第五十話 対人族対策会議
お待たせしました。50話です。
会議は、日が中天に輝く頃、かつて妖怪達とエルフ達が話し合いを行った広場で行われる。
それは、どの種族の者でも一度は訪れている場所なので、集合場所としては、ちょうど良かった。テーブルの周りに陣幕が張られ、簡易的な会議室が設営されていた。
会議の参加者は、あやかしの里として、山ン本とマロ爺。ダークエルフの村から長のマリリエンとドトル戦士長。獣人のテルポス村からはゴットスとロッカス。最後にエルフの村の代表としてカサールと有力者であろう見知らぬエルフが参加していた。
それぞれは大きな丸テーブルの四方に分かれて座っている。
サナリエンは、そんな中、人族の襲撃の証言者として山ン本の斜め後ろに居た。一度村に帰ったものの、やはり、エルフは村への帰参を拒み、独断であやかしの里に対しての協力要請をした事により、村から追放が決定されていた。それでも、サナリエンは、エルフの村を恨むような事は無く、ただ淡々とあやかしの里が人族対策会議にエルフを招待したい事と、救出したレゴラス村長の引渡しをしたい事を伝えた。
かつて、ニヤニヤとしながら座っていた椅子にカサールは、不機嫌そうに座っていた。テーブルの後ろには護衛のエルフ達が立っている。
サナリエンと一緒に脱出に成功した二人の内一人と、戦士団には入っては居ないがそれなりの腕を持つエルフ達だ。
カサール本人としては、生き残った精鋭を二人とも連れてきたかったのだが、村の防衛を優先させたいほかの村の有力者達から反対され、何とか一人を連れてくるのが精一杯だった。それでも虚勢を張る為に護衛として連れてきたエルフを背後に立たせている。
「まだ始まらんのか!」
「もう少々お待ちください。今、レゴラスさんをこちらにお連れしています」
平然とした様子で山ン本が答える。
「本当に、我らの長なのだろうな?」
疑わしげな表情でカサールが言う。
「サナリエンさんが、ちゃんとご本人と確認されていますが?お疑いになるので?」
「ふん。命令に背いて貴様らの所に言った娘など信じられるものか!」
その言い分に怒ったのは、マリリエンだ。
「カサール!同じ村のもんを信用しないじゃと?エルフの誇りは何処いったんじゃ!」
「はっ!村の掟を守れぬ者を同族とは認めはせん!」
その言葉を聞いても山ン本の背後に立つサナリエンは、否定も弁解も言わず、ただ目をつぶりって俯いている。それに我慢できなかった者が居た。
「貴様ぁ!」
カサールあまりの態度に激高したマリリエンが立ち上がった。同族を否定するカサールにゴットスとロッカスは、冷ややかな目を向けている。
「落ち着いて下さい!長!」
ドトル戦士長が落ち着かせようとしているが、完全に火が入ってしまったマリリエンを止めるのには効果が弱い。
「これが落ち着いていられるか!とうとう堕ちる所まで堕ちたかっ!エルフ共!」
「フッフン!他所者が村の事に口を挟まないで貰おうか!」
マリリエンの剣幕に押されながらも、半ば意地でカサールは言い返す。
その時、山ン本達の背後に空からカラス天狗が降りてきて、何か彼らに耳打ちした。
「今、報告がありました。レゴラス殿の到着が遅れるそうです。じれてる方もいらっしゃるので先に会議を始めさせていただきます。議題は、もちろん現在このフィフォリアの森に侵攻しようとしている人族についてです。まず最初に報告させていただきます。我々、あやかしの里は独自に使者を出し、人族との交渉を行ってきました」
そこで、会議が一気に騒がしくなった。マリリエンとゴットスは偵察の話は聞いていたが、もう既に交渉までやっていた事に驚いた。
「馬鹿な!アイツらが聞く耳を持つものか!」
「お前達!人族に取り入り自分達だけが助かるつもりかっ!」
「それなら、馬鹿正直に言うはず無いじゃろうが。少しは考えて喋らんか馬鹿者が!」
それぞれが、反応を見せる中、山ン本は整然と続きを話す。
「ご安心下さい。結論から申し上げますと、交渉は決裂。我々あやかしの里は、人族に対し宣戦を布告。戦争状態に入りました」
「おお!さすが山ン本殿だ!俺達も協力するぞ!今度こそ憎っくき奴らに我ら獣人族の力を見せ付けてくれる!」
いの一番にそう言ったのは、ゴットスだった。最近のテルポス村は、食糧事情が良くなり、あやかしの里からの支援もあり、ようやくまともな村レベルまで発展する事ができていた。
(やっとここまで来たんだ!ぜってぇ人族なんぞに踏み荒らされてたまるか!)
鉱山から脱走した時は、これ程穏やかな日々をすごせるとは思っていなかったゴットスは、今度こそ、この村を命がけで守る事を決めていた。
「ゴットスさん、ありがとうございます。ですが、今はまだ話の途中ですのでもう少し待って下さい。続きまして、我々が掴んだ情報をお伝えします。今回の人族の侵攻の目的は、エルフです。彼らは、名目上この森のエルフに捕われた獣人を解放し、保護すると言っていますが、それは事実ではありません」
「当然だ!何故我々が汚らわしい獣人なぞ。奴隷にして欲しいといってきてもお断りだ」
「はっ!それはこっちの台詞だ!俺達はもう二度と誰の奴隷にもならん!」
言い争いを始めているゴットスとカサールを無視して山ン本は続ける。すると二人もさすがに情報を聞き逃すのはまずいと黙りこんだ。
「…人族の本当の目的は、フィフォリアの森の領有権とエルフの奴隷化です。砦の様子や、エルフの精鋭戦士団の全滅などから、突発的な侵攻ではなく、かなり長期間にわたって用意周到に準備してきたようです」
そこで、山ン本は一旦止めるとゴットス達のほうを見ながら言う。
「その事から、テルポス村の人達は、わざとこの森に脱走するように仕向けられたのだと推測できます」
「なんだと!」
「やはり獣人は、この森に災厄を持ってきたのだ!とっとと追い出すべきだったのだ!」
我が意を得たりと言った感じでカサールが胸を張るが、山ン本がそれを否定する。
「何を言っているのですか?言ったでしょう人族は周到に準備していたと。もし仮に、獣人族を追い出していたとしても、適当な理由をつけて侵攻してきたでしょう。例えば、追い出された獣人達を人族が殺してその罪をエルフに擦り付け、懲罰として侵攻する…とかですね。つまり、そもそもの原因と言うならエルフ族の、その存在そのものが、今回の人族の侵攻の原因です。そういう意味で言えば、獣人族は、エルフ族と人族とのごたごたに巻き込まれた被害者ともいえますね」
「じゃあ何か!俺達があのクソッタレな場所で働かされていたのは、エルフ共のせいだったのかっ!」
「なっ何を!」
山ン本が言い終えると、ゴットスは憎しみすら浮かべた瞳でカサールとその後ろに立っているエルフ達を睨みつける。これまで散々エルフ達に災厄を呼び込んだ疫病神といわれていた事は、その感情を含めて忘れてはいない。いつもは暴走気味ゴットスを諌めるロッカスすら目を鋭くしている。
「何、もはや誰のせいなど言っている場合では無いと言うことですよ。もはや彼らと交渉によって平和裏に侵攻を止める事は不可能です。しかし、我々あやかしの里の者達だけでは、少々分が悪い。故に私達は、フィフォリアの森に住むエルフ、族ダークエルフ族、獣人族、そして我々で共同戦線…同盟を結ばないかと提案いたします」
その提案は、他の種族の長達も予想できた事だった。
しかし、でもテーブルを包む空気は悪い。ゴットスは、テーブルに肘をついて横を向き、カサールの方を見ないようにしてる。ロッカスも同様に腕を組んでうつむき加減で目を閉じている。
ゴットスは妖怪達と同盟を組むのは良い。恩もあり、信頼できると思っている。ダークエルフもこの森での狩りの仕方やルールを教えてくれた。だが、エルフだけはダメだ。森で追い回し、疫病神とののしってきた彼らとの同盟は、たとえ恩ある妖怪達の提案でも安易には頷けるものではなかった。
ダークエルフ達も、エルフの現状から同盟など夢のまた夢と思っているため、難しい顔をしている。
「おっと、レゴラス村長が到着したようです。会議は一時中断ですね」
その時、戸板を改造して作った担架に乗せられたレゴラス村長が会場へと運ばれてきた。
サナリエン、山ン本、マロ爺三名以外の一同は、運ばれてきたレゴラスの姿を見て息を飲んだ。レゴラスの全身に包帯が巻かれ、その上から浴衣を着せられていた。頭にも包帯が巻かれ、かろうじて顔は、分かるものの、かつての力強い姿とは似ても似つかぬ姿だった。視線は空を見ているが、視点があっていない虚ろな目をしていた。
「レゴラス!無事か!おい!」
カサールは、自分達を包む嫌な空気を振り払うように運ばれてきたレゴラス村長の傍によった。護衛のエルフ達もレゴラス村長の無事を確認しようと駆け寄る。エルフ族の中では、レゴラスはそれなりに人望はあるようだった。
「おい!この包帯を外せ!」
ぺたぺたとレゴラスの体を確認するカサールが突然、レゴラス村長に巻かれている包帯を解き始める。
「待って下さい!包帯は替えたばかりです。解く必要はありません!」
「ええい!うるさい!邪魔をするな!貴様らのやった治療など信用できるか!それに、貴様らなんぞの薬より我らの薬による治療の方が効くに決まっておる!おい!早く薬をだせ!」
カサールが命じ、連れてきていたエルフの一人が膨らんだカバンを持ってレゴラスに駆け寄る。
「止せ!あやかしの里の治療は優秀だ!それに、それでは別の薬同士が干渉して何が起こるかわからんぞ!」
「貴様らダークエルフ如きに何が分かる!我らは、世界一優秀な種族たるエルフだぞ!」
もはや、カサールとマリリエンは一触即発の空気だ。だがそれを大声で止める者が居た。
「止めてくれぇ!」
虚ろな目をしていたレゴラス村長の目に光が戻り叫んだ。そして落ちる様に担架から降りるとそのままマリリエンの前に出て跪いた。
「すまない!すまない!申し訳ない!申し訳ない!」
驚いたのは、跪かれたマリリエンだ。そして、その場に居たそのほかの者達も突然のレゴラス村長の行動に驚愕し、固まってしまっている。
傲慢と言っていいほど誇り高かったレゴラス村長が、以前まで見下していたダークエルフの長に対して土下座したのだ。
それは謙虚を超えて卑屈にすらなっていた。あまりの変わりようにマリリエンが目を丸くし、ドトルが自分が見たものが信じられないのか、目をこすっている。ゴットスの顎が落ち、ロッカスの思考が停止した。
「レゴラス村長!貴様何をしている!それでも誇り高いエルフ族の長か!」
あまりの行動に、カサールが席から立ち上がり、レゴラスを立ち上がらせようと
「違う!違うのだ!カサール!」
「何が違うというのだ!この様な下等な部族に対してぺこぺこと頭を下げるなど、貴様一体どうしたというのだ!」
サナリエンは、自分の父親の行動が予想できていたのか、痛ましいものを見る目で見ていた。
「止めろ!止めてくれ!これ以上!ああ!これ以上我らエルフを貶めないでくれ!?」
「私がエルフを貶めている!?貶めているのは、お前だろうレゴラス!もう貴様などに…」
「そうではないのだ!我々エルフが、他の種族より優れている。勝っている価値観は人族によって、意図的に植え付けられたものなのだ!」
言いかけるカサールを遮り、悲痛とも言える声でレゴラス村長が言う。
「はっ?」
「えっ?」
「何?」
会議の場が、凍る。
エルフの高慢が"人族によって意図的に植えつけられた"
「馬鹿な!エルフが他の種族より優れているなど自明の理ではないか!」
レゴラス村長は、土下座をしたまま語り始めた。自身が人族に囚われていた時にアルフォンスと行商人ジョッシュによって聞かされた事を…。
それは、ある種の昔語りだった。
昔、フィフォリアの森に一番近い街含む一体を治める領主にフランツ・ダ・エルバルトという男が居た。彼は有能な領主で、領民達から慕われ、彼自身も領民を大切にしていた。
彼は、日々を忙しくすごしながら常々思っていた。領民達に豊かな生活を遅らせる為に更に領地を発展させたいと。
そして目をつけたのがフランツが治める領地の端にある街ダーリアから数日歩いた先にあったフィフォリアの森だった。当時はまだ名前の知られておらず、ダーリアの東にある森としか呼ばれていなかった。
その頃には既に、フィフォリアの森にはエルフとダークエルフが隠れ住んでいたが、その事を知るものは人族にはいなかった。
フランツは、開拓団を組織するとフィフォリアの森近くに開発拠点を作るべく送り出した。
最初、開拓団の活動は順調だった。森の近くに粗末ながらも村を作り、フィフォリアの森から木々を切り出して木材に加工、加工した木材を他所の領地に売る。更にフィフォリアの森には貴重な動植物がふんだんにあり、そのお陰で開拓村の発展、同時にフランツの持つ領地の発展していった。
だが、彼らはやりすぎた。
開拓村の人々は欲望に目がくらみ、木々を計画性も無く切り倒し、動植物を乱獲した。それが当初から森の中に入ってきた人族をひっそりと監視していたエルフ達の我慢の限界を超えたのだ。
とはいえ、当時のエルフ達は"高潔で慈悲深い"エルフ達であり、ダークエルフとも区別無く暮らしていた。木を切り倒し、動植物を乱獲を乱獲する人達の前に姿を現し、資源には限りがあり、ある程度残しておくと、一回り季節が巡れば、また取る事が出来ると説得した。
だが、その開拓村の人間達は聞かなかった。
まだ沢山あるのだから、数が少なくなってからそうすれば良い。俺達の仕事を邪魔をするな。それが人族側の主張だった。
エルフ達は、熱心に説得を続けるも人族は一向に改めなかった。逆にエルフの存在を知った人族は、エルフすらも森にある資源の一つとして認識した。
そう、自分達の豊かにしてくれる新たな獲物だと。
そして事件が起きた。
説得に現れたエルフ達を捕縛しようと人族が襲いかかったのだ。幸い、精霊魔法の力によって無事逃げ出せたが、ここに来てついにエルフ達の我慢の限界が来た。エルフとダークエルフの長老達は、説得は無理と判断。実力を持って森からの排除を決断した。
もちろん、人族も反撃したが、森でエルフ達に敵うわけが無かった。指示に従ったものはそのまま森の外へと追い出したが、指示に従わず襲い掛かってきた者も居た。そういう者達は、容赦なくエルフの矢が突き刺さり、その命を奪った。
開拓団もエルフに対抗しようと武装して森に入るが、森でエルフ達に勝てるわけは無い。多数の被害を出して開拓村に逃げ帰ることしか出来なかった。
開拓村の人族は森に入る事が出来なくなった。
困窮した開拓団長は、その事を領主であるフランツに伝える為、早馬をダーリアの街へと走らせた。
開拓団の人族が殺され、森から排除された事を知ったフランツは激怒した。
すぐさま領軍に触れをだし、討伐軍を編成して自らが陣頭指揮を執ってフィフォリアの森からのエルフの排除しようとした。
兵士たちの数は500名を超え、当時のエルフ達の戦力と比較すると3倍以上。だが、それでも人族は、地の利と精霊魔法を持つエルフ達に敗北した。領主であるフランツは、エルフ達に捕縛され捕虜となってしまった。
普通であれば、フランツは見せしめの為に殺されても不思議ではなかったが、当時のエルフ達はフランツにフィフォリアの森に対する不可侵を約束すrば彼を解放すると約束した。
フランツは、エルフの高潔さと慈悲深さに感動し、フィフォリアの森に対する不可侵を約束した。そして、それだけでは、申し訳立たぬと年に何回か人族の行商人を向かわせる。その行商人が持っていった物は好きにしてもらってかまわない。詫びの品として貰って欲しい。それと、何か困った事があれば、彼に言付けを言ってくれれば何でも助けになろうと約束した。
エルフ達はただ貰うだけと言うのは断り、ほしい物があればその行商人と取引するようになった。
ここまでは、エルフ、ダークエルフ達の間でも良く知られている話だった。
だが、それがフランツの罠だった。
行商人とは、エルフの村に来ていた行商人ジョッシュの祖父にあたり、エルフに対しフランツが放った間者であり、遅効性の猛毒だった。
この行商人がやった事は多岐にわたる。
ジョッシュの祖父は、エルフの前では大げさと思えるほどへりくだり、エルフを褒め称え、ダークエルフを含む他の種族をけなした。これにより、エルフは傲慢になりダークエルフとの間に溝が出来、結果二つの種族は袂を分かち、別々の集落に暮らす事になった。
そして、外界からの情報を遮断すべく、わざと人族による稚拙な商品などをエルフ達の前に持ち出しフィフォリアの森の外の世界に対する関心を持たせないようにした。
さらにフィフォリアの森および周辺の地理の把握とエルフの村の正確な位置の確認し、何処でどのように戦うか長い間検討し続けた。
一番の恐ろしいは、そこまでの成果を出すのに三世代と言う時間を掛け、それでもエルフを…フィフォリアの森を落とそうとした領主フランツの妄執ともいえる執念と、その意思を継ぎ続けた者達だろう。
結果、エルフ達は、傲慢になり人族を侮り、人族ののたくらみに一切気付く事が出来ず、村の精鋭を全滅させる事に成功する。
「あいつらは…あいつらは俺に、笑いながら話した。ようやく、ようやく曽祖父の無念が晴らせると…。だからこれ以上あいつらの掌の上で踊るのは、もうやめるんだ。頼む…お願いだ」
「なんと…」
「恐ろしいまでの執念だな…」
レゴラスによる衝撃の告白に、会議場がざわめく。特にエルフは、当事者である事とカサールが護衛にと多くのエルフ達を背後に控えさせていた為、大騒ぎになっている。
「そんな訳ありません!エルフが優れているのは自明の理!獣人族もドワーフ族も人族もあらゆる種族が褒め称えていると!」
護衛に来たエルフの一人がレゴラス村長に反論するも、その語尾は弱い。エルフ達の中で自身らの優秀性が揺らいでいた。
「それを言っていたのは、あの行商人共だ。では、あの行商人共と我々エルフ以外で我々を称えた者達はいるか!」
その言葉で、エルフ達は気がついた。自分達を褒め称え居たのは、自分達を含まなければ、あの行商人一族の三人だけであったと…。
「見事な離間の計。そのフランツと言う男もなかなかの執念深さですね。医療の発達していないこの世界では、人間の寿命も短いでしょうに…。ククク。だから人間は面白い」
妖怪や化け物であれば、七代でも平気で祟る。
それは寿命が長いからこそ出来る事だ。長く生きられぬ人間が迂遠とも言える作戦を実行する人の妄執に山ン本は感心したように呟いた。
今度別の新作小説をアップする予定なので、よろしければ御覧ください。
もちろん異世界物怪録の執筆は続けますのでご安心下さい。




