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巨乳戦隊キョニュレンジャー VS 貧乳戦隊おっぱいナインジャーZ  作者: しいな ここみ
第八章 正義の炎を燃やせ! 赤く! 赤く!
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密閉空間の戦い

「あれ?」

「怪人は?」


 9人の戦士達が呆気にとられてキョロキョロしていた。


「レッドもいないよ?」

「どっちのレッドもだ」


『レッドが消失した』

 田良子坂プロデューサーの声が空から響く。

『GPSにも反応がない』


『恐らくは怪人に異空間に連れ去られたんだ』

 熱原プロデューサーの声が言った。

『二人が自力でなんとかしてくれるのを祈るしかない』


 ヒンニューブラック&ホワイトが、何かを思いついたように外へ出て行くのを見つけ、ヒンニューグリーンがその背中に声を掛けた。

「あら、篠……黒木さん。どちらへ?」

「ちょっとおトイレよ☆ オホホホホ♡」





「くうっ……!」

「ううっ……!?」


 真っ白な異空間の中で、両レッドがオモチャにされている。


「ホホホ……。アンタ達、弱いわねぇ。主人公のくせに……主人公……きいいっ!」


 怪人ジェラス・レディーは嫉妬すればするほど強くなる。

 今、主人公を目の前にして、その嫉妬の炎は最大に燃え上がっていた。


「つ……、強いっ!」

「玲子さん! チート能力でどうにか出来ないの?」

「あれは仲間が側にいないと出来ないことわ。優美さんこそ、聖撃波をどうして使わないの?」

「あれは空の彼方へ飛ばす技。ここには空がないから使えないの」


 怪人がハイヒールの踵で踏みつけにくる。二人は反対方向に分かれて転がりながらかわすが、怪人のヒールも二つに分かれてそれぞを追いかけてくる。


「分裂したわ!」

「き……気持ち悪い!」


 怪人が二つに分かれたわけではない。足だけがびよ〜んと股から裂け、スルメイカのようにどこまでも追って来るのである。


 怪人はニヤニヤ笑いながら挑発した。

「どうしたの、主人公さん達? 1対2だってのに? 歯が立たないの? 弱いわねぇ。それでも主人公? ゲソみたい。ミソみたい。クソみたいよ! ホーッホッホッホ!」


「あなたが強すぎるのよ」

「おまえが強すぎるんだっ!」


 怪人がドヤ顔になった。気持ちよさそうである。

 すると嫉妬の念が弱くなったのか、分裂していた身体が元に戻ってしまった。


 慌てて歯ぎしりを始める怪人を見ながら、優美が言う。

「あっ。こいつ、褒めたら弱くなるよ?」


 玲子が嫌そうな顔をする。

「あんまり褒めたくないシロモノですわ……。でも……」


 二人で褒め殺しにかかった。手をパンパンと叩きながら、

「怪人さん、よく見たら美人!」

「この空間では貴女こそが主人公ですわね」


 すると怪人の表情がさらに険しくなった。


「見え透いた嘘で褒められるのがあたしは一番嫌いなのよっ! きいいいい!!」


「あ……」

「逆効果でしたわ」


 怪人のハイヒールが巨大化した。

 まるで鉄のミサイルのようになったそれが二人の上に降って来る。


「くそっ……!」

「仲間が呼べれば……!」


「無駄よ無駄よホーッホッホッホ! この異空間に外から入って来ることは誰にも出来ないわ!」


「あの〜」

 怪人の後ろから、誰かが声をかけてきた。

「すいません。来ちゃいましたぁ☆」


 びっくりして振り返る怪人を、黒いストッキングで顔を隠したヒンニューブラック&ホワイトがテヘ顔で見つめている。


 無響室のような異空間に、遠くから電車の音が響いて来た。


 怪人が再び驚いてそちらのほうを見ると、電車が走って来ていた。その上に、車掌のコスプレをして電車の顔のマスクをかぶった細身のヒーローが乗っている。


「キハ仮面、参上! お嬢様をイジメるやつは、許しません!」


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― 新着の感想 ―
魔空空間へ引きずり込め! というヤツだな。
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