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なんとか車から降りると、シャルが抱きかかえてくれる。

私はシャルに灯された火のお陰で、歩けないほどになっているもの。


「シャルディ様?」

「如何、…、」


セバスチャンが出迎えてくれて、ヴァンが何かを話しかけてくれてる、らしい。


聞こえてるようで、言葉が頭に入ってこない。

だって、私は熱に浮かされたままだから、言葉がちゃんと耳に入らない。

シャルの腕のなかで、さっきのキスで点いてしまった炎の中にいるから…。


「…、いいな?」

「畏まりました」


シャルの胸に顔を埋めている私の上から声が聞こえる。


「ミア、行くぞ?」


そのままシャルが私を抱かかえて、部屋まで運んでくれるみたい。


「うん…」


その声がシャルに聞こえたかどうかなんて分からない。

まるで夢の出来事みたいに感じている。

意識が違う場所から自分を眺めているみたい。


だって私は抱かれることを熱望してるから。

その想いの熱に浮かされているから。

抱かれている手から私にシャルが伝わる。


けど、それだけじゃ、足りない。


私の肌がシャルに触れられるの待っている。

シャルに抱かれたくて、堪らないんだ。


「さぁ」


そっとベットに下ろされたことに気付いた。

初めて入るシャルの部屋だけど、感慨に耽る余裕はなかった。

私達はベットに腰かけて互いを見つめる。


だって、目の前にシャルがいる。

潤んだ深蒼の瞳がいるから。


「綺麗だよ?」


私の緑青の瞳はシャルにはどんな風に見えているの?

しばらくの間、私達は見つめ合う。


「ミア、」


シャルの手が頬に掛かる。

それだけで感じる。

その手に触れた。


「途中で止めたりしないからな?」

「ぁ、シャル…、おねがい…」

「わかった、」


深いキスを交わす、ゆっくりと、何度も。

私の理性が消えてしまうように、シャルの情熱に火が点る様に。

さっき、あれほど繰り返したキスなのに、何度交わしても新鮮で感じてしまう。


「ミア、」


深いキス。

少し唇が離れる。

けど唇と唇が触れているままでシャルが囁く。


「俺に、見せて…」

「うん…、」


唇と唇が触れているのに、シャルの手は私の服を脱がす。

背中のボタンが外される。

ワンピースの袖が脱がされて、私は下着だけになる。


「綺麗だよ?」


現れた下着をなぞる様に、私の肌にシャルの唇が触れた。


「あぁ、」


感じる。

初めての刺激…、素敵…。


「シャル、愛してるわ」

「俺もだ、」


ゆっくりと下着が外された。

私の肌がシャルの前に晒される。

シャルに見つめられている。

恥ずかしいはずなのに、熱の中にいる私はシャルが早く触れてくれることを望む。


「思った通りだ」

「え?」

「思い描いていたんだ、ミアとこうなる日を。きっと裸のミアは美しくて神々しくて、俺はそんなミアを前にして今までにはない程に感じることが出来るって、そう、」


嬉しかった。

だから、私はシャルの首に腕を回して、自分からキスをした。

シャルの指が私の胸に触れる。


「あ、ぁ、ん」


思わず唇を離すほどにに感じた。


「素敵な声だよ」


ゆっくりと寝かされた。

シャルにされるがまま、最後の下着が脱がされて、私の全裸をシャルが見ている。


「美しい、ミア、素敵だ…、」

「シャル…」


私の指にシャルの舌が触れる。

ゆっくりと腕を這って、胸に到達する。

刺激が私から完全に理性を奪う。


「もっと、愛して?」

「わかったよ、ちょっと待って、」


シャルは自分の服を脱ぎ出す。

私の潤んだ瞳は、それをを眺めている。

少し日に焼けた肌が綺麗。

見慣れているはずの金髪が、なんだろう、艶めいて見える。


引き締まった裸体が目の前に現れた。

私を抱きしめてくれる。

素肌と素肌がくっついた。

なんて気持ちが良くて、安心できるんだろうか…。


「これで、俺もミアと一緒だ」


少し自慢げに言うのが、愛おしい。


「なんて、綺麗なんだ。愛してるよ?」

「シャル、私も、大好き、誰よりも、愛してるわ」

「ミアは俺の女だから、」


言い終わらないうちに、シャルの唇は私の首に触れる。

そして少しの痛み。


「これで、俺の印が付いた」


首に印をつけられてしまった。

けど、嬉しい。


「シャル?」

「ミアを愛せるのは、俺だけだ」


そう言いながら、シャルの指はゆっくりと私の胸をもてあそぶ。

その刺激は初めてで、甘美で、深くて。


「あん、ぁあ、うぅ」


思わず、声が出てしまう。


「シャル、ぁん、声が、」

「声が?」

「出ちゃう、ぅ」


シャルの指は止まらない。


「聞きたい」

「けど、ぁ、」

「俺達、2人しかいない。誰にも聞こえない、安心しろ」

「あ、」

「もっと、感じていいから、ミア、」


今度は舌が…。

シャルの頭が私の胸に、シャルの舌が私の胸を刺激する。

温かくで、やさしい刺激は、私を初めての場所へと連れて行く。

だから、私はシャルの髪に触れる。

シャルを感じる。


どんな顔をしてるのかなんて考えている余裕、ない。

ただ、シャルが感じさせてくれるから、感じている。


「っあん、ぁ、」

「ミア、綺麗だ」


キスしてくれた。

刺激が体中を駆け巡る。

返事なんかできない。


「もっと、声が聞きたい…」


そして、シャルの指が私に触れる。

下半身が熱くなる。

その刺激に微かに残っていた理性が消え果る。


「ああ、ぁああ、しゃ、シャル、あ!」


シャルのもたらす刺激が、自分も知らないルミーアをシャルの前に曝け出してしまう。


「い、い、あぁ、シャル、はぁっ、ぁ、ぁ、ぁぁ、あ、」

「素敵だ、ミア、もっと、聞かせておくれ」

「あ、だめ、あ、」


シャルの指の動きにつられるように、私の体が動く。


「ぁ、ああああぁ、っあー!」


熱い。

意識が、遠くに行ってしまう。

頭の中が真っ白になってしまった。


「シャル…あ、ぁ…、、うん、、、ぅう」


グッタリとなる。

初めてのことに、何が起きたかわからない。

ただ、心臓が壊れそうなくらいにドキドキと言ってる。

何も出来ないくらいに、余韻に浸る。


「ミア、イッたな?」


シャルの声が聞こえる。


「いく?」

「感じたってこと、」

「感じた?…、うん、感じた」


恥ずかしいなんて思わない。


「良かったか?」

「うん、とっても…、でも、」

「なんだ?」

「自分じゃないみたいで、なんだろう、私も初めて、見る、自分だったから、」


息が上がっているから、途切れ途切れに言葉を出す。

そんな私をみて、満足げになるシャル。


「俺がそうさせた」

「シャル…」

「愛してる、ミアは俺の女だ」


とっても嬉しかった。


「嬉しい!」

「可愛いな?じゃ、今度は俺を受け入れてくれるかい?」

「うん、」

「じゃ、」

「ぁっ、」


確かめるように軽く私に触れる。

そして、腰が浮かされて、ゆっくりとシャルが私の中に入ってくる。


「うっ!」


痛くて、びっくりするけど、我慢した。


「ご、ごめん、でも、あ、ミア、気持ちいい、あ、あ、ああ、」


シャルの声を聞いてると私まで気持ちよくなってくるから、不思議。


「シャル、いい、よ」

「あ、、あ、ああああ、ミア、ミア!」


汗が流れるほどに感じて、シャルは私に落ちてくる。

シャルの心臓がドキドキしてるのがわかる。


「愛してる」


唇が重なる。

私達は一つになったんだ。


シャルは私を抱き寄せると、髪を撫でてくれた。

私は真珠のネックレスをつけたまま、裸で、シャルの隣にいる。

肌と肌がくっつく。

なんて、安心できるんだろうか?

本能が告げている気がする、ここが1番安全な場所だって。

愛しくて、どうしたらいいのかわからない。


シャルの瞳が私への想いに溢れているのがわかる。


「ミアは、素敵だ。ずっとミアの中にいたい」

「シャルもよ。ねぇ、これからも、私を愛してくれる?」

「もちろんだとも。離すもんか」

「シャル…」


私は、シャルの唇に触れる。

シャルがしてくれたように、深いキスを私から仕掛ける。

一旦落ち着いた波が、再び私達を襲う。

何度も繰り返した後で、シャルが囁く。


「ミア、素敵過ぎて、俺はどうにかなりそうだ」

「本当?」

「ああ、俺を感じさせてくれるのは、ミアしかいないよ?」

「嬉しい、私はね、シャルの女だもの」

「ああ、そうだ、だから、もっと感じていいんだ」


だから、私達は自分に正直に、互いを求める。

2度目の刺激は、さっきよりも刺激的で始末が悪い。

さっきよりもゆっくりと動く刺激でシャルは瞬く間に私を白い果てへと連れていく。


「あぁぁ、ん、あ、…」


シャルの腕の中で熱に浮かされた私は、最愛の人を見つめる。


「よかったか?」

「うん、素敵…、シャルも感じて?」

「ああ、俺を感じさせてくれよ?」

「うん、」


少し慣れた私は再びシャルを受け入れた。

愛おしい気持ちがあふれ出す。

同じ刺激を感じてるんだ。

私の中にシャルがいる。


「みあ、あ、」


私は果てたシャルをゆっくりと抱きしめた。


「愛してるわ、あなただけを、愛してるの」

「ああ、俺もだ」






そうして、私達は互いに抱きしめ合ったままで、時間を過ごした。






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