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第40話 大奮闘な予感がしてきた


 現在、俺の部屋で、美鈴先輩は全裸で縄に縛られている。


「なんだ。結局、美鈴先輩の鞄の中に入ってたんじゃないですか。良かった良かった……これ回収させてもらいますね。美鈴先輩……セット完了っと」


ピッ!


「ハヤテっち~! 恥ずかしいから、せめて毛布か何かで身体を隠させてよ~! 私、先輩だよね? なんでこんな仕打ちするわけ~?」


 美鈴先輩は、たわわな胸を揺らしながら、俺に抗議してきた。あの動画で太一が助けを求めなかった《《連中》》の仲間の1人のくせにいけしゃあしゃあと……


「うるさい! 不法侵入がぁ!」


パチンッ!


「いしゃいっ?! ハヤテっち?!」


 俺は美鈴先輩を跪かせると、お尻をおもいっきり叩いた。


「……太一がどんな性格だろう……今はアイツと距離を置いていても、こっちの世界の親友はアイツだったんだ。太一には優しい所もあった……それがアンタに……催眠術美少女戦士プリティーフェイスに関わった事で変わったんだろう。なにを他人のせいにしてんだ! この野郎!」


「ひゃあ?! いしゃいっ?!」


 美鈴先輩は学校では、なんやかんやと言い訳を言っていたが、太一をあそこまで追い込んだのはこの人達だ……何人いるのかは知らないが、今は目の前の不法侵入に責任を取ってもらう。


バチンッ!


「しゃいっ!……ご、ごめんなさい! ハヤテっち」


「許さん!」


 この世界に転生してから殆ど穏やかに生活していた。だが、今回ばかりは許せるか。人の人生をなんだと思ってやがる。


「この! 反省しろ! 美鈴先輩」


パチンッ!


「ぴゃい?! な、何で? なんで私のフェロモンが効いていないのよ?」


「フェロモン?……ああ、それでか。こんなに感情が高揚して、興奮しているのはっ! まだまだ余裕そうですね。美鈴先輩、お仕置き……さっきよりも強めにしてあげますよ」


「ぴゃうっ!……はハ、ハヤテっち。駄目……なんか、私新たらしい扉開いちゃいそうだよ~!」



「は、早く、しないとハヤテの貞操が先輩《変態》に奪われちゃうわ!」


 急がなくちゃ。急いで、ハヤテの部屋に行ってハヤテを助けてあげなくちゃあ! ハヤテの色々を奪われちゃう。


 私達は生徒会室を脱出した後に、学校を出て、急いでハヤテの家に向かったわ。それで、今はハヤテの家の前に居るの。


「分かってる……スペアキーは、雪乃さんから預かってるから、家には入れるね」


「もう手遅れになってるじゃない? 貫通してるよ。貫通……ほぁた?!」


 よもぎが変な事を言ったから、頬をペチペチペチペチしてあげたわ!


「してない! ハヤテと初めて貫通するのは、私よ!」

「してない! 秋崎君と初めて貫通するのは、私」


「痛たた、相変わらず。仲良しで、息ピッタリだね。結女さんと六花さんは」



「凛ちゃん。千夏ちゃん。ハヤテくん、大丈夫かな?」

「……そればかりは分かりません。催眠術美少女戦士プリティーフェイスは変態集団ですから、まあ、その中でも《春》はうぶで有名……奥手なので、多少は時間が稼げると思います」

「そう……連中は見栄えばかり気にして、皆処女だから……見栄っ張りが多い変態集団。それが催眠術美少女戦士プリティーフェイス。口と変な技を持つ連中」


 私、六花、よもぎ、愛花梨あかり、凛、千夏の6人は、ハヤテのお母様に連絡して、家に入る許可をもらったわ。


 そして、今はハヤテの部屋の前に着いたの。


〖アアンン!!ショウユーーラーメーーン!!〗



「「「「「「醤油ラーメン?」」」」」」


 ハヤテの部屋からエッチな動画の音が聴こえてきたわ。 


 まさか、ハヤテ……エッチな動画を、あの変態に無理矢理見させられてるの? こ、こうしてはいられないわ。早く助けなくっちゃ!


「ハ、ハヤテ~! しっかりしなさい。あんたの相方の有栖川結女ちゃんが着てあげたわよ~!」


 私は叫びながら、ハヤテを救う為に部屋の中に突入した。


「ほら~! 反省したんだな? 美鈴先輩! もう、悪いことは絶対にしないんだな?」


パチンッ!


「しゃ、しゃいっ! し、しないから~! しないから~! もっといっぱい私を叱って、ハヤテっち~!」


「良し! なら許す。今度から、催眠術美少女戦士プリティーフェイスの情報は俺に提供するんだぞ。変態の美鈴先ぱ……い?」


「しゃうっ! うん。するから。もっとお尻を叩いてよ。ハヤテっ……ち?」


「「え?」」


 ……衝撃の光景が広がっていたわ。変態2人が居たの。そして、私……いえ、私達6人は一斉に。


「「「「「「何してるの? この変態!!」」」」」」


「あ、有栖川達? 何でここに…て! ギャアア!」

「ちょっと、止めなさい。後輩ちゃん達!! なにするのよ!!」


 私達は部屋に居た変態2人を捕まえて、お仕置きしたわ。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



《次の日 朝 バス亭》


 美鈴先輩との死闘から一夜明け、次の日の朝、俺は結女とバス停にいた。


「……飛んでない目にあったぜ」


「とんでもないものを見せてくれたのはどっちよ」


 あの後の事はあまり覚えていない。美鈴先輩と共に結女達に囲まれて、何かされたらしい。


 美鈴先輩も昨日の記憶は殆どなく。何故か俺のメス豚になると言って帰っていった。


「全くもう! 心配して損したわ! 敵にあんな事をするなんて思いもしなかった! 変態ハヤテ」


「俺もあんな事をするなんて思いもしなかったって……フェロモンって、凄いよな。結女」


「ふん! 知らないわよ」


 昨日からご機嫌斜めだな。まあ、あんな光景を見せたらそうもなるか。


「……まぁ、機嫌直してくれよ。昨日の夜、せっかく結女の好きそうなエロ動画をダウンロードしておいてやったんただからさ」


「にゃあ?! それは本当なの? ハヤテ、やるじゃない。私、嬉しいわ」


 おお、機嫌が良くなってくれた。結女は単純だから助かる。


「そうか……なら、今日の放課後は家で鑑賞会やろうぜ、昨日は色々とあって、カラオケも行けなかったし。その穴埋めだな」


「ニュフフ、良いわね。それ……今日からしばらくは何も起きないと思うし、リフレッシュしましょう。私達の大好きなエッチな動画でね」


「……相変わらず、超絶美少女が凄いこと言ってんな。まあ、結女だからしかないか。ああ、約束だ」


 そんな会話をしている間にバスが来た。


「うん! 約束、それじゃあ、バスに乗りましょうか。ハヤテ!」


「おう! いつも通りにな」


 結女が最初にバスに乗り込み。


「フニャァ?!」


 案の定、バスに乗る為の階段から落ちそうになって、スカートの中が見えた……純白のパンツを今日はしっかりと履いていた。


「おっと! 気をつけろよ。結女さんよう」


「ニュフフ、わざとよ。だって、私の事は、ハヤテが助けてくれるもの? そうでしょう? ハヤテ」


 ニュフフと何かを企んでるようにニヤニヤする、結女。


「ああ、いつでも助けてやるさ。なんたって、結女は……有栖川結女は俺が一番大好きなメインヒロインなんだからな」


「そうなんだ……ニャフフ、嬉しいわ。ありがとう。ハヤテ!」


 俺と結女は仲良くバスへと乗り込み、いつもの一番後ろの左の後部座席へと一緒に座り、お互いの手を優しく握りあった。


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