不思議な庭
パセリを庭に直植えしてはいけない。
ミントを庭に直植えしてはいけない。
どちらも聞いたことがある。
その繁殖力の強さのために言われるということも、知っている。
義家には当てはまらなかったけど。
パセリを植えると、どこからともなくアゲハ蝶がやってきて、さりげなく幼虫の食糧庫にされる。
あっという間に丸坊主となり、義母が追加でパセリの苗を買いにいく程度に。
まって。その追加って誰のため?
で、成長を見守っていると、ある朝忽然と姿を消しているんだな。
いやそれ、たぶんトリさんに食べられてるから。
ミントを植えたら、知らぬ間に消えていた。なぜ。
発根はばっちりだったはずなんだけどなあ。
ローズマリーと大葉は生い茂ったのに。
このローズマリーは「自家製酵母」回で出てきた、大量にいただいた枝の一部を挿し芽したものである。数本植えたら一本だけ、なんか大木になった。
バジルも植えるなり消えた。
コンパニオンプランツにしようと思ってミニトマトの隣に植えたはずなんだけど。
同時に植えた大葉は元気に育ったのに(二回目
気がつくと鬱蒼と生い茂っているドクダミを眺めながら思う。
どこからともなくやってきていつのまにか庭で勢力を誇っていたらしい存在。抜いては生え、抜いては生えの消耗戦。
庭の土をすべて入れ替えたところで、またどこからともなくやってくるだろうと結論づけられたため、ひたすら抜き続けるしかなくなった存在でもある。
――原因、こいつかもな。
ドクダミを引っこ抜くのに躍起になりすぎて違うものまで抜いてしまったり、ふっといミミズだなあと思いながら引っ張りだしてみたらシマヘビの幼蛇だったりするから、草取りには注意が必要だと思う。




