キョニューブルー 青野ヶ原 虚無子の日常
巨乳ブルーこと青野ヶ原虚無子は大和撫子である。
大和撫子とは何か? よくわからないが、彼女はいつも和服に身を包み、華道や茶道、そして弓道をこよなく愛する。
彼女はいわゆる天然ボケであった。
「こむこ〜」
キョニューイエローこと堀スタインがダンベル片手にやって来た。
「オレのパンツ知らねー?」
「おぱんつ……ですの?」
虚無子は意外そうな顔をして振り向いた。
見るとイエローの頭に、帽子のように、彼女のパンツが……。
しかし虚無子はそれを黒いスケスケの帽子だと思い込んでしまった。
「おぱんつでしたら、おばんつ屋さんに行けば、あるのでは?」
「オレの穿き古したパンツが下着屋に売ってると思うか……?」
「ど、どんなおぱんつですの?」
「黒のなー、スケスケのやつ」
「ぼっ……、お帽子ではなくて?」
「パンツが被るもんなワケねーだろ」
「ですわよね……」
結局、イエローのパンツが見つかったのは、夕食の時間に食堂に集まった時、巨乳レッドこと獏羽生玲子が一目で発見するまで、2時間の時を要した。
虚無子の胸は、メンバー中で最もコンパクトなDカップである。
しかし彼女はそれを気にしていないし、プロデューサーの田良子坂もそれを良しとしていた。
虚無子の得意は弓。キョニューブルーの必殺技も光の弓で敵を射るというものだった。
弓を引く時、あまり胸が大きいと、邪魔なのだ。
「こむたん! 射的やろう!」
キョニューピンクこと出階堂小心が浴衣姿ではしゃぐ。
夏祭りに出掛けた一行は日頃の激務を忘れ、楽しんでいた。
「いいですわよ。どれですの?」
「あれ!」
ピンクが指さした屋台は、弓矢を使って景品を倒すという趣向のものだった。
「あら……」
キョニューブルーこと 青野ヶ原虚無子の目が、きらーんと光った。
「わたくしに弓を引かせてもよろしいんですの?」
まずはピンクが挑戦だ。
「〜〜〜っ……! あのクマさんのぬいぐるみ、狙うぞーっ」
ピンクが弓を引く。
ピンクは小さな身体にメンバー中最大のIカップを誇る。
浴衣の胸がはちきれんばかり。
押し当てる弓矢と、弦が胸に食い込む!
「えいっ!」
ピンクが弦を離した瞬間、胸の振動がボイイ〜ンと邪魔をして、矢は屋台のおじさんのほうへ飛んで行った。
「いや〜……。長年やってるけど、おじさんに当ててくれた人は初めてだよ〜」
おじさんにニコニコしながらそう言われ、ピンクはペコペコ謝った。
ブルーが弓を持つ。
目がきらーんと光る。
いつもののほほんとした彼女が、アマゾネスのごとく殺気を放つ!
「どらららららら!!!」
景品すべてを撃ち落としたブルーは出入り禁止になった。




