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御先祖様…いつか、お会いできることを楽しみにしております  作者: はぎま
終章・叶えてやるんだ
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…届け!

 

 ルゼルが来てくれたけれど、魔法陣の中はまだ安定しない。

 力はどんどん吸われていく。


「ぐっ…うぅ……まだ、足りない、か」

「リ、リアちゃん!」


 リアちゃんの目から血が……みんなも辛そうに座り込んで……光が弱まっていく。これ以上は……


「まずいまずいまずい! それなら全体攻撃! 神位魔法・アップグルントメテオ!」

『くっ、ギガエナジーフォースブラスト!』


 深淵に染まったエネルギーの大群が、上空から飛来。

 無差別に墜ちる負のエネルギーは、天異界の集団にも襲いかかった。


「総員防御体制!」「なんて規模……」「……スティアー。居たー」


 半分以上はルゼルが撃ち落としているけれど、ランダムに墜ちて来る負の塊には全て対応出来ていない。

 こっちにも墜ちてきた…ルゼルの攻撃は間に合わない……私がやらなきゃ。


「…レスティアー」

「え?」


 ──ドンッ! と、いきなり誰かが墜落してきた。

 あっ、目の前に、赤い髪の……


「いてててて……水臭いですねーアレスティアー。私にも声を掛けて下さいよー。鬼神拳!」

「……エーリン?」


 負の塊を拳一つで殴り飛ばす巫女服の女子……エーリン、来てくれたのか。

 ブンブンと肩を回して、次々と負の塊を殴り飛ばす姿がこんなにも頼もしいなんて。

 こっちに振り向きパチリと下手なウインクをして、赤いオーラを滾らせた。


「エーリンちゃん! 生きて、いたんだね!」

「ミズキさーん。ご心配をおかけしましたー」


「はははっ、なんだか凄く、嬉しい! 限界突破!」

「ミズキ! 私も!」


 ミズキが立ち上がって、魔力を振り絞り、呼応する様にヘンリエッテも魔力を全開にした。

 フラムちゃんも、ミーレイちゃんも、チロルちゃんもクーちゃんもみんな辛いのに立ち上がって、エーリンを見て笑顔になった。

 やっぱり、エーリンはここが似合うよ。


「みんなを守るのは私の仕事ですー! ルゼルさん! 私に任せてこっちに来て下さーい! 鬼神剛滅波!」

「くっ、邪魔をするな!」


「あれ? アレスティアが敵ですかー? んんー? まぁ良いかー」


 赤い光線が負の塊を撃ち落とし、エーリンがブンブンとルゼルに手を振ると、ルゼルがクロスハートの中に入ってきた。

 入った瞬間に、一気に楽になった。ルゼルが入るだけでこんなにも違うのか。


『我もアスティの為に祈れば、良いのだろう?』

「たす、かり、ます」


 魔法陣の光に、輝きが増した。

 リアちゃんの口元が笑った。よし、これなら……

 想いが、届く。


 ……

 《────》

 ……え?

 《────》

 ……ちょっと…何言っているか全然わからない。

 《────》

 ……えっ、まじどうしよう……んあっ! 何かが、頭に浮かんだ。

 《────》

 ……魔法? 違う。これは、技術?

 ……あっ!


「……ははっ、簡単じゃん。私はもう、満たしていた」


 そうか……そうだったんだ。

 ……私はずっと、この星に聞きたかった。

 私を友と認めてくれたから、教えてくれると確信していた。

 星とは、世界とは、何か。

 そして、私が星となるには、どうすればいいか。

 友の証…星の核の欠片を使う事はなんとなくわかっていたけれど、やり方なんて星に直接聞く以外に無かった。


 だって、何処にも居ないんだから。

 人型の星なんて。

 そりゃそうだ、理が違う。普通なら人型で存在する意味なんてないんだ。


「星の核、私に力を頂戴。星の契約(スターエンゲージ)


 おっ、欠片が光って大きくなった……なにこれ、虹色の石のネックレスだな。

 ほへぇー、星からのプレゼントだってよ。

 付けてみよう……っ!


「うええっ、気持ちわるっ……ぁぁ…吐きそうで吐けない微妙な感じ」


 なんか、色々な事を一気に頭に叩き込まれてボーッとするし、身体の感覚もおかしい。

 生きているのか死んでいるのかわからない新しい感覚。

 きっと私は変わったんだろう。見た目は全く変わらないけれど、星という概念になったのは解る。

 ちょっとまだ人の感覚が強いからつらみちゃんだ。



 ――――


「いやぁーラグナ様、大変な事になりましたねー」

「…嬉しそうだなノワール。どう見る?」


「アレスティアちゃんなら、銀河の核を扱えそうですね」

「そんなの彼女を巡って戦争が起きるだろ」


「裏世界の最高戦力と表世界の最高戦力が味方の女の子ですよ? 戦争になる前に潰されますって」

「それは私も味方になれという事か?」


「なりますよ。アレスティアちゃん可愛いんですから」

「……はぁ…ルゼルのドヤ顔が目に浮かぶよ」


 ――――



 恐らく私は星の仲間入りを果たしたみたい。

 まぁ正直今の私は星と言って良いのか分からないけれど、星の核の欠片と覇道から切り離された半端な魂の私が上手く融合した究極に半端過ぎる存在……星人(ほしびと)と言うべきか?

 …なんか違うな。


『アスティ……まさか我と同じ…いや、違う。これは…まさか……』


 ルゼルは身体に埋め込んだ星の核からエネルギーを得て活動しているみたいだから、似ているけれど違う。

 私は…星の能力を持った人型の何か…だな、うん。


「アス、きゅん、どう、だった?」

「結果は…まぁ、バッチリです。ゆっくり休んでいて下さい」


「そう、良かっ、た……」

「ママ!」


 リアちゃん、ありがとう。

 パンパンのみんなも、私の為に無理してくれてありがとう。

 エーリンには褒美として投げキッスを与えよう…避けんなや。

 ルゼルはびっくりした表情で私に釘付けだ。可愛いやろ。


 ……もっとスタイル抜群になると思っていたのに体型が全く変わらないな。

 むぅ、思っていたのと大分違うけれど、成功だよ。多分。

 よしっ、覇道の前に転移!


「遅かったか……星になったとしても……最強を手にした私には敵わない筈だ! 破壊神剣・破滅葬送!」

「もう、最後まで準備させてよ覇道さん。盾の世界」


 ほいっとな。

 盾を出して破壊の力を防ぐと、盾もボロボロと崩れ落ちた。おー、やっぱり覇道は強いなぁ……


「そんな薄い盾で…なんで防げる…咎星神剣・宴帝!」

「盾の世界。これは盾というより、防御をする為だけの世界」


「世界魔法なら、私も使える……でもこれは」

「そう、魔法じゃない。これは星が使う技術。本当に理不尽な能力だよ」


 世界そのものを創る技術。

 材料はそこら辺のもの。空気でも石でもパンツでも良い。

 私は下手くそだから、単純な世界に少しの機能しか付けられない。

 その分量産が出来るから、現時点では充分過ぎるけれどね。


「……そんなもの、あり得ない」

「あり得ない事をするのが星さ。単一の世界を創るなんて星だから出来る」


 みんなの言う世界って、複雑な自己調整機能を持つ、それぞれの星の最高傑作だ。本来一つ一つ大事に創るから、長い長い途方もない時間をかけて創るもの。

 だから世界は多種多様。マグマの海が広がる力強い世界や、氷に閉ざされた冷めきった世界、大気だけで構成された世界だってある。それがその世界を作った星の個性だから。


 ちなみにこの世界アラスは汎用型というものらしい。汎用型と言ってはいるけれど、詳しく説明すると時間がいくらあっても足りないくらいだよ。簡単に言うと人を含めた多種多様な生命が活動出来る場所の割合が高い世界の事……生命についても色々叩き込まれてつらたんだし。


「それなら……世界ごとぶった斬れば良い! 咎星剣! 本気で行くよ!」

「おうおう本気でいらっしゃい。星アスティちゃんを壊してみなよ」


 覇道の本気の一撃なんて、精々汎用型の世界を何個か壊すくらい。それでも充分凄過ぎるけれど、何個かくらいじゃ私に届かない。


「ぐっ、もっと、力を! 咎星神剣奥義! 終焉神滅!」

「零の世界」


「なんで……効かない」

「この世界に触れたら、なんでも零になる。さぁ、ここから出られるかな? 牢獄の世界」


「なっ……」


 はい一名様ごあんない。

 鉄色の球体の中に、覇道を閉じ込めた。

 魔法が使えない世界だから数分は出てこれないだろう……


 よし、今の内にやる事がある。

 今、私は天異界の敵だから。

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