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第38話 楽しい所に移動しようか、後輩っち

 頭がぐわんぐわんする。


 甘ったる匂いを嗅いだせいか?


 いきなり、視界がボヤけて……


「あれ? 俺はいったい何……を?」


「おお、起きたかい? ハヤテっち、いや~! いきなり倒れたから心配したよ~! 大丈夫?」


「美鈴……先輩?」


 美鈴先輩の顔が真上にある。どうやら、俺は倒れる寸前、美鈴先輩に助けられたみたいだ。 

 

 今は先輩に膝枕されて、頭を撫でられている。


 ラノベやアニメのシーンである、アオハルの1ページか?


「媚薬が想像以上に効いちゃったかもね~! ごめんね、ハヤテっち」


 媚や……なんだ? 頭がボーッとして、最後まで聞こえなかったぞ。


「はぁ……助けてくれてありがとうございます。美鈴先輩」


「……ほう。ハヤテっちは、ちゃんとお礼が言える子なんだね。今までの性欲だけを求める男共はやっぱり違うね~!」


「性欲ですか?」


「そうそう。容姿が良い、良い匂いですねとか言ってさ。うるさい子達がいるわけよ……こっちは、アンタ等になんの興味も無いっていうのにさ~!……欲望に忠実で、こっちの事なんか考えなの、最低だよね~! 男って……」


 悲しそうな顔をしている……昔、何かあったんだろうか?


「……男にトラウマでも植え付けられたんですか?……あ、やべぇ、すみません。変な事を聞いて……」


 ふと疑問に思った事を素直に聞いてしまった。流石にこれは、デリカシーが無さすぎる。


「いや、良いよ~!……そんな質問してくれる男の子なんていなかったしねえ~! なんか嬉しい!」


 美鈴先輩ははにかみながら可愛らしく笑った。


「……私ね~! 学校とか外じゃあ、ビッチで有名なんだけどね。エッチの経験とかゼロなんだよね」


「ぶっ! 美鈴先輩……いきなりないって…むぐぅ?!」


 布生地みたいな何かを口の中へと押し込まれた?……い、息が……鼻で器用にするしかない。


「良いから私の話を聞けし……誘惑して、弄ってあげるとかはしたことはあるんだけど」


「もがもが」


「ん~? 私の脱ぎたてパンツはそんなに美味しい? ハヤテっち~!」


「むごぉ?!」


 美鈴先輩の脱ぎたてパンツ? 俺の口の中に入ってるのか? どうりで少し口に入れられた時生暖かかったわけだ。


「そうそう。今の私はノーパンだよ~!……てのは冗談で、私は、私に欲望を隠さずに寄ってくる男共が嫌いでね。自分では、なんの努力もしないくせに欲望まみれの男共がね」


「もがぁ?!」


「うん。藤崎太一もその1人だね……アイツ。初めてあった私の事を強姦しようとしたんだよ。凄いよね~!」


 強姦?……そんな話、初めて聞いたぞ。


「ぷはぁ!……布取れ……マジのパンツじゃなないですか」


 ベージュ色のエッチなパンツだった。


「おお、自力で取れたん? 凄い凄い……それじゃあ、私の面白くない話しも、この辺で終わりに…」


「いえ、聞かせて下さい。美鈴先輩……美鈴先輩の話を俺はもっと聞きたくなりましたよ。お願いします」


「うぅ………ハヤテっち?」


 美鈴先輩の口から太一の話が出た瞬間、この人が太一を変えた張本人なんだと理解した。


 俺は知りたいなんで、太一があんな変態へと変貌していったのかを。


 美鈴先輩の手を取ると俺は彼女にお願いした。


「お願いします……美鈴先輩」


「う! なにさ、その捨てられた子犬みたいな目は、子宮が疼くね。ハヤテっち」

 

 ……前言撤回しようかな。凄く聞いたのを後悔しそうだ。




「色々な人種との混血ですか? 美鈴先輩が? それで、男が好きそうフェロモンが勝手に出るなんて? あるんですか?」


「そうそう……人類ってねえ。結構、特別な身体や能力がある人種がいるのさ。不思議な不思議な程にね。それが体質がこれさ。嗅いでみそ、ハヤテっち」


 美鈴先輩は右手を俺の鼻へと当てると、押し付けて来た。


「甘い……匂いですか?」


「うん……この体質のせいでさあ~! たまに興奮したり、変な男共が寄ってきちゃうの。まぁ、幸い私には頼れるお仲間ちゃんがいっぱいいるから貞操概念は守られているんだけどね~!」


「それで狂ったのが、俺の親友の太一ってわけですか? 美鈴先輩」


「あれ? きづいちゃってたぁ? ハヤテっち」


「太一の奴が、美鈴先輩と一緒に写っている写真を、ネットに載せてたので……」


「アイツ、ナニを握って1人で自○行為をしてるのを私に見られると興奮するからずっと見てて下さいって言ってたから、動画で撮ってあげたのをネットに載せたわけ? 最低ヤリ○ンくそ野郎ね。おばさんとしかやってないくせにさ~!」


 太一の奴。美鈴先輩に見られながら、興奮して自○行為をしたのかよ。相変わらず気持ち悪い事してたんだな。アイツ。


「……大変ですね。ネットタトゥーにならないと良いけど」


「あ~! 私、SNSとかやらないから、そこら辺は大丈夫だと思うよ。SNS疲れ?あれが嫌でね~! それに藤崎太一にやられた事に対しては、それなりに制裁してるしね」


 制裁?……ああ、あの凛が見せてきたグロテスク画像の事か。ただ、あの動画には美鈴先輩の声も姿もなかった。


 つまり、美鈴先輩には他にも仲間がいて、太一はそいつ等の誰かにオバサンやオカマ達とランデブーしたのかよ。おいたわしや、太一殿だな。


「制裁ですか……あんなグロテスク事?」


「グロテスク?……いんや~! 私は藤崎太一のナニをナニしてる所を、動画で録画にしてただけだけど。グロテスクって何?」


 ……それもそれでヤバいだろうが。とは、ツッコミを入れて良いんだろうか?


「いえ、別に……それよりも、俺の親友がなんか裏で悪巧みしてたみたいで、色々とすみません。太一の代わりに謝らせて下さい。美鈴先輩……すみませんでした」


 今の俺は、美鈴先輩の膝に頭を乗せられた状態で、謝っている。どんな状態だこれと突っ込まれるだろうが、先ずは謝るのが一番先だろう。


 真摯に謝れば美鈴先輩も太一の事を許してくれるかもしれないしな。


「……何その良い顔……今、アソコが疼いて子宮もキュンキュてるよ。ハヤテっち」


 どうやら俺の謝罪は美鈴先輩に効果抜群だったみたいだ。赤面しながら、ニヤニヤして、とんでもない発言をしている。


「太一の事を許してくれますか?」


「ん~? 許すも何も眼中にないから。今、私が興味あるのはハヤテっちの股間くらいだし」


 ……また、とんでもない発言してるな、この人。


「さっきからの卑猥な発言……美鈴先輩もエロ系の話好きなんですか?」


 とんでもない発言ばかりされたから、こちらもとんでもない発言で返す事にした。


「え~? 何々? ハヤテっちも、エロエロ好きなの~? 朱見合うじゃん! 良いよね。エロエロ~! 私大好きなんだ。ハヤテっちのこことか超膨らんでるし」


「うぉ?!……美鈴先輩。ちょっと!」


 美鈴先輩は俺の股間をなんの躊躇いもなく触った。こ、この人、本当に処女なのか? 手付きがそういう事に超なれてそうなんだが。


「ん~? 何かね? ハヤテっち……それよりもさぁ、ハヤテっちってエロエロ動画とか見るの?」


「え? ええ、暇な時は部屋で、エロ動画とか見てるますね」


 あれ?……俺、なんで、こんな恥ずかしい事を美鈴先輩に言ってんだ?


「ふ~ん! そうなんだ~! なら、今からハヤテっちのお家行こうよ……今なら、誰も家には居ないはずだよねえ?」


「……はい。誰も居ないですね……妹は寮だし、両親も旅行に……」


 あれ? 倒れる前に嗅いだ匂いとは違う匂いが……


「そうなんだが~! じゃあ、行こうよ……私の初めてをハヤテっちにプレゼントしてあげるからさ♡」


「はい……美鈴先輩」


 俺は美鈴先輩に導かれながら、自分の家へと帰宅した。



《体育倉庫》


「おふおふ! はぁはぁ……先輩。俺我慢よ限界でえす!」


「うんうん。そのままずっとしてなよ。そうやって暗示もかけてるんだからさ…………あれ? 《春》の奴、先に抜け駆けしたん?」


「くふくふ……先輩! 約束が違いますよ! アイツを呼んだら、俺と寝てくれるんですよね?」


「ん?……ん~? 君、もういいや。君は必要なくなったからねぇ~!」


「は? それって、どういう事ですか?……それになんか、これ止まらないんですけど」


「ん~! そういう暗示だからね……え~と、太一~! スマホ借りるよ……いちを私の指紋を付かないように手袋着けてと……ポチポチ!!」


「おふおふ……先輩、俺のスマホで何して……」


「ん~? 今、放課後で、体育館には部活で汗を流す生徒がいっぱい居るじゃん?」


「へ? あ、はい……おふおふ!」 


「そんで、今、君のとんでもない行為をしてるからよ……大音声アラームで人を呼ぼうと思うのが普通だよね? しかもエロ動画で客寄せしてあげる。太一~!」


「くふくふ?……へ? 先輩?」


ピッ!


〖ラ、ラ、ラ、ラーーーメーーーン!!〗


「うわ、うるさ……それじゃあ、私は秘密の通路から安全に去るからさ。社会的に無事に死になよ。藤崎太一君……さようなら~!」


「ま、待って下さい! 先輩!! こんな、状況誰かに見られたら……ぼ、僕……おふおふ!おふおふ!」


(何だ? 体育倉庫から変な音が消えるぞ)

(え? なになに?)

(……誰かエロい事でもしてんのか?)


「うわ~! 早速、人が集まって来たし、退散退散……それじゃなあね。変態太一君。《春》を傷付けそうになった事は、これでチャラにしてあげるからさ~! さようなら~!」


ガコンッ……ガラガラ!!


「おふっ?! つば……先ば……待って!」


「……何だ?……うわあ?! 体育倉庫で気持ち悪い事してるやついるぞ!」

「先生呼んでこい! 校則違反だろう! 気持ち悪い! 動画撮って晒そうぜ!」

「………あれ、誰? なんで暗いこんな場所でこんな事してるの? キモ」


「おふおふ!おふおふ!おふおふ! ああ!! 人に見られて、僕は僕は……おふおふ!おふおふ!!!!」


「うわぁあああ!! なんか出た?!」

「ちょっ! そこのお前! 学校で何してんだ?」

「………最低!!」


「おふおふ!おふおふ!!……ああ……あああああ!!!」


 これが後の学校の歴史に刻まれた、学校伝説の1つ。藤崎太一体育倉庫でおふおっふ事件。


 この事件。太一は不登校になり、数ヶ月後には学校に来なくなってしまった。


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