『時間移動魔法』論―――矛盾理の指摘、概念拡張、およびその利用
【並び替え:評価の高い順】
★★★★★ 世界にはびこる「不可解」について
タイトル通り、『時間を移動する』ことを可能とする魔法に関する本だが、それ以上に我々が住むこの世界に存在するある種の歪さを示した本でもある。
例えば私は、この本に「★」マークを5つ付けた。しかし考えてみていただきたいのだが、「★」とはいったい何だろう?慣例的に「星」とも呼称されるが、太陽も月もこんな角ばった形状はしていないし、太陽や月以外の天体が空に浮かんでいるわけでもない。これもまた、「文化的断絶」という名の歪さの一つである、と著者は語る。
著者が言うところによれば、これらはすべて〈原罪〉……すなわち第一魔王によって齎されたものだ。本来通常に運行していた世界が第一危機を契機に狂い始め、あるはずのない文化や技術、ことによっては世界の法則までもが"酔った勢いで"生えてきてしまったのだ、という。
こう書くと、何やら悲観的な終末論のようにも感じられる……だが実際にこの本を読めば、それが杞憂―――一部の方にとっては、過ぎた期待―――であることがすぐにわかるだろう。筆者はむしろ、そんな生えてきてしまったもろもろを活用することが可能である、と論じているのだ。酔った勢いということは多少不合理なことも許容する、あるいはそもそも気づかないということでもある……これは確固たる事実だ、そう言い切れる。なぜかというと、私自身が〈シーペルト魔力素材研究所〉の技術協力を受けて開発された〈超濃縮ヴェレック酒〉をジョッキで飲みつつこのレビューを書いているからだ。
とにかく何にせよ……そう、ちょうど私の目の前にピンクの〈ヴェーレス・エレファント〉が見えてきたところだ。思えばここからして不可解なのだ……いやマジだぜ、マジに不愉快。なんだこれは?なんだって酒に酔っただけで象を見なきゃならないんだ?おかしな話、という他に無い。絶対におかしい。おかしいに決まってんだろバーカ!まだ時間移動魔法の方が納得できるだろバーカ!バーカ!
なあ、そう思わないか?
[追記]
誰だ今の……?
★★★★☆ 一点
大部分は興味深く読んだが、一点、気になったことがある
248ページの情報魔力が光より高速で移動することを示す実験についてだが、空間魔力認識器官を使う〈スケルトン〉と光学認識器官を使う〈ゴブリン〉の反応速度を比べるのは良いとして、〈スケルトン〉が近くの魔力と遠くの魔力でその処理方法を変えることを計算外に置いているように見受けられる
スケルトンはある程度遠くの魔力に対してはかなりの遅延を経て行動をとる
だからその遅延を引いてやれば、情報魔力は248ページの式で導かれているよりもっと速いことになるのではないだろうか
興味深い研究なので今後が楽しみだ 頑張ってほしい
[追記]
誰だ今の……?
★★★☆☆ 難解すぎる
〈膨落迷宮〉に潜る途中に読んで知見を深めようと思ったが、あまりの難解さに間違えて眠りを深めてしまい、危うく深傷を負いかけました。
しかし眠くなるだけで根気よく読めばつまらなくはない本ですし、〈膨落迷宮〉の中で読まないか、頭がいいか、睡眠耐性値が高いか、奇襲されても死なないか、奇襲されて死んでも問題ない人にはおすすめできます。
〈カルペット・バリアクス〉の〈茨解の短剣〉を装備すると睡眠に対し大幅な耐性がつくので、最近はこれを装備して読むことにしています。
知り合いにこの旨を話したら、「〈『時間移動魔法』論―――矛盾理の指摘、概念拡張、およびその利用〉でそれなら、そのまま〈自己言及的再生魔法〉なんて読んでたら確実に朝日を拝むことはなかっただろうな」と言われました。早くしてより大きな問題が発生する前に再発防止を講じられたという点では、むしろこの本を読んでおいてよかったかもしれません。
[追記]
誰だ今の……?
★★☆☆☆ 微妙
「時間移動論」ではなく「時間移動魔法論」と謳っているからには魔法に限定する程度には研究が進んでるんだろうと予想して購入したが、まだ理論の最初の最初みたいな段階だった
時間遡行して第三危機の【三十八問目】が何だったのかを突き止めよう!みたいな話かと思ったのに……
まあ応援してるから実際に時間旅行ができるようになったら起こしてくれ
[追記]
誰だ今の……?
★☆☆☆☆ 古典だが、間違いが多すぎて入門書にも使えない
第七千三百一魔王が思ったよりショボかったので積んでおいた本を消化することにした。
この本は十三冊目だが、ここまでで最低だ。十二冊目まで代わりに最低の座についていた〈スライムに倣え―――手足を捨て、丸くなろう〉を退けるレベルだから相当である。
確かに計り知れない功績を持つ本ではある。この本のおかげで時間と魔力の関係についての研究は相当進んだし、その成果は世界の解明にも応用された。しかし、それを「今呼んでも色あせない最高の本!」なんて〈シャイバラ〉で喧伝してる奴らはバカという他にない。貴重な供給魔力で駄文を書く前に、一分で良いから自分がレビューしようとしている対象を改めて読んでみるべきだ。冒頭三ページ目にして、もう『生物及び〈魔石〉が魔力を放つのは、そこに〈魔素〉とでも言うべき粒子が~』なんて書いてあるんだぞ?とても見てはいられない。
例えどんなに偉大な書物でも、さすがに限度というものがある。あくまで考古学的な史料に過ぎず、こんなものを実用していてはとても実績は生まれないだろう。
次はほのぼの回を挟みます




