表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷姫  作者: 秋元愛羅
11/32




断るのが予想外だったのか(私からしてみればどうして断らないと思ったのか不思議だ)貧乏ゆすりをしながら食べているのをじっと観察しながら次は何を言い出すのか伺っていた。


そして貧乏ゆすりが止まった。


「思い出したのだけれどもうひとつ提案があったんだ。


君のお父様にお願いしてくれないかな?


今成功しそうな商品があるんだ。


でもバックアップが足りない。


その資金が欲しいんだ。


もちろん時間は掛かるけれど返す保障はする。


どうかな?」


この時点で順番がおかしい話をしてるって分からないのかしら。


なぜ直接いわず私という関係ない立場の人間に言うのか。


そしてこいつが何の狙いで私を狙っているのかも手の内なのに。


ここでさっさと退散した方がよさそうね。何仕出かすか分からないもの。


「悪いけれど正直言って無駄なことをする時間はないの。


ここでお暇するわ。さようなら」


「こ、こんないい話はないと思うが?」


「業績が悪くなる一方の会社の戯言でしょ」


「なっ?!」


「それともうるさい虫の鳴き声かしら?ようやくせみが鳴き始めたようですからね」


「お、俺を侮辱するのか」


「忙しいのでこれで」


こういう相手には相手にしない方がいい。


ぼろをさっさと出してくれると良いけど相手は逃げ足の技術は一枚も二枚も上手だからだ。


どうして神様はこいつなんかにこういう才能だけを与えたんだろう。





「もしもし、マリちゃん?」


「どう?華音ちゃんから話は聞いたけれど・・・」


「やっぱり睨んだとおり私の当主権が欲しいそうです。


多分また接触を試みると思います」


「気をつけて。こっちも手を回してるけれどやっぱり血がつながってるからっていう理由なのか先回りされてる。


出来るだけ急ぐから」


「ありがとうございます」


ピッと電話を切る。


まさか接触という大胆な行動に出るとは思わなかった。


4年前に止めをさせなかったのが原因か。


それがどうであろうと今は関係ない。


今、やるべきことは・・・・あたしの大切な人たちを守ること。


あいつの魔の手に掛からないようにすること。


それをさせるようにしなければ・・・・



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ