高アミロース米考 2 探すと見つからない
早速ためしてみようと思った高アミロースな地元米「あいちのかおり」がなぜか行動圏のどこにもない。今のところ行ったのはスーパー五軒、ドラッグストア一軒。米のためにわざわざ出向いてはいないが、所用で寄ったりしたときに覚えていたら米売場を見に行くかたちで探していたのに、なぜお膝元にないのだ。吠えるぞ。
通販サイトを見ても“残りわずか”と煽る文句しか書いていない。おかしいな、昨年「コシヒカリ」は減収したけれど「あいちのかおり」は平年と同等の収量だったと聞いているのだけれど。
SNSを見ると、他地域では入手しているかたが散見される。いや地元で売ってよ。米騒動が起きる前は常に山積みの品種だったのに。地産地消はどうなった。
同じく愛知の米である「ゆめまつり」を調べてみると、こちらは情報が少なすぎて頭を抱えることとなる。
家系図はすぐに出てくる。親は「あさひの夢」と「大地の風」。「あさひの夢」は名前だけ知っている、わたしにとってはずっと謎の米である。現物を見たことがないのだ。一方「大地の風」は、とても狭い範囲で地産地消されている米である。実はこんな体になる前に数回ほど食べたことがある。愛知県の豊田市とみよし市のみで栽培されていて、両市の学校給食にも使用されている。現在はわからないが、みよし市に行ったときにイオンの米売場にあったのを見たことがある。
困ったことに、両親ともにアミロース値の情報が見つからない。
「あさひの夢」は家系図を見ると「月の光」と「愛知六五号」の交配種と、「あいちのかおり」を両親にもつ。「あいちのかおり」が母親なら、高アミロース寄りのはず。「大地の風」は、家系図が少しややこしい。祖父母、曾祖父母あたりにコシヒカリ系の「ミネアサヒ」とまんまコシヒカリがいるものの、いろいろかけ合わさった結果の米となっている。あっさりした食味だった記憶があるから、こちらも高アミロース寄りの可能性は高い。
とはいえ、親がそうだからといって子に受け継がれているとは限らないのだが。「ゆめまつり」を食べた記憶を引き出そうとしても、十数年前のものであることからどうにもおぼろげなのである。可もなく不可もなく、そんな印象だったのだろう。
あれ、そうなるともしかしたら「ゆめまつり」も高アミロース寄りなのか? 期待していい?
しかし、行動圏でこの米を扱っているのは一軒しかなく、しかもあったのは一〇キロのみ。買っていた頃は五キロの品もあったのに。おにょれ米騒動。
お試しをするには量が多すぎて、断念せざるを得なかった。ハラの状況次第ではあるが、検証を頑張れるのは二キロまでかなあ。四~五回炊いて食べきれる。食べるのがひとりではないからできる行動ではある。
こうなったら、入手できそうな米を探すしかない。
「ササニシキ」は、アミロース値は高くない(約二〇パーセント)もののコシヒカリよりも前の世代の米であることから、候補の上位にあがる。しかし居住地ではまず見ない。なんでだ。
まあ、だから生協で扱っている岐阜県産の「ハツシモ」に手を出したのだけれど。
過去に売場で見た記憶があることから行動圏で入手できる可能性があるのは「ひとめぼれ」「ななつぼし」「きらら三九七」あたりかかと予想している。
「お米のサブスク」回で楽しんでいたはずが(ハラの)苦しみも一緒にやってきた各地の米の中にあった「さがびより」、あれは割と楽だったのは親が「あいちのかおり」だからか。もう一度試してみたいのだが、そこだけピンポイントで狙えないのが難である。居住地では売っていないし。
そもそも現在、生協で普通に米を買おうとするともれなく抽選だ。先日、お試ししようと思ってダメ元で出してみた注文はめでたく落選した。大人しく予約米だけにしておこうと思う。




