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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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植樹をする少女15

「あぁ、いい!!これだ!!この力が湧き上がってくる感じ!!さっきから散々舐めた口をしてたが、後悔させてやるぜ!」


先ほどまでは右腕だけが化け物のような腕になっていたが今回は、全身が化け物のそれに近いものへと変わっていた。そしてさらには、額には2本の角が、そして背中には禍々しい羽が生えていた。

私はすぐにお姉さまの所に移動した。


「お姉さま、あれは私たちが持っていた物と同じものなのでしょうか?しかし、あれからは‥‥。」

「あなたの言いたいことは分かっているわ。たぶんあれは力が混じっているのよ。そもそも『神装(アーマメント)』は、体の全身に鎧をまとわせる物なの。でも、あの人の姿はどちらかというと、物語に出てくる悪魔のような姿になっているわ。多分、力が混じった影響だと思うわ。」

「という事は、回収しなければいけませんね。」

「ええ。私が相手をするから、回収の方をお願い。」


手早く、お姉さまとの会話を終わらせ、邪魔にならないようにさらに距離を取る。


「さっきから変な話ばかりだな、おい。戦う気がねえならサクっと殺しちまうぜ!」


それを合図に、戦闘が再開された。

魔装(アーマメント)』した姿になってから、先ほどよりもさらに力を増しているのが見ていて分かった。先ほどまでお姉さまが圧倒していたが、今では互角またはそれ以上だった。


「さっきまでとは大間違いだな?さっきから余裕が無くなってきているぜ?それに、防いでるばかり。フルボッコだな?」

「‥‥…っ!」


襲撃者が言っている通り、先ほどからお姉さまは攻撃を防いでいるばかりで反撃は一切見て取れない。それに比べ、襲撃者は余裕の表情で戦いを頼んでいた。

そして段々と、お姉さまの守りが弱く‥‥、いや、襲撃者の攻防が徐々に強くなり、完全に押されていた。

そして、その姿を見た私は、すでに我慢が出来ずにいた。


「‥‥っ!お姉さま、それ以上は危ないです!?すぐに力を解き放ってください!!」

「ま、まだ私は大丈夫よ!そ、それに、ここ、で、全力は、出せないわ!」

「そんな‥…。」


何とか致命傷は避けているが、もう既に守り切れずにいる状態だった。

そのため、今の流れを断ち切るためにいったん距離を取ろうとするが、すぐに追いついてきてしまった。


「まだ、上がり続けるの!?」

「おいおい、逃げんなよ?最初の威勢はもうないのかよ?」


またさらにサンドバック状態に戻ってしまった。


「‥…っ!もう我慢できません。お姉さまが力を出せないのなら、私も戦います!【藍の鎖(エターナル・チェイン)】自動追尾モード!対象は目の前の敵!」


すると、赤い鎖がお姉さまの足元から現れ、襲撃者の方へ伸びていく。襲撃者の全身をめぐるように動き絡みつく。そして、固く厳重に束縛する。


「こんなちんけな鎖で捕まえられると、思ってんのか!!」

「なっ…!!」


しかし、襲撃者は思っていたよりもはるかに強く、直ぐに引きちぎられてしまった。

しかし、この一瞬のすきにお姉さまは距離を取り、次の攻撃の準備をする。


『ミオ、聞こえているかしら。』

『聞こえていますよ、サナお姉さま。』

『よかったわ。それで、私の制限はどこまで解除されているのかしら?』

『初歩の魔法ぐらいなら使っていいと聞いています。しかし、それ以上はエリスお姉さまから対応が難しいと聞いています。』

『分かったわ。』


お姉さまが直ぐに意識を目の前に戻す。

お姉さまの会話は私にも聞こえていたので何とかお姉さまのために時間を作ろうと努力する。

でも、何度も鎖で動きを止めているけれど、時間として一瞬。徐々に間が狭まっていた。


「姉として慕われている以上、しっかりしないといけないわね。」


自分に言い聞かせるように言った。


「リーナ交代よ。あなたは後ろでサポートよ!」

「分かりました!」


お姉さまは入れ替わるように、前に突っ込んでいった。


「【ショックボルト】ブースト!【アイスショット】連撃!」


自身のレイピアに電気の魔法である【ショックボルト】をまとわせ、一突きの速さ威力を上げていく。さらに、氷の魔法である【アイスショット】で追い打ちをかけていく。


「いいね、いいねぇ!さっきよりかは面白くなってきたじゃねえか!」

「なら、さらに面白くしてあげるわよ?【リーフカッター】連撃!」


さらに、植物の魔法である【リーフカッター】で攻撃を仕掛けていく。同時に3種類もの魔法を同時に行使しあそこまで戦えれるのはあそこまでだろう。


「私も、忘れないでくださいね!【火炎球(フレイム)】、【岩石球(ロックバレット)】連撃!」


さらに私も火の魔法と岩の魔法でサポートをしていく。

しかし、相手には攻撃が見えているのか、ほとんどすべて避けられてしまっていた。幸いにも、全てを完璧に避けることはできず掠り傷程度だがそれでも効果があるようだった。


「流石にこれじゃあ、私もきついな。お前はなかなかしぶといようだから、さっきのお嬢ちゃんから倒すか。」


襲撃者は、お姉さまから私へとすぐに標的を変え、私の方へと向かってくる。


「待ちなさい!」


お姉さまも負けじと、立ちはだかるが、弾き飛ばされてしまった。


「きゃぁぁぁっ!」

「お姉さま!」

「よそ見してもいいのかよ?」


お姉さまが弾き飛ばされて、そちらに目を向けてしまった。そのためその目を離した瞬間に首を掴まれてしまった。


「やっと捕まえたぜ。まずはお前からだ!」

「は、放しなさい!私に触っていいのはお姉さまだけよ!」

「面白いことを言うんだな。お前の言うお姉さまは、あそこでくたばっちまってるぜ?」


お姉さまは、先ほどまでの攻防で消耗しきったのか、立つことすらつらそうに見えた。


(何か、何か考えないと!私ができることは………武器さえ、あれば。何か武器があれば、王宮で学んだことが‥‥。そうだ!私にはまだある!今こそ、力を!)


「……。」

「さっきから黙っちまってどうした?もしかして、死ぬことに対して怖くなっちまったか?」

「‥…さい。」

「あ?何細って言ってんだよ?もしかして、今さらになって命乞いか?いいぜ聞いてやんよ?」

「放しなさいと言ったのよ!これは最終警告よ!」

「おうおう、面白いこと言うじゃねえか!ほざけるのも今のうちだ。さあ、すぐに殺してやんよ。」


右手を振りかざし、私の心臓に狙いを定める。


「それじゃあ、あの世でお前のお姉さまを待ってな!」


心臓へと振り一突きするところだった。


「リーナ!!」


お姉さまが名前を呼ぶ声が聞こえた。その声のためにも、私は生きていなければならない。


「今こそ力を示せ!『解核(シェイプ)』」


すると、光が彼女を包んだ。

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