レッド✕2
怪人と戦っていたお助けキャラ二人が振り向く。
駆けてくる両レッドを見て、その顔に嬉しそうな笑みが浮かぶ。
篠宮マサシが怪人から退いた。
「おっ? 優美ちゃん。なんだか知らないけどやる気を出したようだな? 目が燃えてるぞっ!」
キハ仮面も電車をバック走行させて退いた。
「私、もちろん、いいところはお嬢様にお譲りいたします」
怪人ジェラス・レディーは、篠宮マサシにどうしても嫉妬することが出来ず、その力を最低レベルまで弱体化させられていたが、そいつが退いたことにより、またメラメラと、嫉妬の炎を再燃させていた。
そして今、両レッドが向かって来るのを目にすると、その炎が激しく、最大レベルに燃え上がった。
「きいいいい‼‼‼‼」
真っ白な世界を背景に、赤い長髪とGカップの胸を揺らして駆けて来るキョニューレッドこと獏羽生玲子の姿は、怪人の目の中で、たまらなくカッコよかった。怪人は玲子に激しく激しく嫉妬した。
玲子と並んで、スレンダーボディーを鋭く動かして、正義に燃える瞳をして駆けて来るヒンニューレッドこと千々梨優美も、ひたむきで、まっすぐで、たまらなくカッコよかった。怪人は優美にも激しく激しく嫉妬した。
「きぃ! きぃ! きいいいい‼‼‼‼」
ジェラス・レディーの戦闘力がMAXを突き破り、その顔は嫉妬に狂いすぎて化け物のように変わる。
「何が主人公よォォオ! カッコよくきどってんじゃないわよ、アンタ達イィィ!!」
しかし両レッドの力も今、最大を越えていた!
「わたくしは負けないわ」
「私、絶対に勝つ!」
「守るべきものがある時……!」
「私の力は最大を越えて高まるの!」
玲子の胸がどんどん膨らむ。
Gカップの胸が、膨らみすぎた風船のごとくさらに膨らみ、Zカップに姿を変えて行く。
優美の瞳の正義の炎が強さを増し、瞳の外まで飛び出した。
まるでそのチッパイを恥じるように、己の頬を赤く染めて行く。
「喰らえ……」
怪人ジェラス・レディーが怒り狂うポーズで最終奥義を繰り出した。
「超嫉妬の炎! 『紅蓮華』!」
まるで炎の呼吸から放たれる歌のように、紅蓮の炎の華が二人を包み込もうとする。
篠宮マサシとキハ仮面が、心配たまらず叫ぶ。
「優美ちゃん!」
「お嬢様!」
「わたくし達は、赤き炎」
「炎に炎が効くと思うかっ!?」
キョニューレッドの胸が、太陽のように、燃え上がった。
ヒンニューレッドの瞳が、太陽のフレアのように炎を噴き上げた。
「テラ・爆乳波!」
「テラ・聖撃波!」
玲子の胸から、優美の瞳から、大切な人を守るための、凄まじい炎が繰り出された。
「ジェラシィィイーー!!!」
バイバイキンみたいな叫びを上げながら、怪人ジェラス・レディーは真っ赤な炎に身を包まれながら、飛んで行った。
「やったぜ優美ちゃん!」
「さすがはお嬢様!」
篠宮マサシとキハ仮面が嬉しさに抱き合って喜ぶ。
すぐに顔を見合わすと、咳払いを一つしてから離れ、両レッドの元へ駆け寄った。
「よくやった!」
「信じておりました、お嬢様!」
「寄んな」
優美がマサシを足蹴にした。
「あなた……」
玲子がキハ仮面の正体に気づいたようだ。
「木ノ葉なの?」




