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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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夢を見る少女12

お姉ちゃんのベットから目が覚めてから5日が経ちました。

最初はお姉ちゃん以外何も覚えていなくてとても怖かったです。でも、私の分からない事はお姉ちゃんが優しく教えてくれるのでとても安心です。


ただ、知らない人と会うのはまだ慣れません。どうしても、お姉ちゃんの後ろに隠れてしまいます。それに、お姉ちゃんがいないと、息が苦しくなって倒れそうになります。そのせいで、この前はお姉ちゃんがいない時に知らない人が来て、お姉ちゃんに心配をさせてしまいました。ただ、この時来た人は私のパパとママ、それに学校の会長さんだったらしく悪いことをしてしまいました。


だから、これ以上お姉ちゃんに迷惑をかけないように特訓をしています。

どんな特訓かというと、ご飯は食堂という場所に行って食べるようにして、お風呂は1人用でじゃなくて大人数で入れるお風呂に入るようにしています。これで、無理やりでも誰かと会うことになるので、どんな人と会っても大丈夫になると思いました。でも、最初から大人数に会うと、私が怖くて逃げでしてしまうので、一定の時間だけはなるべく避けるようにお姉ちゃんから同じ寮にいる人に言ってもらいました。


流石に2日では治らなくて、誰かと会うとお姉ちゃんの後ろに隠れてしまいます。

でも、私がお姉ちゃんの後ろに隠れると不思議な事が起きます。それは今日も起きました。


「リーナ、今日も頑張りましょうね。」

「う、うん。」


そう言って、食堂に入っていく。中にはそこまで人はいなかった。

でも、


「おはよう、2人とも。」

「今日も仲がよさそうですね。」

「先輩方、おはようございます。」

「…おは、よう、ございます。」


お姉ちゃんの後ろに隠れてしまうが、勇気を振り絞って途切れ途切れでも声を出す。

2人の先輩は、私の態度に気にする様子はなく微笑んでくれる。他にも、周りのテーブルに座っている先輩も微笑ましく見ている。私の態度が悪かったと思うけど、周りからこのような目で見られると余計恥ずかしくてお姉ちゃんの後ろに隠れてしまう。


席は、端っこの方に行き朝食をとる。周りに他の人がいるとさすがにご飯を食べることはできない。

今日の朝ご飯は白ご飯にハムエッグ、お味噌汁、それから苺。お姉ちゃんに作ってもらったご飯もおいしかったけど、ここのご飯もおいしい。


「苺、甘くておいしい!」

「それなら、私のもいる?」

「お姉ちゃんの分まではもらえないよ。」

「そう?でも、美味しいんでしょ?私はお腹がいっぱいでね、せっかくおいしい苺を捨てるのももったいないでしょ?」

「それなら、お姉ちゃんの食べてあげる!」

「じゃあ、私が食べさせてあげるわ。リーナ口開けて?」

「あーん。」


苺が入るぐらい口を開ける。甘さと、みずみずしさが伝わってくる。

やっぱり、イチゴはおいしいな!


「………。」

「………。」


こんな感じでいつも食べているけど、気づいた時には周りのみんなが私とお姉ちゃんを凝視していた。中には、おかしな人もいて、


「と、尊い!こんなの見せられたら、私……。あぁぁーー///!!!」

「て、天使だわ!はぁ////!ここは天国だったのね!」

「いつもとのギャップが////。……ごめん、私、死ぬ。」


と、目の形がハートになる人や鼻から血を出したり倒れたりする人がいます。これには、お姉ちゃんも困惑していました。


また、お風呂に入る時にも同じのような事が起きます。これは昨日の事です。


「今日も、体を洗うのを手伝った方がいいかしら?」

「お姉ちゃんからだあらうの上手だから手伝ってー!」


お姉ちゃんには後ろに回ってもらう。まずは、頭から洗ってもらう。

石鹸を手になじませてから泡立てる。しっかりと泡立てると髪につけていく。


「どう?頭痛くない?」

「うんん。とーっても気持ちいいよ!」


加減のいい強さでゴシゴシしてくれるのでとっても気持ちいい。

それに、髪を触られると、くすぐったい。でも、お姉ちゃんにやってもらってるから、楽しくなってくる。


「お姉ちゃん、背中もお願い!」

「分かったわ。髪は前の方で持っておいてね。」


次は背中を洗ってもらう。前や足の方はお姉ちゃんやって貰う訳にはいかないので自分で洗う。

そして、洗い終わると、


「次は私がお姉ちゃんを洗ってあげる!」

「無理しなくて、いいわ。」

「するの!お姉ちゃんがしてくれたから私もする!」

「そこまで言うなら、背中をお願いしようかしら。」


と言って、洗う道具とボディーソープを渡される。それを使って、ゆっくりとお姉ちゃんの背中を洗ってあげる。


「どう?気持ちいい?」

「ええ。リーナは上手ね。」

「えへへ。」


そうしていると、周りの視線に気づき周りにも人がいる事が気付いた。さらには、小さい声で、


「やばい、可愛すぎる!」

「私、本当に死ぬわ!尊過ぎて……。」

「私なんて、変な妄想が浮かんできて、興奮が止まらないわ!」

「あなた、それは興奮じゃなくて、のぼせて頭が可笑しくなっているだけだわ!」


という人がいた。これに関しては、私もみんながいる事に気づいていなかったのではしゃぎ過ぎてしまったと後悔した。


しかし、こんな時以外にも、起こります。廊下や階段で2・3人の人とすれ違うと、ついお姉ちゃんの背中に隠れてしまいますが、そんな時に起こります。


「リーナちゃーん。私にも抱き着いて良いのよ!」

「リーナちゃん、可愛い!抱かせて―!」

「一緒にお風呂に入りましょう!大丈夫、私ならもっと気持ち良くしてあげられるわ!」


無理やり私に抱き着こうとしたり、訳の分からない話をしてきます。さらに、


「サナお姉さま、私にも!」

「サナ!私にも、その、……食べさせてくれ。」



私からお姉ちゃんを取ろうとしてくる人もいました。お姉ちゃんは取られたくないので少し前に出るけど、足が震えて立っているので精一杯です。

ただ、なんでこんな事になるのか分からなくて、余計周りの人が怖くなりました。

でも、ご飯やお風呂の時は自分でやると決めた以上諦めるわけにはいきません。


他にも、1人で寝るように頑張っています。お姉ちゃんと一緒の部屋じゃないと眠るのが怖かったけど、お姉ちゃんの寝る場所が床になってしまうので私が自分の部屋で寝れるように頑張っています。

今は、完全に眠りに着くまでにお姉ちゃんがいてくれれば眠る事が出来ます。

ただ、起きた時にお姉ちゃんがいないと過呼吸になってしまうので、今後直せるようにしていきたいです。

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