スペアリブのマーマレード焼き
「いただきものに混乱」回で作った自家製はっさくマーマレードで、スペアリブのマーマレード焼きを仕込む。
本来のレシピだと、一五〇グラム入りくらいの小さめのマーマレード瓶全量のマーマレードを密閉できる容器に入れたら、その瓶の肩くらいまでしょうゆを注ぎ入れて軽く瓶をすすぐようにして容器に加え、マーマレードを溶きのばす。
皮を剥いて縦半分に割り芽の部分を除いたにんにくを二片と生姜のスライスを一~二片分、ねぎの青いところ一本分を入れたところに、スペアリブや手羽元などを漬け込む。
平均するとスペアリブ十本と手羽元十本が多かった。おそらく一.五キログラム程度だったのではないかと思う。何度も作ってきたが重量を覚えていないのだ。
だいたいそれくらいが余裕で漬かる調味料の量ということで。
がんばれば二キログラムくらいならいけそうな気もする。漏れない容器さえあれば。
今回は自家製はっさくマーマレード、それもほぼはっさくピールのためいろいろ改変することにする。とりあえず、マーマレードの量を減らそう。
自家製マーマレードを三分の一程度に抑え、しょうゆは元レシピと同じくらい加えて溶きのばす。味見をしてみるとほぼしょうゆ味、ほんのりマーマレード。ぜんっぜん、甘味がねえ。
少しだけさとうと迷ったが、はちみつを加えることにする。味見をしながら適当に加えていく。けっこう入れたと思うのだが、市販のマーマレードで作るときよりもだいふ甘さ控えめになった。まあいいや。
やっぱり市販のマーマレードは混合柑橘(三種か四種の柑橘)だから、味も風味も違うものになるねえ。
にんにくと生姜、ねぎの青いところを加えたら、満を持してスペアリブの登場である。
陳列ケースで見たときよりデカいな肉。育つのは魚だけじゃなかったんかい。
そんなことを思いながら、ひとつずつ漬けていく。ちゃんと全部入るのか不安になる。最悪、保存袋大の出番だ。魚ほどではないけれど骨の端のとがったところで破れがちだから、あまりやりたくなかったりする。
おおむね一.二キログラムほどのスペアリブが、全部入ってホッとする。あとは蓋をして冷蔵庫で漬けおくだけだ。全面が漬け汁に浸かっているわけではないから、途中で上下を返す必要はあるが。
漬け込むこと一昼夜。
肉が大きかったこともあり、今回は一日半漬けることにしたものを、焼いていく。
オーブンでもグリルでも、フライパンでも。お好みの手段で。
グリルだと入りきらないから今回はフライパンで焼く、くっつかないホイルをフライパンに敷いて。
肉の塊(骨付き)のため、蓋をして弱火でじっくり焼いていく。表面を先に焼いてしまった方が旨味が逃げないのだが、マーマレード焼きは焦げやすいからフライパン焼きの場合はそこを諦めている。
適度に焼き色がついて豪華に見えるのは、やはりオーブンで焼いたものだ。
肉肉しいスペアリブのせいか、めちゃくちゃ脂が出る。拭き取りが間に合わないので、出るがままにしておいたらオイル煮もかくや、という量になった。
調味料がなければラードとして取りおくテもあるけれど、ちょっと気になってしまうタイプなもので取りおきは見送り、冷ました後で処分することにする。
漬け汁は小鍋で煮詰めておく。味が足りなければかける用にするつもりが、思ったよりも肉に味が入ってくれていたから出番はなかった。
当初の予定ではワンプレートにでもしようかな、だったのだが。肉のサイズのばらつきが気になるため、大皿盛りの取り分け形式に。
存在感ありすぎな肉! の皿ができた。
ごはんと蒸し野菜がすすむすすむ。
食べ応えありすぎて、離脱者続出。
翌日、余ったスペアリブから骨をはずして刻んでチャーハンの具にしてやった。塩胡椒と煮詰めたたれで味付け。たっぷり胡椒でいい感じにまとまって満足。
いつも作っていたマーマレード焼きとは微妙に異なる風味ではあるが、ほどほどにマーマレード(というかピール)で、これはこれであり。となった。




