参鶏湯・風
韓国の薬膳料理のひとつ、参鶏湯。
暑い夏に滋養のあるものを食べて暑気払いするのだという。
つまり、夏の食べ物ということになるが、我が家では「わたしが食べたいから」という理由で通年でなんちゃって参鶏湯が食卓にあがる。
今年は正月早々作った気がする。おせちの意味よ。
常日頃から「作る人最強説」を唱えているからねっ(どやあー
初めて作ってみようとしたときは、レシピに盛大に突っ込んだ。
材料:雛鳥の丸鶏一羽
「んなもん手に入るかぁ~~~!!」
今でこそ割と通年で見かけることが出てきた丸鶏。あれは若鶏なのだ。雛よりもだいぶ大きい。小さめをお願いしても一キログラムはある(あった)。平均すると一.三キログラムほど。雛鳥だと半分くらいだ。
そもそも雛鳥の取り扱いはあるのか。
そして、鶏のおなかに漢方食材を詰める、と。鶏のおなかって案外入らないものである。なんで知ってるかって,クリスマスのローストチキンに丸鶏焼くのにはまっていた時期があるから。おなかの詰め物、二回目で入れるの諦めたもの(はやい
丸鶏は諦めよう。でも骨からいい出汁が出るから、骨付きを煮たいところ。ではどうするか。
手羽元。骨付きもも肉ってあまり見かけない。
我が家で作る参鶏湯風において、もっとも入手が困難なのが乾燥棗。あれだけは出先で見つけると買いだめをする。近所では手に入らず、今切らしているけど(しくしく
高麗人参はかなり扱いに気を遣うから(好みが大幅にわかれる。わたしも苦手だ)、ごぼうに代役を頼む。
嵩ましに大根を任命、なんとなくにんじんを追加。あとはねぎ。
あれば棗、クコの実、松の実、剥き甘栗(おつまみとかで売ってるやつ)。
クコの実は余りがちだが、水かぬるま湯で戻して市販の杏仁豆腐に乗せてみたり、手作り杏仁豆腐の素の杏仁シロップを冷やしておくときに漬けておいて食べるときに一緒にかけたり、デザート類とも相性がよいから、使い途はある。
松の実も、きんぴらなど炒め物のトッピングにしたりできるし。うちは子が常に狙っている(そのまま食べたい)から隠してるけど。
そんでにんにくと生姜。
肉肉しく食べたかったら骨無しもも肉でも。鶏ガラスープの素で出汁部を補強すればよいのだ。
あとは餅米。最近は代わりにもち麦を入れている(ただの好み)が、もち麦もアミロペクチン多いんだったな……今ある分食べきったら押し麦に替えるか……。
気づくんじゃなかった。
餅米で作っていた頃は、米がどろどろになってスープというよりお粥だった。入れすぎなのか。
これがもち麦だとスープのままなんだよなあ。
最初にひと手間、肉を一度茹でる。沸かした湯の中に肉を入れ、灰汁がでたら肉を引き上げて余裕があれば洗う。煮るときも灰汁はでるが、このひと手間で臭みが軽減される不思議。
あとは適当に切った野菜類と薬膳食材、水と塩、補強の鶏ガラスープの素を入れたら火にかけるだけ。なんちゃってもいいところである。だから「風」。
適宜灰汁をとりながら煮ていく。骨無しもも肉だけなら具材が煮えたらおっけー。骨ありならじっくり煮て骨離れをよくしてもらう。
味を見て塩を足したり。黒胡椒を振ったり。
ごま油を少し垂らして風味をアップしたり。
あれ、暑気払いっていつだっけ。
夏至過ぎたからいいよねっ。八月下旬の処暑あたりまでは大手を振って唱えよう。
でももうビールはいいや。




