植樹をする少女10
『私とお姉さまは大丈夫です。』
『ヒマリ、そっちはどうなの!?それに会長は!?』
『私は少しかすっただけでよ!』
『こちら、レオナです!か、会長が、王様を守って、左腕を撃たれました!ど、どうすれば!?』
どうやら、ヒマリ先輩とマリア会長は、命の別状はないようだった。
『レオナちゃん、まずは周りを警戒して!次があるかもしれない!それに、会長はそれだけじゃ倒れないわ。』
『そ、そうよ。私はこれぐらいじゃ、倒れないわよ。』
『マ、マリア会長!!ほ、本当に大丈夫なんですか!?』
『ええ、それよりも、周りに警戒よ。次が来るかもしれないわ。』
その直後だった。
『動くな!すでにお前らは囲われてるんだ。変な動きをすれば、ガキだろうが殺すぞ!!』
ドスの効いたいた声が空とイヤホンから聞こえてきた。
さらに、黒いマントを覆い拳銃などを武装した人々が現れ、リーナやお姉さまだけでなく生徒や一般市民などを取り囲んだ。そして、その中から、リーナとお姉さまの前に一人歩いてきた。
「あなたが、サラ様とリーナ様ですね?」
顔は仮面で隠れていて分からなかったが、声の高さからして男だという事が分かった。
「そうだけど、それがどうしたの?」
「私たちは、あなた2人にしか興味がありませんので無駄な犠牲を出したくなければ従ってもらいます。」
「そんなこと言われて、はいそうですか、と言えるわけないでしょ?それより、これはあなたたちの仕業かしら。」
お姉さまは、私を隠すように前に出た。
「もちろんですとも。他の2か所も同じように我々が制圧しました。」
「何のためにそんなことをしたのかしら?」
「何のためにと言われても、分かり切ったことでしょう?ここには、レイン王国のお姫様やその親族のお嬢様や有名なご令嬢がわんさかいます。そして、あちらには国王様といった、この国を動かしている人々が多く集まっています。こんなチャンス、狙わないはずはないでしょ?」
その男は高らかと語った。私たちも狙われる事も可能性の中に入れていたが、ここまで大掛かりにやられるとは思ってもみなかった。
「と言っても、こっちでの本命は先程も言いましたが、リーナ様とサラ様ですの無駄な抵抗をしなければ他の皆様の安全を保障しますよ。」
「それは嬉しい提案ね?でも、私とリーナは何をさせられるのかしら?」
「簡単な事です。レイン王国の人質ですよ。」
「なら、なおさらあなたたちの言うことは聞けないはね。」
「それは、残念です。あなたたちが首を縦に振ってくれれば、この場の人たちは安全が保障されるのですが。私もあまり犠牲を出したくないのですが、この場にいる皆様には死んでもらいます。全員撃て!!」
男がそう言うと、銃弾の嵐が………繰り広げられるはずだったけど……。
「なぜ誰も撃たない。」
そう言い、仲間の方を振り向いた。すると、仲間と思われる物はすべて倒れて動かなくなっていた。
「これは一体……!?いったい何がっ……!!」
男が振り返ると、その首筋に剣が突き付けられていた。
「これで形勢逆転ね?無駄な抵抗はお勧めしないわよ?」
「くっ…!!」
男は観念したのか、手を上に挙げ膝ま着いた。
それを見届けたお姉さまは、周りに指示を出し始めた。
「今のうちに眠っている襲撃者を縛るのよ!!また、一般市民は急いで寮の中に!!この場の風紀員代表は前に出てきて!」
すると、固まっていた学生が動き出した。学生が一般市民を誘導し、学生寮の中に入っていく。
「私がこの場の代表のミナミです。」
「それじゃあ、今後の対応を話します。まずは、学生寮の中にある武器を学生に配布して、襲撃者の仲間が来たときは、風紀員の指示のもと追い払うようにしてください。そして、学生寮の中は安全だからむやみに外に出ないように指示を願いします。」
上下関係的には指示を出すのは逆だと思う。
でも、お姉さまだからこそ的確に指示を出していく。
そして、3年生の先輩はしっかりと話を聞き、相槌を打っていく。
「分かりました。それより先ほどはどうやって敵を倒したんですか?誰一人として魔法すら放ったようにも見えなかったのですが。」
「あれは、リーナによるものよ。私が、リーナの前に立って、見えないようにしてたから気づかなかったようね。」
「しかし、我々から見ても、リーナさんが何かしたようには見えなかったのですが。」
「それなら、敵の足を見るといいわ。それより私たちは急ぐからお願い。」
「サラさん、今からどちらに!?」
「むろん会長のもとです。ちょうど準備ができたみたいなので後の事はお願いします。」
「お姉さま、お手をお借りします。」
そして一瞬にしてその場から離れた。
「リーナ、本当に学院の方はまかして大丈夫なのかしら?」
「ミオが語り掛けてきたと思いますが、金と銀を暴れさせると言ってます。それに、ミオは遠距離が専門ですから接近戦はしないと思いますので、心配はいらないと思います。」
「それならいいのだけれど。それで、狙撃してきた者は?」
「しっかりと拘束しています。ただし、向こうに行ったとき襲撃者の仲間の方に使うと少しの間私は戦えれないので私は少し離れた場所に落ちるので後はお願いします。」
「ええ、分かっているわ。」
「お姉さま、着きます!」
すると、囲まれた中にお姉さまが一人突然現れた。
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