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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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植樹をする少女9

『それではこれより植樹をしたいと思います。まずは準備をして、指示が出るまで待機をしていてください。』


目の前にいないはずの、マリア会長の声が響いてきた。市役所の方から拡声器を使っている証拠だろう。


「それではこちらも植樹をするための準備に取り掛かります。」


その声を合図にお姉さまもこちらの指示を出した。すると、桜の苗を届けて来てくれた研究員や寮生がそれぞれ苗を植える位置に必要なものを準備していく。

そして、準備が整ってきたと思ったら、研究員の男性がこちらに向かってきた。


「姉御、全ての準備が整いました。」

「ええ、分かったわ。ただ……その呼び方いつになったら直してくれるの?私はそう呼ばれるのがあまり嫌いなのよ。トトどうにかならないの?」

「どうにかと言われましてもお嬢のお姉さまである以上師からは姉御と呼ぶように言われております?お嬢はどう思いますか?」

「お姉さまが嫌がるのでしたら変えさせますが、私としましては、かっこいいと思いますので変えなくてもいいと思います。」


私も呼ばれ方が少し恥ずかしいと思うけれど、お姉さまのはかっこいいと思う。

でも、お姉さまが嫌なのであれば無理強いはしない。


「やはりお嬢もそう思いますか!姉御とは、組の中で数少ない頂点を指す言葉。姉御にピッタリであり、尊敬する称号なのです。」

「そう言われてもね、どう見ても私が悪役の頭みたいに聞こえるから嫌なのよね。」

「それでしたら、姉御が世界のその認識を改めればいいのではないですか?姉御というのは強くてかっこよく誰からも尊敬する人なのだとそこら辺の奴が姉御を名乗るなと片っ端からやっつければいいじゃないですか!」


トトたちは私と違って考え方が柔軟なようだった。

お姉さまの力であれば、それぐらいは可能だと思う。


「トト、それはただのやばい奴になるんじゃないの?」

「いえ、いい考えかもしれません。お姉さまのすばらしさを広めるいい考えですよ!悪を倒し正義を掲げるお姉さまは誰もが崇拝するでしょう!今度実行なされてはどうでしょう!」

「リーナ、あなたも乗っからないの。それよりも、そろそろ始まるからトトも戻りなさい。」

「はっ!」


そう言うと、トトは戻っていった。


『それではこれより、植林を始めます。』


「始まったようね。」

「はい。こちらも始めましょう。」


会長の合図とともにお姉さまも合図を出していく。

すると一斉に、私たちをはじめ寮生の代表者たちが苗を植えていく。

すでに掘っておいた穴にゆっくりと苗を置いて、その上から水を少しずつかけながら土を被せていく。

そして、全ての植樹が終わると、それを見ていた人々からの拍手に包まれた。


『見事、全ての植樹が終わりました!!この場をお借りしまして、国王様から一言伺いたいと思います。では国王様、おねが………危ない!!』


「お姉さま!!」


マリア会長に異変が起きた同じ瞬間、お姉さまを押し倒した。

いきなりの事に見ていた人たちは、慌てふためいていた。


「お姉さまお怪我は!?」

「ええ、あなたのお陰で助かったわ。」


そして、すぐに立ち直り警戒モードに入る。すると、


『みんな大丈夫!?』


すると、耳元からヒマリ先輩の声が響いた。

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