いつ終わるのか
十数年前、参照していたレシピサイトから利用し始めた通販会社があった。当時はそうと知らなかったが、始まったばかりの事業だったらしい。
先日、この企業さんのSNSで「○周年です」とアナウンスがあって知った。ほぼ初期からのお付き合いをしていた。意外。
ここでは、主にラッピング用品やクッキー型、乾燥剤などを購入していた。食材の取扱いが増えてからはそちらも。
「中身はなあに」回などで出てくる大量の粉類は別の店である。こちらでも粉は扱っているのだが、当時はまだ種類が少なめだったから。
それぞれ得意分野の違う五~六箇所のお店を利用していた。あらためて数えてみると、趣味にしてはいろいろおかしいような気もする。
あるとき、グラシンカップ(カップケーキなどの紙)が必要になった。欲しいサイズがその辺の店では手に入らないのだ。
このサイトにはある。しかし、単位がおかしい。
小売りもしているはずなのに、これはなぜか小ロットのものがない。
現在はある。むしろ買ったコレが見当たらないくらいだ。
さすがの量に、ひと月くらい迷った。なくてもシリコンカップはあるから作ることはできる。しかし、カップに生地がくっつくから型から外すのが大変なのである。実際たいへんだった。
結局、「使っていればなくなるから」と自分に言い聞かせてポチっとしたのだが。
届いた単位:一本
実に一〇〇〇枚入りである。もうね、がっつり握りしめて振ったら武器になりそうなやつなのだ(いつもの発想)。めっちゃ詰まってる紙だからかたいし。一般的な麺棒より長く、こんなものが当たったら当たり前に痛い。
箱から取り出したときにまず思ったのが「どこに仕舞おう」だった。型を仕舞っている場所だと、長さ的にはみ出てしまう。そしてわたしが通行時に引っ掛かる。
あぶない。
しばし考えた結果、長さのある引き出しに入れることにした。型とは別の場所になり、面倒にはなるが仕方がない。
そうしてある意味やけくそ状態で蒸しパン、マフィン、カップケーキと、焼きまくり蒸しまくりを散々してきたわけではあるのだが。
十数年経ち、ふと見やれば「まだある……」
なくなる気配がない。
しかし、ようやく終わりが見えてきた、気がする。
――まだ二〇〇~三〇〇枚くらいあるけど。
寿命がくる前に使いきりたい。




