表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
205/211

ホーリーランドに向かってる途中

 ホーリーランドに行く事は決定したが、行き方はホワイトフェザーの技術交換会の1人として付いて行く。

 そして急に俺が技術交換の1人として突っ込まれた事によりライトさんに負担が増えていた。


「こちらの我儘で申し訳ありません」

「いえ、驚きましたが問題ありません。むしろ護衛にウリエル様達が来て下さるので防衛に力がより上がりましたので悪い事ばかりではありません」

「そう言っていただけると助かります」


 今回の技術交換会は10名の技術者とともに向かう。

 向かうのは30名だが残りの20名はライトさんを含めた政治家達。

 ゴブリン帝国に本気で戦争を仕掛ける気なのかどうか、確かめるために向かうらしい。


「ではこちらに。ドラクゥル様の事をご紹介した後、ホーリーランドに向かいます」


 俺は簡単に挨拶をした後、ブランの事が好きですとアピールしたら気をよくしてくれたので安心した。

 そしてホーリーランドまでの旅はおよそ3週間かかる。

 およそと言う言葉が入るのはまだまだ交通の便が安定していないからだ。

 当然だがこの世界で遠出をすると言ったら馬に乗るか歩くかの二択。車も新幹線もないのだから仕方ない。

 ライトフェアリーの電車もどきはライトフェアリーとその属国しか繋がっていないので例えるのなら日本の鉄道の様な物、そして大陸間を繋げる巨大な鉄道や高速道路の様な物はできていない。

 つなげる事ができれば楽だが、この世界には魔物と言う存在が居るために簡単に国家間で交通の便をよくする物を作りましょうとは言えない。

 魔物への対策、その道を悪用した軍事侵略などを想定しなければならないからだ。

 この世界は魔物と言う強い野生生物が存在するため、そう簡単に決められない事が多い。


 そんな魔物を警戒しながら進むため旅は簡単には進められない。

 慎重に、魔物の気配を感じたら警戒しながら進む事が最低条件なので日によって順調に進めたり進めなかったりするのが当たり前なのである。

 なのでだいたい3週間くらい。

 向こうも大体これくらいで来るかな~って感じで早く来ても遅く来てもいいように準備しておくらしい。


 ちなみにその間俺が急に割って入ったので飯を用意した。

 と言っても簡単にできるポトフとか、カレーとかの大量生産しやすいスープ系だが。

 それでもうまいと言ってくれたのはありがたい事だ。


「あの、これってもしかしてご実家の……」

「はい。うちで採れた野菜です。と言っても出荷できない不格好な奴とか、出来の悪かった普通の野菜ですが」

「それでも十分美味しいのですが、あまり表に出さないで下さいね。あなたの野菜は貴族社会では非常に有名です。販売量も上がっていないことから価格が上昇していると聞いています」

「え、そうなんですか?」

「はい。特にホーリーランドの貴族が大金を使ってでも買い取ろうとしたという話でより有名になりました」

「な、何故そこでホーリーランドが出てくるんですか!?」


 なんで!?っと思っていると政治家チームの爺ちゃんが教えてくれた。


「あなた様の作る野菜は魔物の品種を使用していないからですよ」

「魔物の品種?」

「はい。トレントなどの樹木の様な魔物を知っておりますか?」

「それはもちろん知っています」

「最近の野菜はそう言った魔物が野菜に化けた物も出回っているのです。しかも味が良いため普通の野菜よりも普及しているのです。ですがこれにより大きな被害を受けたのがホーリーランド。魔物を拒絶しているためそう言った食材が持ち込まれないようにしているのですが、味はあまり良くなく、美味い普通の野菜があなた様の作る野菜なのです」

「………………ま、マジか……」


 爺ちゃんの話に頭を抱えてしまう。

 確かに地属性のモンスターでトレントとかドライアドとか魔物よりだったり精霊よりだったり色々するが、まさかこの世界の野菜と品種改良していたとは思わなかった……


「え、それじゃみなさんが普段口にしている物って」

「魔物じゃな。お陰で普通の魔物ではない食べ物は非常に高価になっておる」

「魔物が混じっている野菜は病気にも多少土の状態が良くなくても生産する事ができます。ですので魔物食材が普及すると同時に本来の野菜が高騰しているのです」

「それじゃホーリーランドは食料面でもかなり大変なんじゃ?」

「大変でしょうね。世界最古の国と言われているプライドも関係していると思いますが」

「世界最古の国?」


 日本みたいに何百年も国の名前が変化してないって事か?


「ホーリーランドは我らの神がこの地に訪れる前からある唯一の国なんじゃよ。他にもあるとは思うが……我ら旧6大大国が台頭してきた時に自然消滅してしまったと言う者もおる」

「旧?ああ、パープルスモックがあったころですか」

「さよう。特にパープルスモックがあった周辺に小さな国が密集していたため、食人種が現れた際に襲われて資料などもなくなってしまったと聞く。中にはその国から逃げ延びた者がホーリーランドにたどり着いたと言う噂も存在するくらいじゃ」

「神様たちが現れる前からある国……」

「そのためホーリーランドは世界最古の国と呼ばれこの世界では無視できない国なのです。特に歴史的価値の高い物が多かったり、300年前よりも古い資料も唯一残っている国として有名です」


 ブラン達が現れるよりも古い国。

 あれ?でもグリーンシェルの王様達もヴェルトが来た時の事を伝えてたよな?


「ところでグリーンシェルは?グリーンシェルも神が現れた時の事を伝えていたようですが?」

「当時はまだグリーンシェルと言う国は存在しなかった。どの国の物でもない小さな村の集まりがヴェルト様のおかげで国になった、と言うのが正しいようです。そのため歴代の王達には口伝くでんでしか伝えられておらず、国になったのは250年前だとか」

「あ、当時まだ国じゃなかったんですね」


 そういう事情もあったりするのね。

 それにしてもホーリーランド、更に興味出てきた。

 技術交換会で色々聞いてみよっと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ