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第三十三話 うちらは、そちら方面ではないです(笑)

なし

うちらも、もそもそと


出発準備、


山小屋に大きな荷物は置いていき


朝食も、簡単にもそもそと


パンを食べて


出発。


前日の雨で、登山靴はぐしょぬれ


それを履くのがつらい。


文句は言えないが


やはり、値段相応の靴で、完全に浸水(笑)


新聞紙をつめておいたが


新聞も沈没(笑)


スローペースで、そろそろと


出発。


しかしながら、Dパックだけなので


軽い。


天気は、完全に100%霧(笑)


2、3m先はみえるのが、まだありがたい。


昨年は、ここで


ご隠居と百名山は断念したので


はじめて、


ご隠居とすすむ。


両脇がきれていて


断崖絶壁。


たろう自身も3年ぶりか。


稜線を横にスライド移動なので


荷物もなく、楽。


しかしながら


途中で、雨がぱらり


ぱらりと落ちてくる。


もう着替えはないので


すぐに、カッパを着る。


たろうは、あいかわらず、


山をなめきった、某「夢の国」で購入した


白装束カッパ。


ご隠居は、カッパは素晴らしいが


ザックカバーがないので、


透明なごみ袋で代用(笑)


火星のような場所に出る。


火山岩か。


目の前に、百名山があるが


霧でみえず


先をすすむ。


のぼりきりそうな時、


気配を感じる。


先ほど出発した、2階の住人らが山頂にいる。


向こうも気配を察知して


すぐに下山。


みな、恐れているのか


挨拶はなし。


しかし、われわれの


よれよれの装備。


たろうは安いカッパ。


親分は、ごみ袋。


下山しながら、笑っていたのだろう。


頂上の到達の喜びよりも


ご隠居の第一声。


「金のない、


 安い


 やくざに見られたな」(笑)


笑えない、笑えない。


うちらは、そちら方面ではないです(笑)

なし

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