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巨乳戦隊キョニュレンジャー VS 貧乳戦隊おっぱいナインジャーZ  作者: しいな ここみ
第八章 正義の炎を燃やせ! 赤く! 赤く!
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お助けキャラがダブルで

「ななななな何者!?」

 怪人ジェラス・レディーがどもりまくる。

「ここここはあたしの異空間なんだけど? 精神と時の部屋に外から入って来るようなもんなんだけど!? どどどどどうやって入って来た!?」


 それには答えず、キハ仮面が言った。

「轢き殺せ、キハ110系気動車」


 ゴアーー!! プオーン!! と音を立てて白と緑のツートンカラーの電車が怪人に突進する。


「危ないじゃないのっ!」

 怪人はなんとか横に転んでかわした。

「電車に人身事故を起こさせようとするなんて車掌失格よっ!」


 いつの間にか怪人の背後に回り込んでいたヒンニューブラック&ホワイトが声を出す。

「君を倒せばこの異空間を出られるのかな?」


 慌てて振り向いた怪人は、見た。

 黒いストッキングで顔を隠した、ピッチピチのしまうま模様のスーツにスカート姿の、変態のような男を。


「何、コイツ!? 嫉妬のしようがないわ!」


 怪人ジェラス・レディーは嫉妬すればするほど強くなる!

 今、嫉妬のしようがないものを目の前にして、その力は急速に弱まり、ただのか弱い女性となった!


「フフフフフ」

 変態男は巨乳の怪人を後ろから羽交い締めにすると、耳元に息を吹きかける。

「僕は君のような巨乳さんには興味がないんだ」


「だったら離してよ!」

「でも、君を、倒す」


 ゴアーー!! と、そこへまた電車が突進して来る。ヒンニューブラック&ホワイトごと怪人を轢き殺すつもりだ。


「危ないっ!」

 ヒンニューブラック&ホワイトは咄嗟に猿のように跳躍すると、電車の上を蹴り、くるくると空中で怪人ごと6回転し、着地した。


 ぽかーんとしてただ見守るだけの両レッド。


 ようやくキョニューレッドこと獏羽生ばくにゅう玲子れいこが口を開いた。

「な、なんですの!? ……じゃなくて、助けに来てくださったの、ヒンニューブラック&ホワイトさん、そしてキハ仮面さま!?」


 キハ仮面はまるで執事のようにかしこまった挨拶をすると、玲子に言った。

「私はあなたの危機には必ず駆けつけます。たとえ異空間でも、たとえ火炎地獄でも」


「か……、カッコいい……」

 ヒンニューレッドこと千々梨優美優美(ちちなしゆみ)のキハ仮面を見る目がとろんとし、瞳の中にハートマークが浮かんでいる。

「この世にはこんなカッコいい男の人がいたんだね!」


「ああっ……! もう、これ、邪魔くさい!」

 そう言いながらヒンニューブラック&ホワイトが、かぶっていたストッキングを脱ぎ捨てた。

「息がしにくい! 今度ちゃんとしたマスクを作ってもらおう」


 その顔は男で、女の声を作るのもやめていた。

 篠宮マサシの正体が明らかになり、それが玲子の目の中にどーん!と入って来た。


 忘れもしない、あの豪華客船の沈没事故で自分を救い、死んだと思っていた想い人の顔が、そこにあった。


「篠宮さま……?」

 玲子の頬を涙がつたい、その唇が笑った。

「篠宮マサシさま! 生きてらっしゃったのね!?」


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混迷を深める亜空間に電車が走り抜け変態が空を舞う。 何てCHAOS!
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