思い出す少女7
「ではまずは簡単な魔法から試してみましょう。」
「は、はい。」
(とは返事をしたものの、はっきしと言って何をどうすればいいか分からないよ。対魔法剣技と言う名前と説明をされただけで出来るほど私は天才じゃないんだよ?それに、軽く魔法を試すっと冗談じゃないよ!だって、彼女が魔法を使っている記憶を見てみたけど、あんなもの受けたら私丸焦げになっちゃうよ!!先生、本当は冗談だよね?さすがに生徒に向けて撃ったりしない、よね?)
どんどんと私に危機が迫ってくる。
先生はすでに打つ構えをしている。
「それでは行きますよ。【ファイアボール】。」
私が覚悟を決める前に先生が魔法をに放つ。
(思っていたよりも、あまり威力が無い?…って、それでもあの量の炎を直に当たったら火傷じゃすまないよ!!ど、どうしよう!!こうなったら、本当に成功させないと!)
ともかくやり方は教わったから、それを全身全霊で真似るだけ。
体に流れている魔力を手に集中させて、手に貯まった魔力を竹刀に流し込む。
そして、流し込んだ魔力をそのまま分散させるんじゃなくて、竹刀の周りにまとわせる感じ。そしてそのまとわせた部分を魔力に当ててたたき切る。
(って、魔力って何!?私の中に流れてる魔力ってたんなの!?いつの間に私の中に魔力が流れてたの!?しかもどこに流れてるかなんてわからないよ!?)
こうなったら、魔力が流せなくても、竹刀で魔法を切らないと!
竹刀の扱いはお姉ちゃんに習ったことがあるからそれを実践するだけ。
充てる物体が自分の間合いに入ったら一閃。
(って、これも無理だよ!?お姉ちゃんに口で教えてもらっただけで、本当にはやってないから無理だよ!……でも、出来なかったら、私に炎が直撃しちゃうよ!?……こうなったら、お姉ちゃんの動きをまねするしか‥…。)
ともかく、身をまねるには本気でやるしかない。
今はお姉ちゃんが剣道をしていた時の構えをする。
腕を伸ばし剣の先が目線と同じ高さになるように。
足は左足を前にして、重心は前に。
そして目を閉じて、感覚を研ぎ澄ます。
(私はお姉ちゃんを信じるよ。……だから、お姉ちゃん力を貸して……。」
徐々に近づいているはずだけど、目を閉じているから魔法は見えない。
内心怖くてしょうがない。
でも、お姉ちゃんを信じてその時を待つ。
そして、ある一定の距離に異物を感じた瞬間、
(今だ!!)
「対魔法剣技!」
目を開けると同時に体を動かす。
目を開けると目の前には魔法が。
そして、先に動いていた竹刀が魔法を真っ二つに切り裂く。
(ひぇーー!?こ、こわいよー!?)
目を開けた瞬間目の前に魔法が飛んできていてビックリした。
それなりに結構ぎりぎりで間に合った。
けど、こんなのは今日限りで十分だよ。
「さすがリーナさん。長期間あったのにもかかわらず。対魔法剣技は完璧に使いこなせてますね。」
「ありがとうございます。」
内心冷や冷やしながらも顔に現れないようにする。
「他のみなさんも出来ている人が多いようなのでよかったです。2回目の授業にして次のステップに行けそうですね。」
と先生は言っていたけど、これ以上怖い思いはしたくないよ思っていた。
それからは、先生は他の生徒の様子を見るために移動してしまった。
取り残された私は先に休憩をしていいと言われてしまいどうしようか悩んでした。
「やはり、間合いを広げる練習をしていた方がいいのでしょうか。」
お姉ちゃんが言うには、間合いは広ければ広いほど役に立つと言っていた。
そして、最低でも5メートルはあったほうがいいと言っていた。
でも、さっきの感じだと、私の間合いは1メートルあるかないか。
「集中しましょう。」
一旦目を閉じる。
何もない闇の中で、自分を中心に波を広げていく。
でも、さっきみたいな感覚が無い。
だからもっと深く集中していく。
そして、海の底に沈んでいくかのようにどんどんと落ちていく。
「・・・…‥ん。」
どこかで誰かが喋っている。
でも、きっと気のせいだろう。
「……さん。」
まただ。
誰かが喋っている。
でも何を言っているのか分からない。
「‥‥ナさん?」
声は徐々に近づいて来ている。
そして、徐々に何を言っているのか聞き取れるようになってきた。
「リーナさん?」
「はぁ!!」
意識が覚醒するとともに体が動き出す。
そして気づいたら、
「ど、どうしたんですか!?さすがに先生以外だったら危なかったですよ?」
「す、すみません。集中していてつい。」
ワカバ先生の額のすぐ前に竹刀を向けていた。
そして徐々に覚醒していく頭を使って状況を整理していく。
深く集中していたせいで間合い以外の場所からの情報を遮断してしまっていた。
そのため、先生に声を掛けられていた事にも気づけなかった。
そのうえ、間合いに入ってきてしまった先生に竹刀を打ちかけてしまったのだ。
「いいですよ。それにしても私も少し不注意でした。まさかリーナさんが間合いの練習をしているとも気づかずにその範囲に安易に入ってしまったのは私のミスですね。」
「いえ、私も自分の事で一杯で回りが見えていませんでした。」
そう言って、先生に謝る。
先生にも非があると言って先生はすぐに許してくれた。
「それで先生、私に何かありましたか?」
「実は、見てもらいたい生徒がいるんです。私がつきっきりで教えてもいいのですが、立場上1人だけとはいかないので、代わりにリーナさんに代役をしてもらえないかと思ったんです。」
「そういう話ですか。しかし、私で大丈夫ですか?」
「問題ありません。あなたは十分扱えているので大丈夫です。ですが、無理にとは言いません。例の件もありますし。」
「それではすみませんが、他の人にあたってもらえませんか?その、私ではまだまだですので、不十分な知識では教えることも難しいでしょう。」
「そうです。残念ですが、他を当立ってみましょう。」
先生は私がほかの生徒とあまり仲が良くないことを知らなそうだった。
別に私がどうこうしたわけではないのでなぜ嫌われているかも私自身分かっていないけれど。
だから、素直にはいとも言えないので、適当な理由でお断りした。
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