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資源が有ることで 東部戦線

先ずはこちらからでした。

深入りはしないはずです。

 1941年10月

 

 突然だった。国境を越えてやって来たのは赤地に鎌とハンマーの国旗を掲げている。陸軍は善戦するも多勢に無勢。住民の一部を西へ避難させる時間稼ぎが精一杯だった。



 同日夜ベルリン。


「は?」

「ですから、ポーランド国境をソ連軍が越えたと申しております」

「何故?」

「分かりません。スターリンの頭の中など誰にも理解できないでしょう」

「確かにそうだが、奴と直接交渉した私なら理解できるとでも」

「そのようなことは申しません」

「それでポーランドはどうなっている」

「戦力差が大きすぎて防衛など出来ないでしょう。2ヶ月程度で占領されるのでは」

「2ヶ月か。そしてその後は」

「我が国と対峙しますな」

「拙いと思わないかね」

「拙いですね」

「緊急会議だ。明日朝10時までに国防軍首脳陣を呼べるだけ呼べ。閣僚は勿論、各党代表もだ」

「ハイル!」


(ポーランドを分け取りするのは来年の雪解け前だっただろう。焦りおって。フィンランドで負けが込んで焼きが回ったのか)



 翌日


「戦線は国境よりも遠い方がよろしいかと」

「それはそうだが、どこに防衛ラインを敷くのか」

「バルト海沿岸のコシャリンからピワ-ポズナン-ヴロツワフ-カトヴィエツェ-クラフク、そしてチェコのコシツェまでです」

「広いと言うよりも長いか」

「待て。プロイセン地方はどうする」


 野党第1党党首から声が掛かった。


「間に合いません」

「軍人はそれでいいだろうが、政治的によろしくない」

「グレンベルグ党首。船を出してドイツ系民間人だけでも救出する。それではダメか」

「ヒトラー総統。財産はどうなりますか」

「時間が無いと思われるが」

 ・・・・・・・・・・

「致し方ないか。それで行きましょう」

「感謝する」


 翌日。ドイツ政府は自国防衛のため、ポーランド支援とポーランド駐留を行うと発表した。つまりソ連を敵としたのである。


 

 書記長の机は置いてあったものが床に散乱して綺麗になっている。床は酷い惨状だが。


「落ち着いて下さい」

「なにおう。あのチョビ髭め。敵対するだと」

「確かに許せませんが、ドイツをどうなさいますか」

「決まっている。分捕・・マルクス・レーニン主義に染め上げる」

「現在の戦力では心許ないので、一旦いったんポーランド国内で停止しませんと」

「無理か」

「無理です。ポーランドの分で余裕がありません」

「無いのか」

「無いです(フィンランドで負けが込んで頭にきてポーランドなどと言いだしたのはお前だろう)」

「仕方が無い。ワルシャワ占領の後、進撃は停止。戦力の再編と物資の積み上げを図る。その前にだ、ポーランド回廊は落とせ」

「ポーランド回廊ですか。プロイセンはどうなさいますか」

「そうだ。ヒトラーにお仕置きをしてやる。プロイセンは周囲を包囲することで人質にする」

「ついでにフィンランドで忌々しい事をやっているアジアのマカーキーどもにも何かプレゼントしてやろう」

「ソ日通商条約がありますが」

「ああ、そんなものも有ったな」

「破棄するのですか」

「いや。しないぞ。今の所はな。日本経由でないと大量に入ってこない物資も有るしな」

「どうなさるおつもりで」

「マカーキーどもの事は少し考える」



 

 フィンランドではまた義勇軍(強制)が活動している。1941年8月にソ連が再びフィンランドに侵攻してきたためだ。

 前回で罪1等を減じられた者達の中には今回も参加している者が居る。


「くっくっく。これでお努めが終わればシャバだぜ」

『毛利一等飛行兵。聞こえているぞ』

「はっ。失礼をば」

『まあいい。活躍すれば俺も上申を良く書くとする』

「ありがとうございます」


『千湖の水より、上空に在る全機。通報にあった敵機と思われる反応。方位160から接近中。距離150キロ。速度380。高度3000前後。機数50機以上。相変わらず数が多い。注意せよ』

『千湖のアマガエル、了解』


 わずか12機で50機以上を阻止するか。難しいが困難ではないはずだ。俺の撃墜マークも14個だ。義勇航空隊の平均が10個だから少ないとは思わないが小隊長はおかしい。同じ頃から戦闘に参加してもう40個だ。逆らわないでおこう。空戦訓練でも勝てた試しはないし。


『アマガエル各機。高度を4000まで上げる。敵は下手くそが多いし連携も取れていないが、中にはとんでもないのが混ざっている。巴戦は厳禁だ。注意せよ』

『『『「了解」』』』


 ソ連の戦闘機は前回のI-16やI-15を全く見ない。全て新型のようだ。YakとLaGGだと聞く。性能も悪くない。こちらの新型は鍾馗だが、速度も迫るものが有るし防弾が堅い。鍾馗の13ミリ二丁と7.7ミリ二丁では落とすのに苦労する。13ミリの弾は曳光徹甲弾、焼夷徹甲弾、炸裂弾が順繰りに装弾されている。炸裂弾は信管を鈍くした影響で不発が多い()()()が、始めの頃は良く有った筒内爆発よりはマシだろう。

 問題はそれだけでは無い。戦闘機並みの速度を出す双発爆撃機がいる。九七戦だったら追いつけないだろう。戦闘機の傘を突き抜けてこいつにたどり着くのはなかなかの難関だ。


 その日、アマガエル編隊は敵機28機を撃墜。20機を取り逃がした。損害は2機。落とされた搭乗員は深追いしすぎたようだ。20機の中8機が双発爆撃機で後方に損害が出たと聞いた。


 地上ではチハがKV-1に通用しないので新型戦車の開発をしていたが間に合わず、チハに機動九〇式野砲を載せオープントップの戦闘室にした一〇〇式砲戦車が活躍している。KV-1を先に見つけ撃破可能距離まで近寄ることが出来ればだが。見つかればやられる。砲戦車の正面装甲は50ミリしか無い。待ち伏せ攻撃が多くなった。

 それでも、ソ連軍の練度の不足と無線機の不備による連携の薄さと指揮能力の低さを突き多数を撃破している。


 冬が訪れても銃声は止まない。あんなに損害を与えているのに。一人倒れれば1メートル進む。そんな奴らがソ連だった。



次回更新 11月14日 05:00


通商条約を交わしている相手の交戦国に義勇軍出してと。まあ良いんではないですか。中立とか友好とか不戦でも無いし民間有志(強制)ですし。

この世界では地上の国境線が樺太しかないのです。


鍾馗は史実一型甲相当で、稼働率は発動機が工業力向上で快調で馬力もありますからとても良いです。速度も時速620キロ程度は出ているはず。上昇力はさらにドン。問題は武装のみ。

空気信管はまだです。

独ソ戦が始まっていないためにウクライナやベラルーシがドイツに占領されていません。そのおかげでYaKは全金属製で仕上げも良いため性能は史実のカタログよりも良いと思います。ただ合板ではないために被弾に弱いかも知れません。LaGGは全木製でLa-5までは低性能です。

双発爆撃機はPe-2です。

T-34は量産を始めた頃。


YaKとLaGGは撃墜した機体を日本に運び研究。防弾等の参考になり日本機も固くなります。

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