あらためてコメを考える
売場でみたカリフォルニア米がコシヒカリと同等と知って。
高いとか買えないという話ではなく、食えるか否かという、違った意味で切実な話でもある。
しばらく前から、わたしは食べられる米の種類がとても限られている。
体を張って調べてみたところ(食い意地の敗北ともいう)、もち米が消化できていないらしいことが判った。
いわゆる「ねばりの強いもちもち系の米」だとハラが敗けてしまうのである。
このあたりは当エッセイで割と嘆いてきたから、記憶されている読者さまも多いかと。
もち米はアミロペクチン一〇〇パーセント、餅がもっちもちになる所以である。では、このアミロペクチンが少ないであろう、「あっさりさっぱり系の米」ならいけるのではなかろうか。
と考えて、いろいろ食べていった結果、現在は単一品種のハツシモという米を選択している。寿司飯に使われるという話だし。コシヒカリよりも古い品種だし。同じように寿司飯に使われるササニシキがなぜか手に入らないし。
が、しかーし。
もともとコメスキーなわたし、調子にのって米飯を食べ過ぎる傾向がある。当然「こうかは てきめんだ!」となる。
うう、ハラが……。
こういうときこそ、子の出番である。
食品関係、とってたじゃろ。専攻と微妙にズレているから、必修科目ではあったものの真剣には聴いていなかったようだが。しかし面白いと思ったところはきっちりおさえている、学術系変態である。
有用、有用。
「コメの成分表示って、アミロースなんだわー」
そんなあぁ~~。
知りたいのはアミロペクチンが多いか少ないかのに~~。
逆に考えてみよう。
米のでんぷんを構成しているのは、アミロペクチンとアミロース。
上記の通り、もち米はアミロペクチン一〇〇パーセント。ということは、うるち米はアミロースの含有量が多い、はず。
アミロペクチンからは逃れられないから、アミロースの含有量ではかるのかもしれない。
これまで、米の家系図を見ながら、とても早い段階から引っ掛かっていたコシヒカリがかけ合わさっているものを避けて米を選んできた。
が、しかーし。
いわゆる「高アミロース米」を探した方が、わたしの場合はよいのではないか? アミロース含有量が多い、それはすなわちアミロペクチン含有量が少ないというわけで。
そんな考えが頭をよぎり、高アミロース米を検索してみるわけだ。
まて。
コシヒカリが交配されていて除外した米がおるんだが。
その筆頭が、地元愛知で栽培されている、あいちのかおり。両親の親にコシヒカリとコシヒカリ系の米がいる。コシヒカリの突然変異種を親にもつミネアサヒには何度か敗けているし、コシヒカリはもう食べるとハラが疲労困憊になる。痛くならないのが不思議なくらい。
惣菜で買った白飯で腹痛を起こしたのは、米なのか、炊くときに加えられているもの(油脂かその他か)なのかの判別が不能だったから、そこはもう考えないことにした。
二度とやらない。
思い返せばあいちのかおりって、割と早くに食べ飽きる味(個人的嗜好)でだいぶ前に離れた品種なのだけれど、学校給食に使われているのはあっさり系の米だからかもしれない。
アミロース含有量は二六パーセント、実はハツシモの約二〇パーセントよりも多いのだ。
コシヒカリ入りなのに(言い方よ
コシヒカリのアミロース含有量は一六~一九パーセントである。地域によって含有量が変わるようで、新潟県産のコシヒカリは低い。道理でいただきものの魚沼産コシヒカリ(の、さらに上物)にやられたわけだ。
おそらく、同じコシヒカリでも地域によって味に違いがあるのはアミロース含有量の差があるからだろう。
もしかしてわたし、高アミロース米で米を選ぶべきなのか?
実はハツシモ、高アミロース米に分類されたりされなかったりと、謎の扱いを受けている。ササニシキは高アミロース米にバッチリ入っているのに。
調べ直して身体張るしかないなあ。
インディカ米も半分くらいはアミロペクチンなので、米を食べたい限りは結局のところ逃れられない運命なのである。




