表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

隔て見の魔晶球

あらすじの通り見切り発車です

【並び替え:評価の低い順】


★☆☆☆☆ 考えうる限り最悪の魔動具

本当は星マイナス5億にしたかったけど出来なかったから仕方なく星1にした



★☆☆☆☆ 9割がた詐欺

ダルカスさぁ……新技術採用!とか喧伝して自分の人格並みにゴミな〈魔動具(マジック・アイテム)〉とか〈魔容具(ウィザード・アイテム)〉を高額で売りつけるのいい加減やめない?法で取り締まられてほしい



★☆☆☆☆ 残り1割は何なんだよ

このレビューを読んでいるということは、あなたは恐らくこの〈隔て見の魔晶球〉を、風の噂なり、〈ダルカイン商会〉の宣伝員どもが冒険者ギルドの掲示板に貼り付けていく、あの耳障りの良い言葉ばかりを並べた広告なり、あるいはこの冒険者向け製品評価(レビュー)集積用魔導板、〈シャイニング・バランス〉に投稿された他のレビューなりで知ったのだろう。そしてひょっとすると、購入すべきか検討しているということもあるかもしれない。忠告しよう、絶対にやめておけ。

とはいえ〈シャイニング・バランス〉への投稿は基本的に匿名だから、これを読んでいるあなたからすれば、これを書いている私は見ず知らずの……つまり、救世主にして〈シャイバラ〉のヘビーユーザーと名高いかの第八勇者(オクタス・ヴァレイブ)様である可能性もあれば、あるいは来る日も来る日もギルドの隅の埃の溜まった酒場で「ヴェレック酒にはレッドスライムを混ぜるのが旨いんだ」などとのたまっているクズの可能性もある人物に過ぎない。そんな奴の言うことなんて聞いてたまるか……そんな考えを抱くことは大いにわかる。だから実際に、下にこの製品の問題点を具体的に記していく。

この球体型の魔動具(マジック・アイテム)は、ダルカインのカタログなんかを見ればわかる通り、「映像を中継する」機能を持っている。そしてあなたがカタログをお持ちなら、そこに魔写(ルザント)された一つのイメージにも気づくはずだ……そのイメージの中には子供と弓を背負った冒険者が描かれていて、それぞれが〈魔晶球〉を一つづつ片手に持ち……そして、覗き込んでいる。「映像を中継する」という説明と合わせて考えると、この二人は物理的な距離を〈魔晶球〉を使って縮め、遠隔で「顔を合わせている」のだろう……という解釈が妥当なところだろう。「ああ、いいじゃないか。値段はちょっと高いけど、魔導板を個人で買うのは無理があるしな……それに、二つでセットなら高すぎるって程でもない。通信手段は必要だし、一台買っておこうかな?」なんてあなたは思うかもしれない、少なくとも私は思った。

しかし実際のところ、妥当な解釈が正解とは限らない。

「映像を中継する」……そう、この魔動具は「映像を中継する」だけで、別にそれが「どこの」映像なのかはカタログからも宣伝員どものよく回る口からもわからない。普通に考えれば、わざわざ写術師(ルザンター)がごつい魔容具(ウィザード・アイテム)とにらめっこして一冊一冊魔写したであろうカタログのイメージ通り、「片割れの〈魔晶球〉の前に広がっている景色」を中継するはずだ。だが、普通な解釈が正解とは限らない。

〈隔て見の魔晶球〉……このアイテムが中継するのは、青く透き通った球体の目の前の光景ではない。球体の中の光景(・・・・)なのだ。

この球の前で手を振ろうが剣を抜こうがドラゴンが現れようが、片方の球は青く透き通り続ける……当然のことだ、片方の球体の「中」を反映するだけの魔動具に、どうして目の前の景色を映すことができるだろう?

ただ青いだけの球が好きな方にお勧めの商品である。



★★☆☆☆ ダルカインは詐欺集団じゃありません

他のレビュワーの皆さんは〈ダルカイン商会〉のことをなんか悪徳事業者みたいに言ってますけど、別にまるっきり極悪ってわけじゃないんですよ!

私はダルカインマニアで、ダルカインの出したアイテムを切手から魔導杖まで全部持ってるからわかります。ダルカインはちょっと良いもの1つに対し悪いもの4つくらいを作っちゃうだけなんです。

例えば〈魔容具(ウィザード・アイテム)〉の〈亡骸の繰り糸〉なんかすごいですよ!スライムを部屋にまき散らした後に衝撃系魔法を込めるだけでスライムが埃ごと集まってきて部屋が一瞬でキレイになる優れモノ、怠惰な皆さんから絶大な支持を受けてます!

……まあもともとは、敵の死骸を引き寄せることでドロップアイテムを効率よく集めるアイテムなのに、変換効率が悪いせいでスライム程度しか引き寄せられなくて叩かれてた商品なんですけど。

とにかく、ダルカインをあんまり悪く言わないでください!でもそれはそれとしてこの商品はクソだと思います!私が触れたダルカイン製品の中では〈狭間渡りの栞〉の次くらい……つまり8番目くらいにクソです!とはいえ最低限球体としては成立してるのでスターは2つつけます!

今後に期待。



★★★★★→★★★☆☆ 本の重しに最高|(追記あり)

古道具屋で非常に安かったので購入。

主張しすぎない藍色で、光沢がきれいです。

魔法処理が施されているのか球体の割に転がりにくく、半透明なので文字が隠れることもなくて、とても使いやすいです。

二つセットなのも良い点で、「これを壊してももう一個あるしな」と思うと気兼ねなく使えます。

素敵な商品をありがとうございました。


【追記】

レビューを書いてから一週間後、机から落として割ってしまいました。

破片を片付けつつ「まあもう片方もあるしいいや」と思っていたのですが……箱から取り出してみると、なぜかそのもう片方は赤く、不透明になっていました。

これでは本の重しに使えません。困惑しつつ古道具屋の店主を尋ねると、「一方の映像をもう一方が中継するから、一方が消滅した場合もう一方は真っ赤になる」だそうで。普通そういう場合真っ白か真っ黒じゃないの?とも思ったのですが、まあいろいろ事情があるのでしょう。

結局壊れた方の球に再生魔法を掛けてもらうことで解決しましたが、手数料として結構な金額を取られてしまいました。気に入っているから良いものの、これでは二つある意味がありません。少々幻滅したので星を2つ減らします。



★★★☆☆ 分解不可

上のレビューをいくつか見て「これ一度壊したうえでなんか適当なものを埋め込んでから再生すればなんとかなるんじゃね?」と思い立ち試したがダメだった

ふざけんなよ

でも本の重しとしては確かにアリだわ

魔動具(マジック・アイテム)〉としての★1と本の重しとしての★5を平均して★3です



★★★★☆ きょう、ヴィクターが死んだ

きょう、ヴィクターが死んだ。

ヴィクターは元気のいい竜血狼(ドロッド=ウルフ)だった。あのほとんど地面から前触れもなく巨大な先割れスプーンが出現するみたいなバカバカしいことしか起こらなかった第六危機(ヘクサス・クリティス)で「ほとんど」の数少ない例外を引いちまったせいで、右目に出来損ないの魔法陣みたいな傷があった。でもその分、左目は二倍元気だった。

ヴィクターは青色が好きだった。特に透き通る青色が好きだった。だから当然、まんまと騙されて買った〈隔て見の魔晶球〉をせめておもちゃにしてやろうと渡してやったときは本当にうれしそうだった。〈魔晶球〉を加えて草原を走り回って、自分は世界を支配しているんだとでも言わんばかりのやわらかい笑顔を、硬い鱗に包まれた顔に浮かべていた。

そしてきょう、ヴィクターが死んだ。

〈隔て見の魔晶球〉はふたつがセットで販売される〈魔動具(マジック・アイテム)〉だ。だから俺は、ヴィクターが片方の〈魔晶球〉を咥えて駆け回る傍らで、もういっぽうの〈魔晶球〉をいつも片手で弄んでいた。それが、今は両方とも、俺の手の中にある。

弄んでいた方の〈魔晶球〉と比べてみれば、ヴィクターが気に入っていた方の〈魔晶球〉はかなり傷ついてぼろぼろになっていることがわかる。その傷たちの一つ一つの狭間から、ヴィクターがあの人懐こい笑顔を浮かべて、舌を出しながらこちらを楽しそうに見ているような、そんな気さえ俺にはするんだ。例え実際のところ、この〈魔晶球〉が映像を中継できない欠陥品だったとしても……少なくとも俺にとっては、こいつはヴィクターの姿をいつまでも見せてくれる、最高の道具に他ならない。

でもそれはそれとしてダルカインはクソだと思う。



★★★★★ この魔動具のおかげで命を救われました!

〈シャイバラ〉では酷評されてますけど、この〈魔動具(マジック・アイテム)〉はかなりすごいですよ!

以前罠を踏んで極限暗黒混沌異空間〈カルセスヴェント〉に転送されてしまった時も、この魔動具のおかげで無事に生還できました。

〈シャイバラ〉のレビューはどれも「通信には適さない、オブジェとしてはギリギリ……」みたいな論調ですけど、僕はそうは思いませんね。確かに球体の外の光景は一切送信できません……でも、「片方の球体が壊れているかどうか(・・・・・・・・・)」については、もう片方の球体が赤くなっているかで判定できるんです!

これを利用して、事前に

・「壊してすぐに再生魔法で直す→壊して少し待ってから直す」はA

・「少し待ってから直す→すぐに直す→すぐに直す→すぐに直す」はB

・「少し待ってから直す→すぐに直す→少し待ってから直す→すぐに直す」はC

……という風に符号を仲間と共有しておけば、魔導板より遥かに低コストで、遥かに使える場所が多く、遥かに携帯性が高い……そんな夢のような通信手段として使えるんです!

〈カルセスヴェント〉の最奥に潜んでいた〈第八魔王(オクタス・メヴィジス)〉六大配下の一人……〈遠雷のジェッペルト〉も、これで通信することで無事合流できた仲間と共に簡単に討伐できました。

〈ダルカイン商会〉さんには本当に感謝です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] こういう発想の逆転好き 新作出てたのびっくりしました。毛布さんの作品は何時でもゲラゲラできるので末永く楽しみにしています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ