スマホの歩数計
機械式の歩数計が好きなのだが、引越荷物のどこかに隠れてしまった。十年近く開けていない段ボール箱がいくつもあるから、そのどこかにいるのは確かなのだが。
だって荷造りのときに電池がちゃんと抜いてあることを確認してから詰めた記憶があるんだもの。こんなことになるなら手荷物に入れておくんだった。
わたしの東海道五十三次……。
で、諦めた後にガラケーからスマホへ機種変更したら、歩数計アプリが入っていたから「じゃあこれでいっか」と使うことにした。
しかし、忘れていたのだな。
自分が携帯電話を携帯しない人だということを。
アラームを使用しているから就寝時は枕元に置いている。起床時にLDKのテーブルまで持っていく。家事その他のときはテーブルの上である。
家の中ではどれだけ活動しても歩数は計上されない。
そして外出時、よく不携帯電話であることに出先で気づく。
電話は滅多に鳴らないから、どうにかなるだろう。
今年は電話がかかってくることが多いから、一応気を付けている。出掛ける前に指差し確認をしながら。
稀に夫が勝手に電話に出て相手がパニックを起こしたりしているが。
平謝りである。まったくもって申し訳ない。
さて、そんな扱いのスマホではあるが、歩数計アプリは重宝されている。
しかしこの歩数計アプリ、GPSの位置情報と歩幅の登録、そして「ある程度の振動と移動」が感知されないと計上してくれない仕様である。
つまり、機械式のものほど数えてくれないということ。
前に述べたとおり、朝起きたら寝ている部屋からLDKまでスマホを持って部屋を移動している。しかし、まったく計上されていないときの方が多い。
家から出なかった引きこもりデーなんか、一日の歩数がゼロカウントとか普通にあるのだ。ひと桁という日もある。
機械式の歩数計を身に付けていると、引きこもりデーでも家事などで活動しているから二千歩程度はいくのだが。
トイレにまでスマホを持っていく夫ですら引きこもりデーでも三桁いくのに。
理不尽なものを感じる。
「こっちかこっちの箱に入ってると思うんだけどー」とか言って放置してないで、さっさと開けて確認しろって話なんですよね。
夫の築いたバリケードを乗り越えないと箱にたどり着けんのですが……。




