表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超Q探偵  作者: XI
88/204

20-7

 二十一時。


 ソファにつき、メイヤ君と向かい合って、食後のコーヒーを楽しんでいる。


「マオさんいわく、狼の眷属ですか? あのヒトはちょっとおかしいです」

「だから、発砲しようとした私のことを止めたんだろう?」

「はい。あのまま向き合っていたら、きっとヤバかったと思います」

「あの距離なら必ず当たったはずなんだけれどね」

「いいえ。必ず外れていたと思います」

「その根拠は?」

「『なんとなく』です」

「ふむ。君の『なんとなく』は、真っ向から否定できない気がするから不思議だ」

「何者なんでしょうか、あのヒトは」

「さあね。ただ、ひとっところに留まることはしないんじゃないかな」

「ですよね。フツウなら、追っ手はまきたいはずですもんね」

「まあ、この街で警察とのいたちごっこを加速させる可能性もあるけれど」

「まだまだ死者は出るのでしょうね」

「彼の望みが満たされないうちはね」

「男のヒトの欲求不満は、なんだか醜いように思えます」

「欲求不満という言葉はしっくりこない」

「だったら、ぶっちゃけ、マオさんは狼さんのことをどう評価されているのですか?」

「彼はユニークだよ」

「どういうことですか?」

「彼みたいなニンゲンは、この世界中を探してもいないだろうということだ」

「それって万人に当てはまるのではありませんか。同じニンゲンなんていないのですから」

「それはそうなんだけど、彼は特に特異で特別なんだと私は考える。カリスマだよ。間違いなく。ところで、カリスマの定義はわかるかい?」

「えぇっと、例えばですけれど、英雄的、予言者的資質とか……?」

「そうだね。もっとシンプルな言い方をすると、一緒にいると心地良いと感じさせる能力に長けているということだ」

「頭も賢くないといけませんよね」

「うん。知性は欠かせない。あと、アウトプットも上手くないといけない」

「それらすべてを兼ね備えているのだとすれば、狼さんは無敵ではありませんか」

「だからこそ、私は彼と話がしてみたいと思うんだよ」

「仮にその機会に恵まれたとしても、ミイラ取りがミイラにならないでくださいよ?」

「私にその危険性があると思うのかい?」

「そうは思いませんけれど。っていうか、マオさんってば、なんだか悪い顔になってます」

「悪い顔?」

「ええ。なんだかよこしまな顔をしています」

「それって、どうしてなんだろうね」

「どうしてなのですか?」

「さあ。私にも良くわからない」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ