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第33話 代わりに聞く?


 朝から凛にグロ動画を見させられた。グロ動画を見せてきた凛には制裁として、バスの中でお尻叩きを慣行した。


(この! なんつうのを見せてくれたんだ。お前は!)


バチンッ!


(ひぅ!……はー君。激しい愛の攻撃ですね)


(何の愛の攻撃だ。アホォ!)


(ふ、2人共。乗客の人達がこっち見てるから。恥ずかしから止めて~!)


《星蘭高校 庭園》


「それでどうする? 愛花梨あかり。太一の奴にあの動画の事について詳しく聞いてやろうか?」


「う、ううん……多分。ハヤテくんがの太一くんに詳しく聞いても、話しも聞いてもらえないんじゃないかな? 太一くん。ハヤテくんの事をライバル視してるから」


「太一の奴が俺をライバル視?……何でだ?」


「何でって……それはねえ? 凛ちゃん」


「はー君はもっと外見とかにも気を遣った方が良いですね。現在のはー君のお目目は結女ちゃんしか追ってない気がしますので。なので私にもお目目をちゃんと向けて下さいね。(モキュモキュモキュモキュ……ゴキュン!)」


 学校前のコンビニで大量に買った新たな肉まんをモキュモキュ食べる凛が何か言ってるな。


 リスみたいで可愛いが。なんか馬鹿にされた気分になった……お仕置きしてやるか。


「ふん!」


「ひぅ!……な、何で脳天チョップをするんですか? はー君」


「なんか馬鹿にされた気がしたからだ」


「酷いです。はー君」


「あはは……小学生の頃と変わらないね。2人のやり取り。なんかね。1日1日事に私の心が太一くんから離れて言ってる気がするんだよね」


「……それって太一が浮気やら変な奇行のせいか? 先週まであんなに相思相愛だったじゃないか」


「うん……今でも太一くんは好きだと思ってるよ。でも何か……ね?」


 何だ? 愛花梨あかりの目。なんか変だな。よくテレビで見るような催眠術にかかった人みたいになってるぞ。


「手刀です!」


「お、おい! 何いきなり愛花梨あかりの頭に叩いたんだ」


 凛の奴。いきなり何してんだ!


「はい。これで多分解けましたから。安心です」


「解ける? 何をだ……」


「……あれ? 私。今、意識飛んでたかな?……あれ?」


 何だ? 愛花梨の奴。さっきまでの記憶が飛んでだと?……そういえば。有栖川の奴もさっきの愛花梨みたいに情緒不安にカラオケの時になってたな。


「……それは、はー君には内緒です。まだですがね」


「だからなんだよ。その含みを持たせた言い方は……ん? あそこのテニスコートに居るのは……有栖川か? 何か変なリモコンを持って……気持ち悪い笑みを浮かべてるな」



「………凄い頑張ってるわね。六花、流石だわ」


「後で絶対にお返しするからね。結女ぇ……」


 

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