表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
20/127

授業を楽しむ少女7

「お姉さま~!!!」


お姉さまの名前を叫びながら通路を走り抜ける。

気持ちが前のめりになって、貴族である自覚を忘れて醜態をさらしていた。


「え?な、何?どうしたの?って、危ないわよ!!」


神殿の外にある階段をゆっくり歩いて降りてくることはなく、ジャンプをして飛び降りた。

流石にお姉さまも驚いたのか、慌てて着地地点に向かう。

私が落ちて来る勢いを増しながら、着々と地面に近づいていていく。

お姉さまもギリギリ受け止められるかどうかというきわどい速さに、お姉さまはとても焦っていたが、私は嬉しそうだった。

気持ちの高鳴りと、絶対的な一方的信頼により、私の頭の中にはお姉さまが助けてくれないという選択肢はないと決めつけていたからだろう。


「お姉さま~~~!!ナイスキャッチです。」

「リーナ、あなたは何をしているのよ。もう少しで怪我をしていたかもしれなかったのよ?」


間一髪で、降ってくるリーナを全身で受け止める。

高さはそれなりにあったがどうやらけがはしていないようだった。


「それよりも、これ見てください!!」


さっき、間一髪だった事をまるでどうでもよさそうに話を進める。

お姉さまは、もう少し反省してほしそうだったが、諦めて話を聞くことにした。


「あなたはこれを貰ったの?」

「はい。お姉さまのと同じようなペンダントを貰いました。」


自分の首から下にぶら下がっているペンダントを見せる。

形や大きさは瓜二つでさらに縁が金色であるというところも一緒だったが、唯一絵柄だけは違っていた。


「あなたのペンダントには、何も描かれていないようね?」

「はい、お姉さまのには月と太陽の絵でしょうか?それに、中心の方に描かれているのは、炎の鳥でしょうか?」


私のペンダントには何も描かれておらず、ただ真っ白いだけだった。

それに比べてお姉さまのペンダントには、月と太陽、それに炎の鳥のような絵が描かれていた。


「そう言えば、このペンダントは、ペンダントとしての使い方以外にも使い方があるのですか?」

「どうしてそう思ったの?」

「その、神殿でお会いした方がそう思わせるような発言をしていましたので。」

「なるほど。あなたもあの方に‥…。そう言えば何かされなかった?一応そんな事をするような方ではないとは分かっているんだけど、リーナは可愛いから、ね?手を出されてもおかしくないわ。」

「そ、そんな!!可愛いだなんて!!お姉さまにそんなことを言ってもらえて嬉しいです!!」


とてつもなくテンションが上がっていた。

お姉さまに、『可愛い』と言われたことがとても嬉しかったのだろう。


「喜んでいる場合ではなくて、本当に何もされなかった?」

「はい。と言いますか、そのお会いした方はボロボロになっていまして……。」

「もしかして、異常事態なことが起きているの!?」


流石にボロボロになっていると聞けば何かあったのではないかと疑ってしまう。

が、今回は本当に異常事態ではあったものの単なる気まぐれで起きた出来事。

嵐は荒らすだけ荒らしすぐに何処かへ飛んで行ってしまった。


「どうやら彼女と先に会っていたらしく、その時に怪我を負わされたようでした。」

「彼女というと、『アリス』の事かしら?」

「はい。彼女です。」

「それは、……お気の毒様ね。」

「本当です。彼女がまた少し暴れたようで……。本当にどうしたらいいのやらです。自由奔放に移動して、好き勝手にやられてこっちはいい迷惑です。」

「今度、『エリス』からも彼女に言い聞かせるように頼んでみるわ。」

「本当に助かります、お姉さま。」

最後に出てきたアリスとエリスとはいったい誰何か?

今後が楽しみですね!

面白いお思ったら、ブックマーク、評価、感想をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ