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氷姫  作者: 秋元愛羅
出会い
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それで・・・1組に潜入して話しかけようと思うんだがこの状況はなんですか?


一年の野球部全員集合。


ここだけ男子の集団で完全浮いてるし。


彼女は興味ないのかずっと本読んでるし。


「突撃部隊行って来い」


「お前らも行けよ」


「俺らは後衛部隊だ」


「じゃあ俺、指揮官」


「え?じゃあ俺現地の人A」


「俺B」


「本題がずれていってるぞ」


要するに俺を観賞しに来たのね・・・・




ガタッ


彼女は急に時間を見ると立って動いた。手には数冊の用具。


「あ、そういえば次移動だ」


「やっべ俺もだ」


ガタガタとばらつき始める第三者組。


もしかしてこれチャンスかな?冷やかされることもないし、彼女に話しかけれるかもしれない。


そう思うと彼女の後ろを追いかけていた。





ようやく追いついたと思ったらどうやって話すんだろう。


ってまず俺の名前知らないはずじゃん。


「や、山内遥さん」


俺の声に反応してくれたのか止まってくるりと黒髪をなびかせて振り向いた。


「えっと・・・俺1年3組の城岡正志っていうものです」


「何か用?見ての通り次移動なんだけれど」


「あ、っの。部活って入ってないですよね?」


「ええ、まだだけど?」


何が言いたいの?そう言っているような雰囲気がする。


「や、野球部のマネージャーになりませんか?」


よし、言った。用件言った。ちょっとしゃべっているのが不思議な感覚だけど、うん、ちゃんと生きている。


意外な勧誘だったのか目を見開いていたがすぐ無表情とも取れる元の顔に戻った。


「誘ってくれてありがとう。でもご遠慮するわ。


私帰宅部って決めているの。


ご苦労様、城岡君」


またくるりとなびかせて歩き始めた彼女。


でも一瞬、一瞬だけど笑わなかったか?


正直了解の言葉が欲しかった俺はその笑顔がとっても、もし了解をくれたときの嬉しさよりも大きかった。



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