表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/264

中身はなあに

ごく稀に、宅配のおにーさんから荷物の中身を訊かれる。

本当はそんなん訊いちゃダメらしいけどね。訊かれて困るものでもないし、サイズと重量的に気になるんだろうなと思うので答えてる。今後の参考になるか不明ではあるが。

言いたくなければ断るかテキトーにあしらえばいいし。


初めて訊かれたのは、小麦粉。あれはすまんかった。

その頃気になっていた小麦粉(強力粉、準強力粉、薄力粉)を全部買ったら、粉だけで一二キロを超えてしまった。総重量はたぶん一五キロほど。

運悪く配達の日が悪天候、外箱を破損したとのことで。食品だけど、緩衝材と食品の包材ともに頑丈だから、中身への影響はないと確信していた。おにーさんのせいではない。

あの頃はまだ今ほど通販が盛んではなく、時間は大丈夫というので開梱して一緒に確認することに。結果なんともなくてほっとされたけど、次から次へと粉の袋が出てくるから引かれていたような気もする。

業務用の二五キロには手を出していないから許されて。


次は、ほうき。

薄くて長い長方形の段ボール。大きさのわりにものすごく軽く、動くとカタカタ音がする、謎の荷物。

「これ……なにが入ってるのか訊いてもいいですか……?」

とても言いづらそうに訊かれる。

「学校の掃除道具で、先生が使っていたほうき、あったじゃないですか」

「ありましたね」

「あれなんですよ」

「!?」

「自在ホーキっていうみたいなんですけどね」

「売ってるんですか!?」

「売ってたんですよ。探してみるものですねえ(しみじみ」

「あれ、売ってるんだ……」

「こんな箱あったんですねえ……規格すげえ」

カタカタいってたのは、一緒に買ったホーキ部の掃除用ブラシだった。固定が甘かったんだね。

フローリングの溝のほこりと砂が掃除機でも吸いきれてなかったから、掻き出して掃除機で吸うという手段を取るべく探していたのだ。調べてびっくり、あんなにサイズのバリエーションがあるとは知らなかった。


次も、ほうき。

これは梱包がある種のワザだった。

「これ……なにか訊いても……いいですか?」

訊きたくもなるよね、先が三角形に段ボール梱包されていて、上から棒がにょっきり生えてるんだから。

「ほうきなんですよ、除雪用の」

「除雪用ですか」

「ほうきの毛の部分がプラスチックでね、スコップより軽いし、この辺で積もるくらいなら掃けるから」

「あぁー、それは便利そうですね」とても感心された。

「まさかこんな形で来るとは思ってもみませんでした。これじゃ気になりますよねえ」

「そうなんですよー」

もしかしたら配送センターで話題の品になっていたのかもしれん。


忘れた頃に不定期に訊かれる、茶葉。

使い勝手の良いウーロン茶を年に一~二度の頻度で五キロくらい取り寄せている。

ほどほどの大きさの箱でそこそこの重量、なんとなく気になるみたい。お店の名前は段ボールにばっちり印刷されているけど、わたしも見慣れるまで読めなかったしな。わからんでもない。


回数は多くないと思ってたけど(これだけではなかったりする)、こんなに訊かれるわたしがおかしいのだろうか。

変なもの買ってる覚えはないのだが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] きっと、梱包や外装が気になったのもあるけれど、穂積さまなら聞いても怒らずに、優しく答えてくれそうな感じがしたんでしょうねぇ(*ˊᗜˋ*) 私はよく重たいらしい物を、そのまま玄関先で受け取っ…
[良い点] 先生の使っていたホウキって、T字のですか? うちにもそれある…笑 ホウキってささっと使えて便利ですよね。 ホウキ好きですよ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ