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ふと思う。世界は広くなったけど、それゆえに私は殻にこもるのだろうと。

 私たちはインターネットを通じて、本来一方通行であるはずの情報を相互に、簡単に行えるようになった。

 世界は大いに広がりを見せたが、私の能力はその分大きくなったかと言えば、悲しいことに対して成長していない。

 私の視野は多面的な物事を見る場合において、大体一面しか見てくれない。

 私の思考はその時々に出した結論を後から間違いだったと思い知らせてくる。


 世界がつながることで世界は拡張したが、法はなかなか追い付かず、多種多様な人間が集うネットはまさに自由で、無秩序で、人間らしさが浮き彫りになる場所だと私は思う。

 公共の場で正しさを発言したら、人の数だけ批判や賛同の声もあれば、中道的だったり、誹謗中傷だったり、はたまたただのインプレゾンビなるものだったりと、本当に多種多様な反応が返ってくる。


 個人的にかわいそうになる複雑化の代償としては、謝罪の難度が上がったことだろうか。


 謝罪が求められているのに、謝罪しても認められなかったり、部分的に認めつつもどこそこが悪いと言われたり、実に多種多様な反応が返ってくる。

 謝罪する側に立ってみると、謝罪して許された感じはまるでしないだろうなと思うのだ。もし心から謝罪していたとするとかわいそうだなと心底思う。


 ネットの中でもとりわけ、レスポンスの早いSNSなどは情報の拡散速度が恐ろしく速いわりに不明確、不明瞭であるというのは、本当に恐ろしい話である。でもこれが問題かと問われると、SNSってくだらない噂話や、くだらない日常、なんのためにもならないものを呟いたりする場所だったと考えるとひどくしっくりくるのだ。


 ならSNSは複雑な話題を提供する場ではないのではないか、と考えたこともある。

 何せ赴くままに好き勝手呟いてる場所で、急に真面目な話をされても脳みそをフル回転させて、考え抜いた答えが返ってくるかと言えば、そうではないと考えるからだ。

 もちろんちゃんと考えて反応してくれる人もいるが、そもそも短文で見て瞬時にレスポンスを行うのがSNSであるからして、背景も含めて事情を説明しようなんてなかなか難しいことだと思うのだ。


 じゃあ難しい話をすることにメリットはないのかと問われると、それもまたNOとなる。

 人々が気軽に集まれる場所というのは、興味のない人もよってくるので、話題を周知するのに絶好な場所だからだ。多くの人に興味を持ってもらうべく話題を提供する場としてこれ以上のものはなかなかないだろう。

 そうやって人が多いからこそ話題になればと色々な話題が持ち込まれる。

 それは思想であったり、政策であったり、経済であったりと、本当に様々なものが持ち込まれてくる。


 真面目に話されたり、あるいは不真面目に娯楽として消化されたりと、見ていて飽きないものである。掲示板もSNSもそりゃ廃れないよなと感心する次第だ。


 さて、そんな複雑に入り組んでいて、いろんな主義思想の人がいるネットにおいて私が問題視することは、ネットは黒歴史を乱造してしまう上に、時に拡散、保存されてしまうということだ。


 例えばそう、私事なのに主語を大きくしたり

 例えばそう、背景も何も知らないのに訳知り顔で決めつけたり

 例えばそう、ブーメランがどこからともなく飛んできて後頭部に刺さったりと


 ロジハラ好き人間である私は、正義は我にあり! と思うとすごく調子になってしまいがちなのである。

 そして自爆するのである。


 もちろんロジハラ好き人間として冷静に議論しているつもりではある。


 でもあとで見返すと『つもり』になっているだけなのである。


 私は無知で無学である。


 これは事実であると同時に私自身への戒めであり、一歩とどまるための呪文である。


 みんなも気をつけなね……。

こうして私はSNS見る専になったのである。


無駄話だが、リアルでは優しさだけが取り柄みたいに言われる私ではあるが、その実ロジハラ好きおじさんであり、仮面をかぶっているだけで全く優しくない。

私の取り柄どこいった……。

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