誤魔化しが効くと思う。

けど、レオナちゃんは出来そうにないよね。


「それなら、私がマリア会長に説明しておきます。現状的にこれが一番だと思います。お互いに理解していればすれ違うことはありませんし、寮の中では普通に生活できるわけですから。」

「リーナちゃん!‥‥ありがとう!」

「お友達ですから当然です。」


そうして私は、レオナちゃんがこれ以上病んでいかないように出来た。

しかし、その分、会長に今回のレオナちゃんについての説明をするという重大な任務を任されてしまった。


(とりあえず、お姉ちゃんに相談かな。)




―――――――――――――――――――――――――――




「サナちゃん、今大丈夫?」

「大丈夫ですよ。」


今日は珍しく、私の教室に会長がやってきた。

最初は部活動についての話かと思ったけど、会長の顔はとても真剣に落ち込んでいる感じ。

極めつけには、なぜか生徒会室で話す事になった。


「会長、何かあったんですか?」

「えぇ、とても深刻なことが起きたの。」

「深刻な事ですか。それは一体?」

「実は、…………いつの間にかレオナちゃんに嫌われてしまっていたの!!」

「は、はぁ。」


変な返事しかできなかった。

最近、レオナちゃんはリーナみたいに会長の近くにいたので、いきなりそんなこと言われても信じれない。

まさか、私をからかっているのだろうかとも思う。

しかし、会長はとても深刻な顔をしていて、今にも泣きだしそうだった。

大方会長の勘違いか何かだと思うけど、そう思えるような行動をレオナちゃんがしてしまったのかもしれない。


「会長、どうしてそう思われたのですか?私として到底そのようには思えないのでそう思ったことを教えてもらえないでしょうか?」

「えぇ。実は…。」


会長の話はこうだった。

レオナちゃんがいる廊下を通ろうとすると、一瞬レオナちゃんが静止してそのあと180度回転させて走って逃げて行くとか。

ただし、寮ではそんなことはないらしい。

ここまで聞くと、ただの照れ隠しに聞こえる。

ただし、まだ続きがあるようだった。


「ただ、寮では私の部屋に来なくなったし、極端に私を避けているような行動ばかりしているように見えるの。」

「意図的に避けられているんですか?」

「それは、断定できないの。もしかしたら、たまたま都合が合わなかったりしているだけかもしれなくて……。でも、すれ違ったら最低限度の会話しかしてくれなくて…。」

「ん~~。」


唸り声を出してしまう。

これに関しては普通に会長の気にし過ぎのような気もする。

急に構ってもらえなくなったから、いつも以上にそう感じてしまうだけかもしれない。

ただし、絶対とも言い切れない。

本当に避けているかもしれない。


「サナちゃん、どう思う?やっぱり、嫌われているわよね?」

「まだ断言はできませんね。今のところ確証的な証拠が無いので決めつけるべきではないかと。廊下の件だって、会長の話をしている所に会長が来てしまったから恥ずかしくて、ってこともあるじゃないですか。」

「でも、1人でいるときも逃げてしまうのよ!?これって、相当嫌われているんじゃないの!?」

「お、落ち着いてください!分かりました。分かりましたから。」

「それの反応は分かってないわ!!リーナちゃんがべったりしてくれるかって、他人の事を適当にあしらうなんてひどいわ!」

「そ、それは………。」


確かに、最近のリーナは私にべったりなところはある。

ただしそれは、今の私が心の支えみたいなところがあるから無理やり突き放したりできない。

それに、最近のリーナは、‥…前とは違って、甘えんぼの所が、可愛かったり。

無意識の上目遣いや、小動物みたいなところが、可愛かったり。

どれも、私の心をくすぐる様な仕草などが招いたことで、う、嬉しいとかは……。


「サナちゃんなら分かってくれると思ったのに。リーナちゃんがいるから分かってくれると思ったのに。うぅ…。」


何故か会長が病みだしてしまった。

これ以上行けば変な被害が出かねない。

こうなったら、私が行動しなければ。


「分かりました。それでしたら、私がレオナちゃんにそっと聞いておきます。それでいいですか?」

「サナちゃん!!」

「そんな目で見ないでください。まだちゃんと聞けるかどうかも分かりませんし、それに、レオナちゃんが話したくないというかもしれません。」

「それでも、私は嬉しいわ。やっぱりサナちゃんに頼って正解だったわ!!」


ここまで言われると、逆にさっきまでが演技だったかのように見える。

例え演技だったとしても、会長と約束した以上行動しなければ逆恨みされるかもしれない。

こうなったらこの重大な任務を完了させなければ。


(とりあえず、リーナの所に行ってレオナちゃんの様子を聞いた方がいいわね。)




この昼休憩、2か所で同じような会話が行われて、シンクロする2人がいた。

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