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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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走り出す少女10~~お姉ちゃん視点~~

寮にいる2年生全員に回り終わったものの、リーナを見つけることはできなかった。

また、昨日の夕方にリーナの姿を見たという人もいなかった。


「会長、レオナちゃん!どうでしたか?」

「3年生のみんな、昨日の時点でリーナちゃん自信を見かけていないそうよ。」

「私の方も、みんな知らないって言ってました!……この状況、相当やばいんじゃないですか!?」


レオナちゃんはそれなりに焦っている模様。

それに対して私と会長は冷静を保つ。

こういう時こそ冷静にしなければならない。


「サナちゃんが最後に見たのはいつだったの?」

「ちょうど会長の部屋から戻った時ですね。その後、裏庭に向かっていたのは知っているんですが…‥‥それからは全然です。」

「それなら次は裏庭を見に行きましょうか。」


3人で裏庭に行くことになった。

裏庭には花園が広がっており、中心にはテラスも備えられている。

その代わり、テラスまでの道のりは少々迷路のようになっていてために迷うこともある。


「レオナちゃんは初めて来るわよね?」

「いえ。この前、会長を含め3年生の先輩数人とお茶会があったんです。その時に会長と一緒にいたので私もご一緒させてもらえたんです。」

「あの時は楽しかったわね。」

「私は、2つも上の先輩に囲まれてとても緊張しました。」


聞いて見たさもあったけれど、今はそれどころではない。

それよりも、テラスに行ったことがあるという事はここからの道のりは大丈夫でしょう。


迷うことはなく淡々と迷路を進んでいく。

テラスまでの道は一本のみ。

一応、リーナが行き止まりの道に入っていないか気を配りながら進んでいく。


テラスに辿り着いてみると、そこには……、


「リーナちゃん、いないですね。」

「困ったわね。ここにもいないとなると考えを改めないといけないわね。」

「………。」


そこには、アリスとエリスがいた。

アリスの方はゆったりとくつろいでいる様子。それに対しエリスは、私たちに気づいてあわあわとたじろいでいる様子。


「サナちゃん、どうかしたの?」

「……いえ、何でもありません。ここにはいなさそうですし、戻りましょう。」

「そうですね。……でも、リーナちゃん、本当にどこに行ったんだろう。」

「大丈夫、リーナちゃんはきっといるわ。」


レオナちゃんもリーナが居なくととても心配してくれている。


「会長、レオナちゃんと寮に戻っておいてください。私は少しここに居ます。」

「何か手掛かりでもあったの?」

「いえ、少し整理しようと思いまして。部屋の中にいても考えがまとまりそうにないので…。」

「分かったわ。レオナちゃん、行きましょう。」

「はい。サナ先輩、また後で。」


2人が見えなくなるまで後姿を見つめた。

そして、完全に見えなくなるとテラスの方に向き直る。


「どうしてあなた達がいるのかしら?」


すぐさま問いを投げかける。

この前の件もあり、今回も何かしているのかもしれないと思った。


「ちょうど良い場所があったからに来ているだけよ。他意はないわ。」

「あわあわ、あわあわ!!」


エリスは驚きのあまり言葉を出せないといった様子。

アリスに限っては、『私は何も知らないわ』と言わんばかりの態度。


「あなた達はリーナの場所を知らないのよね?」

「ええ。昨日から会っていないわ。」

「ほ、本当に知らないんです!」


案の定分かっていた返答。それでも質問をやめない。


「分かったわ。……それじゃあ、目星はついているかしら?」

「そうねぇ……あんまり焦らないでいいと思うわよ?」

「それはどういうことかしら?」

「あなたも言っていたじゃない。ひょっこりと現れるかもしれないって。」

「つまり、リーナ自身が私のもとに戻ってくると?」

「さぁ、‥…どうかしら?」


はっきりしない返答。それでも、彼女が嘘をつくとは思っていない。

半分は本当なのだろう。


「わ、私は本当に知らないので、聞かれても困りますよ。それとお姉さま、知っていることがあるなら素直に教えてあげてよ。」

「私の知っている所はこれまでだもの。」


そうはいっても、顔には余裕に表情が残っている。まだ知っていることがあるのでしょう。

でも、これ以上は話すつもりがないらしい。

それならこれ以上聞いても無理でしょう。


「これで私は失礼するわ。」

「ええ。」

「リーナさんが大丈夫だと私は信じているので!」

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