春の味覚
いつもと違うタイミングで向かった激安スーパーで、中くらいのたけのことちびっちゃいたけのこに気がついた。中くらいのものは近所のスーパーに先日お目見えした存在と同じくらいの大きさで、価格は段違いであった。
ちびっちゃいものは手乗りサイズ。若竹煮とかするのにそのまま四つ割りか六つ割りでいけそうな感じだ。というノリでうっかり購入。
帰って茹でて皮を剥いたら……わたしのちっさい手ですら二個乗る。
忘れていたよ、たけのこの皮率。大きなたけのこでもけっこう小さく感じるのだから、もともとちびっちゃいこれが小さくならないはずがなかった。
重量を量ってみたら全部で二五〇グラムほどしかない。米三合分のたけのこご飯にしたら終わってしまうではないか。
「国産のたけのこ(水煮)って、あまり売ってないよね」「お高いからね……」という会話をしたばかりだったから、食べやすいサイズの茹でたけのことして実家に持っていくつもりだったんだけどなあ。
今回は材料をシンプルに、にんじんなどの香味野菜は加えない。たけのこと油揚げのみ。生姜の千切りを加えてもおいしい。
だし汁に白だしと、少しだけ香り出しにしょうゆ、塩を加えて。白だしに酒成分は含まれているから、追加しなくてもよい。
大きなたけのこで作るたけのこご飯よりも、たけのこが柔らかくてえぐみも少なく、食べやすい。繊維がゴリゴリしないのも大きいかもしれない。そしてえぐみが少ないことで、たけのこの甘みがわかる。
あれ、もしかして手間を惜しまずにちっさいたけのこを調理した方がおいしい?
いやでも、若竹煮はたけのこのえぐみも欲しいよな、うん。
適材適所ということか。うんうん。
たけのこご飯を適量取り分けておいて、実家に持ち込む。
なんかご老体、ものすごく食い付きがいいんですけど。炊き込みご飯は得意でない(幼少期の食糧事情によりトラウマがある)方のご老体もモリモリ食べる。
新生姜の炊き込みご飯とたけのこご飯はよく食べるな、この人たち。時期のものはなるべく取り入れようとあらためて思った。




