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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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植樹をする少女16

「ぐわぁぁぁーー!!」


私が光に包まれたと同時に、襲撃者が叫びだした。


「‥…今のは、成功させたの?」


さっきの輝きに、目を暗ましてしまった。光が収まると、無理やり目を開ける。

目に映し出されたものは、襲撃者の腕に光り輝く大剣の形をしたモノが貫通し地面にまで刺さっている情景だった。

そして、私の両手には2つの違った剣が握られていた。左手には、漆黒掛かったクナイが握られていた。右手には、光り輝く小型ナイフのようなものが握られていた。


「な、なんだこれは!?‥…ちっ!力が入らねえ。」

「まずは手をどうにかしましょうか。」


起用に手を動かし、襲撃者の手からするりと抜ける。

しかし、先ほどまでに受けたダメージは回復している事はなく、左腕で押さえながら距離を取る。


「……何をしやがった!!……こうなったら、腕ごとでも!」


無理やりもう片手で引き千切るかのように引っ張る。すると、さっきまでびくともしなかった、それは、地面と一緒に抜けた。その剣に似たものを握ると、さっきまでの強度は一体というほど粉々に消えてしまった。


「気に食わねえな?取り逃がしちまったが、次は確実に()()!!」


すると、先ほどと同様の勢いで攻撃を仕掛けてくる。

それに対し私は右手はもうほとんど動かなくなっていたので、左手のクナイを使い受け流していく。


「この感じ‥‥、この感触‥‥。」

「何ぶつぶつ言ってやがる!」


次々に繰り出される攻撃をいとも簡単に受け流していく。

まるで、体の一部であるかのように異様に使いまわす事が出来た。


「初めての『解核(シェイプ)』のはずなのに、あそこまで使えるなんて……。それにしても、あの子の武器はいったい……。いいえ、今はそれどころではないわ。私の力をもっと出せれば……。」


お姉さまは先程までの言葉を思い出す。使っていい力は3割まで、魔法は初歩のみ。

普段の相手ならばはっきり言ってこれだけで倒せる。

しかし、相手は思っていたよりも何倍も強かった。

強かったと言っても、実力はそれほどでもなかった。しかし、持っていた『乙女衣装(シュヴァルツ)』らしきものが、相当のものだった。


「私がサポートだけでも……。【ショックボルト】、【アイスショット】、【リーフカッター】連撃!」


3種の魔法を襲撃者に向けて次々とはなっていく。

襲撃者は、魔法の対処にも追われ、私の攻撃をかわす数が減っていった。


「お姉さま、ありがとうございます!ここで、決めます。」


後方に体を向けていたのを、一瞬にして前方に向き直し襲撃者との距離を縮める。


「くくっ、そっちから捕まりに来てくれるとはな!終わりにしてやる!」

「終わるのはあなたの方です。【暗殺術肆の型:飛影】!」


左に持っていたクナイを、相手の右目に向かって投げた。

しかし、簡単に弾き飛ばされたと思った‥…が、手に触れた瞬間爆発した。

直接的な威力と、目くらましを合わせた攻撃。さらに、相手が視界を外した瞬間を私は逃すことなく右手に持っていたナイフらしきもので追い打ちをかけていく。


「ぐわあああぁぁぁー!!!目がぁぁぁー!!」

「お姉さまに触れた怒りは、こんなものではありませんよ!」


そしてさらに、どこから現れたかわからないが、左手にあるレイピアでもう片目を狙っていく。さらに、両肩、両腕。両足とまたどことなく現れたそれぞれ違った形に光り輝く剣で串刺しにされていく。


「あぁぁぁぁー!!な、何なんだぁぁ!!か、体がぁぁぁ!!」


串刺しにされ、動きが止まったかと思うと、地面に倒れ痙攣しながらももがきだした。


「だ、誰か助けてくれ!暑くて、冷たくて、それに毒が……!」


何を言っているのかが全然わからなかった。ただ剣らしきものに串刺しにされただけなのに、熱いや寒いなど矛盾したことを言っていた。


「リーナ!」

「お姉さま、やりましたわ!」


声のする方へ向くと、お姉さまが右の脇腹を抑えながこちらに向かってきてくれていた。

私もお姉さまの方へと向かおうとしたが突然の目眩に襲われた。


「あ、れ‥‥?」


そして、体に力が一切入ることはなく、そのまま倒れてしまった。


「お、姉、さま‥…。」

「リーナ!リーナ!!」

「‥……」


どうにか声を出そうとしたが出ることはなく、手を動かそうにも力が入らなかった。

そして、だんだんと視界もぼやけてきた。


(せっかく倒せたのに、ここまでなのでしょうか。お姉さまに悲しそうな顔をさせてしまうなんて、最後の最後にやらかしてしまいましたわ。どうせ死ぬのなら、お姉さまと静かに同棲して、あんなことやこんなことをしてからが良かったですわ。)


深い海の中へと沈んでいくかのように眠りについた。

やっと、襲撃者を仕留める所まで終わりました。

本当はこういうシーンを挟みたくなかったんですが、主人公の成長させないといけないので書きました。しかし、やっと終わったので、どんどん百合百合しい部分を描いて行こうと思っています。


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