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撃滅のピンカーヴィー ~落第少女達の成り上がり~  作者: マノイ
第三章 ユーイ海岸攻防戦

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27. Result

result


 諸君らの奮闘のおかげでユーイ海岸攻防戦に勝利し、大陸奪還の足掛かりとすることが出来た。少なくない犠牲ではあったが、我々がここで立ち止まることなど許されない。彼らの死に報いるには敵を大陸から追い出し、この戦争を終結させる以外に道は無いのだ。

 幸いにも敵はユーイ海岸の再奪還では無く各地の防衛を選んだとの情報が入った。とはいえ悠長に事を進めている時間など無い。無茶な発射で使い物にならなくなったドラゴンブレスが修復されるより前に可能な限り前進する必要があるからだ。すぐにでも次の作戦を通達することになるが、僅かな間だけでもしっかりと休息を取り万全の態勢で出撃できるよう準備を整えて欲しい。




「ふぅ……なんとか終わったわね」


 オスカーのresult報告が終わり、ランベリーは深い溜息を吐いて背もたれに身を預けた。


「お疲れさん。よくやってくれた」


 そんな彼女の元へとオスカーが労いにやってきた。


「私は何もしてないわ。彼女達が自分で判断して全部乗り切ったのよ」

「何言ってる。お前が後ろでナビしているから、あいつらも安心して戦えてるんだろ」

「そうだと良いけど」


 肩をすくめるランベリーに対し、オスカーは特にフォローをしなかった。


「にしても、まさかドラゴンブレスまで持ち出して来るとはな」

「絶対に届かない距離だって情報だったわよね」

「ああ。相当な無茶をしたのだろうな。遠くからでも黒煙があがっているのが見えるらしい」

「無茶をすれば届くなら、届くって言うのよ」

「敵の秘密兵器なんだ。むしろ情報を入手できたことを褒めてやれ」

「出来る訳ないでしょ。そのせいであの子達が死にかけたんだから」


 画面の向こうではミモニーに駆け寄って勝利を喜ぶ四〇四隊の姿があった。心身共に激しく疲労しているはずのミモニーも笑顔を見せていた。


「ドラゴンブレスの被害の話なら地上部隊の方が多いんだがな」

「そんなこと分かってるわ」

「それに万が一を考えてドラゴンブレスの動向も確認していたから発射を直ぐに捉え、空軍の退避が間に合ったのだ」

「だから分かってるって言ってるでしょ!」

「…………荒れてるな。やはり例の彼女のことか」

「当然でしょ!友達を囮にするだなんて卑劣な真似!しかも……!」


 その友達はお腹の子供を人質に取られていた。

 同じ女性として当然、見過ごせる話ではない。


「彼女から詳しく話を聞く必要があるな」

「その役は女性にやらせるのよ」

「当然だ。というか、私はそのくらい配慮が出来ない男だと思われていたのか」

「…………ごめんなさい、ちょっと言いすぎたわ」


 相手が男だからというだけで不当に当たっていた自分に気付き、ランベリーは謝罪して少し深呼吸し心を落ち着かせた。


「構わん。だが落ち着いたのなら考えて欲しいことがある」

「何かしら」

「ミモニーがどうやってドラゴンブレスを防いだのかだ。ずっと画面で彼女達の動向を確認していた君なら、何か気付いたことがあるかと思ってな」

「…………残念だけど分からないわ。爆発の瞬間、画面が真っ白になってしまったから」

「そうか」


 大地に巨大なクレーターを作るほどの爆発の中心に近いところにいて、何故無事だったのか。その理由が判明し、仲間達も使える方法であるならばと考えたのだろうが、そう上手くはいかなかったようだ。


「多分だけど、彼女に聞いても答えは無いわよ」

「分かっている。平行瞬間移動についてもそうだったしな」


 夢中にやったら出来てしまった。

 頑張ればなんとなく出来る気がした。


 ミモニーの答えはいつも曖昧なものだった。


「必死になることが重要なのかしらね」

「それなら他にも特殊な魔法を放てる人物がいるはずだ」


 誰もが必死にもがき苦しみ命を懸けて戦っているのだ。必死さだけならばミモニーと同等レベルの人物など山ほどいるだろう。


「その理由を知りたくて、奴らは彼女を捕えようとしたのか」

「でもそれがダメだったら吹き飛ばすってのはやりすぎじゃないかしら」


 ハロモゴを使っての説得と、ハロモゴを囮にしてのブレス一掃。

 あまりにも作戦の性質が違いすぎて違和感を覚える二人だった。


「ミモニーを絶対に殺すつもりの癖にエースが一人しか来なかったのも妙だし、あるいは向こうも一枚岩じゃないのかもしれないな」

「……そこには教会も入っているのかしら。あんな非道な連中が教会にだけ手を出さない意味が分からないし」

「かもしれん。あんなことをするからこそ教会に救いを求めている可能性もあるが」

「まったく、分からないことだらけね」


 そして分からなくとも模索しながら前進し続けなければ彼らに未来はない。


「さてと、分からないままどうにか次の作戦を考えるか」

「大まかな方針は決まってるの?」

「さっき決めた。ドラゴンブレスの破壊を最優先にする。アレが修復されたら俺達の行動は大幅に制限されちまう」

「向こうだってそう来ると思って待ち構えてるわよ」

「それでもやらなきゃならないのさ。今回みたいにな」


 それはつまりミモニー達の次戦もまた、熾烈で高難易度のミッションになる可能性が高くなるということである。

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