酒に敗けてハラも敗ける
眼鏡は無事に直りましたというかもう片方もねじが新品になりました。
免許(ペーパーゴールド原付)の更新(今年だと思っていたら来年だった)まで頑張ってもらおう。
その日、わたしは四川料理店にいた。
ことの起こりは腰が(認めたくないがおそらくぎっくり)いった日。友人(以下A)から「○○(共通の友人。以下B)が先輩たちと飲み会する計画立ててるんだけど、あなたBから連絡きてないよね」と連絡がきたのであった。
うん、きてないね。
というか、BもAほど詳細ではないけれどわたしのハラ事情は知っているから、声かけを躊躇していたものと思われる。気を遣わせるから誘わなくていいよとも伝えてあったし。
Aは策士であった。わたしが食いつきそうな参加者の名前を列挙するんだもの。
そこで「(AとB以外は)久しぶりすぎるから会いたいね」なんて言おうものなら、Bからの通知がやってくるわけで。
「ざっくりと和洋中だと、どれなら食べられる?」
いきなりそれかーい。
「比較的無事なのは中華だなあ」
と答えれば、次にきたのは店の候補で「どこがいい?」「先輩の選定」と。
早すぎるだろ、というより既に先輩が絡んでいるとなると、もうこれ断れないやつだ。無駄に体育会系精神が発揮され、おとなしく選ぶことにする。
お店のサイト、なければ口コミサイトを凝視、料理名と写真と店のコンセプト(あるいは雰囲気の感想)から、めいっぱい考える。なんとなく調味料の予想ができる程度に経験値があってよかった。
びば好奇心(こういうときだけ
そして当日、店に着くなり先輩からメニューを一冊手渡される。
「まずは君が食べられるものを選んで、足りなかったりこちらが食べたいものを追加する形で頼むから」
すみませんお手数お掛けしております……。
隣からひっそりと「辛くないものを……」囁かれる悲痛な訴えに耳を傾けながら、勝手気ままに選んでいく。おそらく無意識に避けている分野があったはず。
前菜系とデザートは意識的に外したのだけれど。
初期の注文は間違っていなかったはずである。
どこで間違えたか。最初だね。矛盾しているように見えるが。
「乾杯くらいは」と中ジョッキを選択したのがいけなかった。ビールというより飲酒そのものが久しぶりだったから、まわるのが早かったものと思われる。
帰巣本能は昔から変わらずきちんと機能していたけれど、判断能力はがた落ちしていたようだ。
二杯目からは当初の予定通り、あたたかい烏龍茶を飲んでいた。あ、プーアル茶頼むの忘れた。
食べた食物が体内にとどまる時間は、民族(と食事事情)差や個人差はあるものの、おおむね二四~七二時間。S状結腸にある程度たまるのを待っている感じ。
わたしの場合は、だいたい二日で入れ替わっていると認識している。牛乳ものだけは当日中に出てきたがるが、平均するとそんな感じ。
液糖に敗ける腹痛は、早ければ一日後、割合としては一日半~二日後にくることが多い。
翌日、AとBそれぞれから様子伺いの連絡がくる。まだ早いのだ。大腸にくるまでわからないから、進展があったらこちらから連絡するねーと返し、普段通りに過ごすことにする。
もう外でビールを飲むのはやめよう……。そんなことを考えながら、体もだるかったから買い物も放棄し、家で過ごす。買い物の前に眼鏡屋さんへ行かないと。
そして二日後。不調の兆しがどこにも見当たらないので(便秘すらない)、AとBとにそれぞれ無事を報告したのだが。
さらに一日後。
ハラいてえ。
え?
あれ?
なんで?
三日前の食事を思い返す。アルコールにやられていようが記憶は確かな自分が助かるといえば助かるけど、恨めしいといえば恨めしい。
思い当たるもの、あったよ。
天津チャーハンと四川ラーメン。
チャーハンの米か具の肉(ハム系の場合)。ラーメンのスープ。
本格中華料理店とはいえ、ラーメン専門店というわけではないからスープはできたものだろうと推察。
酔っぱらいの判断能力恐るべし。途中から危機感なくなってる。
そこまでダメージが大きくなかったのは、量とモノだろう。飲み物以外はシェアしていたし。痛み具合から予想すると、ぶどう糖果糖液糖(ダメージの少ない方)が犯人。となると、怪しいのはスープか。
次点はチャーハンの具。天津部のあんかけは無罪ではなかろうか。
唐辛子が思ったほど辛くなくて、避けてたべたのはあるけれどそちらのダメージとも違う。
先にも述べたが、食べた食物が体内にとどまる時間は、二四~七二時間。
「だからって、最長まで引き延ばさんでも……」
自分のハラながら、思わず文句も出ようものである。ぐっすし。
ちなみにこの件、AとBは知らない。
その後の回復が思わしくなくて。痛くはならないけれど違和感が残る。
実家の用事は待ってくれないから、出かけてつつがなく終えてはきたけれど。
暑さもあるのかな~。これ以上続くなら整腸剤を投入しよう。あれはあれで腸内が謎のお祭り騒ぎを始めるのだが。一体どうなっているのだ、わたしのハラ。
既に「次回」の話が出ているらしいが、タイ料理説が聞こえてきたので「ごめんそれ欠席」と即答しておいた。ココナッツミルクは受けるダメージが大きすぎる。
行ける人で楽しんできて……。タイ料理けっこう好きだったんだけどな。
知らない料理も多いから、どこにココナッツミルクが潜んでいるか見当がつかないのだ。たれやソース、スープ、下味にと多彩なのは知っている。あれ、ほぼ全体?




