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(4)重戦士の必殺技って、必ず(俺が)死んじゃう技なんですが?

武司君第4話

武司君の入ったパーリーの初戦闘です。

HP1の武司君、女パーリーメンバージェシーに誘惑されて私を守ってとか言われる。

ダメージを引き受ける?無理だ!

「俺はタンクだが出来ることと出来ないことがある!」


異世界コメディー第四弾 お楽しみに

(4)重戦士の必殺技って、必ず(俺が)死んじゃう技なんですが?


  タムラ /戦士   男 HP20  Lv1

  ジェシー/戦士   女 HP120 Lv1

  ヤン  /戦士   男 HP145 Lv1

  クロイツ/戦士   男 HP56  Lv1

  アントン/戦士   男 HP120 Lv1

  タケシクン/重戦士 男 HP1   Lv5


 「重戦士のリキャスト二時間スキルってマジかっけー」

 ヘイトボルケーノの事を知っていたヤンがクロイツに余計なことを教える。

 あれだ、全部の敵が俺を狙うってやつ。

 「クロイツ、お前なあ、そんなピンチにならない様にするんだ!ねえ武司君さん」

 そうそう、そうだよ(ヤン)さん良い事言うなー流石俺の命の恩人。

 「まあ、進んでピンチになる事はないな、俺が死んだらみんな危ない」

 「武司君さん金属鎧持ちだからこの辺の雑魚余裕っしょ」

 そうなの? 過信していいの? 

 「あれ?知らないんすか?金属鎧って自分よりレベル低いモンスターの攻撃、80%カットっすよ」

 マジか?

 「雑魚モンの一撃じゃあダメージゼロか1ですよ」

 1じゃあ困るんだな、1じゃあ。

 なにそれ、じゃあ俺は確率2回に1回死ぬ計算?

 命は一つしかないんだよ?

 命を張った大博打、雑魚モンに毎回すんの?

 「金属鎧持ちってだけでパーティーから引っ張りダコですよ」

 普段寡黙なアントンが言うんだから間違いない。

 確かにオレだけ金属鎧、安物だが親父が使ってた家宝だっていう設定。

 いや、現実だ。一応、記憶あるし。

 母さんは他界したみたいだけど、故郷に帰れば親父と兄貴が居る…。

 「でも武司君さん、駆け出しで金属鎧持ってるなんてやっぱスゲエ」

 クロイツ、あんま褒めないで?

 俺、期待されると死ぬ病気なの。

 まあ、当たらなければどうという事はないか?

 「まあ、雑魚の攻撃はまかしておけって」

 力こぶを作ってアッピール。

 「うわあ、腕太いっすよね、かっけー」

 「ねえねえ、武司君~転生者ってホントなの?」

 相変わらず腕にしがみつく。ジェシー?

 俺、ノンケだけど君より楊さんがいい。だって君といると死ぬもん。

 「うん、まあそうだな」

 「やっぱマジだった?」

 「そうですね、転生者は魔王討伐の任を受け、非常に強い力を与えられてると聞きます」楊は眼鏡をクイっと持ち上げて答えた。

 解説キャラポジションか、こういうキャラ、終盤まで生きてるんだよね。

 それに比べて。

 「すげえ、ねえねえ、HPってどんくらいあんの?」

 1だ1、言えねえけど。そう言う軽口叩く愛されキャラって終盤死ぬんよ?

 気を付けろ?クロイツ。

 あと寡黙だけどいざという時、仲間庇って死ぬのアントンの役目だかんな?

 「そうですね…一般には50000程度が平均と聞いてます」

 「50000? 其れ絶対死なないヤツぅ、え?え?マジかっけー!」

 クロイツ? 俺の死亡フラグ立てないでね?

 あと楊さん、ごめん、過大評価っス。

 「ま、まあな」

 「ますます見直しちゃったW」

 ジェシー、ジェシー、ジェシー? もう完全に俺、盾扱いだよね?

 盾役だけど、出来ない事ってあるんだよ?

 いくらタンクでも君を庇い続けるなんて出来ない。

 「今度、レベル上がったら、庇うっていうの覚えて欲しいなあ」

 熱っぽい瞳でおねだりしないで?

 童貞の俺にはその谷間が凶悪過ぎるんだって。

 そんな誘惑に負けて庇ったら君のダメージ俺に来るんだよ?

 解って言ってる?ねえ、解って言ってる?

 いくら何でも無茶だって。

 「スキルポイントって言えばさ」

 クロイツナイス!ナイスだ!

 話題変えてくれやがりました!

 このまま行ったら今日で俺の人生終わる所でした!

 色香に負けて死ぬところでした!

 「重戦士のー」

 やっぱお前、中盤から終盤で死ぬキャラだわ、お調子者ポジマジ危険。

 話題戻すなって!

 「重戦士のスキルよか俺たちのスキルも上げなきゃだよな」

 ふう、クロイツ、やっぱ俺が見込んだ男だ、そうそうよーし!

 「(ヤン)さん、何とるの?」

 「そうですね、私は一般人としては耐久値高いのでやはり重戦士系に特化したいですね」

 「おお、第二の盾ですか?」

 「まあ、こんな一般人のパーティーに武司君さんはいつ迄も居て下さらないだろうし」

 「ええー? じゃあじゃあ、ジェシーの事、武司君は守ってくれなくなっちゃうの? そんなのだめだめ!」

 甘えて来るなこの巨乳。ちょっと可愛い顔してっから調子に乗るな!

 折角、楊さんは俺の命の恩人枠なんだぞ?

 俺の心の盾、命のカートリッジなんだよ、深い層に行くには必要だろ?

 「ええーっ?居てくれないの武司君さん」

 クロイツ、ショタの趣味はないがその顔はヤメテ。

 「まあ心配すんな、俺が生きてる限るお前たちを守る!」

 事になりそうだ。


 「皆サン、狩場ニ、ツキマシター」

 「ハラゴシラエシマショ!」

 タムラさん、結構面倒見良いよな。

 「コレ、私ノ国ノオベントウネ!」

 香辛料たっぷりの茶色い何かが、パンではない平たい小麦を焼いた奴に挟まってる。

 カレーとも違うが、なんだろあっちの国の料理。

 人種、雑多だよな。

 クロイツはなんドイツの少年って感じだし、楊さんはもうお分かりですよね? 

 アントンは日系南米人っぽいし、ジェシーはうーんなんだろ金髪なんだけど、ヨーロピアンの匂いがしない。

 「お、コレ旨!」

 「キャベットと鶏肉?なんだこの香辛料!」

 なんか喰ったことあるんだよな、秋葉の屋台でトルコ人っぽいのが売ってた奴。

 ああああ、なんだろココ迄出かかってる。

 カラリパヤットとかじゃなくてドリルキックみたいな名前!

 「ねえタムラさん、コレなんて料理?」

 俺、その話題めっちゃ気になる。

 思い出せなくてモヤっとボールなんだよ。

 ナイスクロイツ!

 「私の国には無い味ですね」

 もっと、突っ込め楊!

 「そんなことどうでも良くない?」

 いいわけ有るかこのアバズレ!

 「ねえねえ、タムラ、この料理なんて言う名前?」

 「私も知りたいです、オイシイこれ」

 おおお、無口なアントンも喰いついた!

 ド、ド、ドリル研磨?

 違います。

 ドーーーーーリル旋盤?

 もっと違います。

 「ねえ、タムラさんー、教えてよー」

 「そうですねー」

 いいぞクロイツ!

 「ねえねえ、食べ物の話よりさー」

 ジェシーお前マジぶっ殺す!話題の中心に居なきゃダメな病気なの?

 姫なの?サークルってかパーティーの姫なの?

 「FUFUFU」とタムラが笑う。

 見事にスルー、ジェシーに殺人スルーパスだぜ!

 「何ダト思イマス?」

 うおぽおおおお!

 質問を質問で返すな!小学校でそう習ったのか!こっちに小学校ないけど!

 お前はボーリングの爪切り持った爆弾魔に殺されるぞコラ!

 「そういえばさーこのネイル、マジかわいくなあい?楊さんどお?」

 お前にホレてるっぽい楊さんにその話題振ったら、もう話題替わっちゃうだろ?正気か?正気の沙汰か?

 場の空気壊す天才か?話題キラーか?キラークィーンか?

 「え、ええ似合いますよ…とっても」

 マジか、照れんな楊さん頑張れよ、パーティーの良心だよね。

 「だよねー、頑張って貯めたお金でやってもらったんだー」

 ジェシー、お前が使うのは装備だろ装備、なにそのショートソード。

 錆びてるんですけど!

 錆び浮いてるんですけど!

 そしてホラ、話題取られたタムラさん、しょんぼりだよ涙目だよ!

 お前がそのネイルに使っちゃった金でもっといい装備買えよ!

 「ジェシーさん、とてもお似合いです、じゃあ今日は稼がないと!ですね」

 「そうなのー、新しい下着とか欲しいしー」

 アバズレ、もっと買い替えるのあるだろ?

 「いえ、もっと良い装備買いましょう」

 よーく言った!楊さん。

 「あ、私、素早さが上がる指輪とか欲しいぃん」

 違うそうじゃない、武器だろ武器!

 魔法の指輪買えるなら装備一式揃うわ!金属鎧も買えるわ!

 「それって…」

 楊さん貢いじゃう?貢モード?その顔、指輪爆買いする顔だよね?

 きっとその女、楊さんとこ来ないよ?

 だまされるな楊!

 「ふふふ、知らなぁーーーい!」

 「くきゃああああああああ!」

 「ドウシタンデスカ?タケシクンサン」

 「いや、この料理美味しいなって!」

 「Oh!ソレハ嬉シイネ、腕ニ選りヲカケテ作ッタデス」

 いいから料理名!

 折角でかかってたのに、アバズレのせいでぶっ飛んだじゃねえか。

 「ワタシノ故郷デハー」

 「あ、そうだもう行かない?新しい装備買いたいからー、早く帰りたい」

 「ソウデスネ」

 くっそこの女、いつか殺す。

 ああもう、料理の名前が気になって集中できないーーーー。

 

 「ト、イウワケデ狩リシマショウ!」

 「おーう!」×4

 「お、おーう」

 

 狩りが始まって、1時間、俺は何とか死なずにいた。

 獲物は蜂のモンスター。

 攻撃態勢に入る時、空中でホバリングするので狩りやすい。

 みんなで攻撃するとあっという間だ、

 タワーシールドがあるので攻撃は全部避けられた。

 攻撃が来るモーションを見てから盾を上に持ち上げる。

 攻撃が来るモーションを見てから盾を上に持ち上げる。

 攻撃が来るモーションを見てから盾を上に持ち上げる。

 攻撃がモーション…。盾持ち上げる、盾持ち上げる、盾持ち上げる!

 

 「ドリル、持ち上げる!」

 なんか近い!

 「何言ってるんですか武司君!」

 「集中しましょう武司君さん!」

 「流石、余裕ですねかっけー!」

 ドリル・持ち上げるが近いっぽい。

 うーんドリル…?

 ドリルからいったん離れるか?初心を思い出そう。 

 多分、ドは合ってる。

 「あ、なんかデッカイのポップした!」

 「マジデスカ?アレレアモンスターヨ、防御貫通コウゲキアルケド、ロイヤルゼリーオトシマスヨ?」

 「マジ?」

 「ええ、ロイヤルゼリーは高価なポーションの原料で現在の市場価格は900シルバーです」

 「マジで?服買ってーアクセかってー、お酒飲んでもめっちゃ余る。半年以上遊んでくらせんじゃんウチら! ねえ楊、ほしいほしい!」

 「ド…ド…」

 「でもいくら何でも1レべの俺らじゃ無理じゃね?」

 「いやあ、でも転生者の武司君いるじゃん?」

 「いざとなったらヘイトボルケーノだっけ?あれやってもらおう」

 「そうですね、最後にヒト稼ぎしますか!」

 「イェーイ!アイサーイエーイ!」

 うるさいなあ、ドリルから離れられなくなっただろ?

 「タケシクンサンモ良イデスカ?」

 「ああ、うん」

 ド…リランド?ドラル…ドレ、ドリ。

 「いざとなったら頼みますよ武司君!」

 「わかったわかった」

 「不確定名:飛び回る者、鑑定しますね?」

 「楊お願い!」

 「モンスター名:バス・ワスプ・グレーター」

 「やったビンゴ!」

 「武司君タゲタゲ!」

 「あ、うん・ウオークライ!」

 「よーし武司君がタゲとったぞ、囲め囲め!」

  うるさい、あともうちょっとなんだ集中させてくれ。

 「あーん、こいつ硬っ!ねえ楊硬いーっ!」

  そいつはお前のナマクラのせいだ。

 「硬いですね、攻撃があまり通りません」

 「だよねー」

  ドルル?お、なんか近い?

 「武司君、攻撃できる?」

 「武司君、タンクだし」

 「でも5レべだよ?」

 「武器…え?武司君武器持ってないの?」

 「盾だけ?勇者だなー」

 「盾だけ勇者!」

 「盾勇?」

  うるせえ、なんかそれ女神が飛んできそうなギリギリラインだぞ?

 「盾だけ勇者のーーー」

 うおおお、集中できない!

 「あ、こいつリンクすんの?」

 「どうしました?」

 「いや、蜂って巣の近くじゃないとリンクしないんじゃね?」

 「じゃあなんで俺、襲われてんの?」

 「痛てぇ…ってたった1ダメかよ」

 「初心者コースだからな」

 「だからって油断すんなよ」

 「じゃあクロイツはそいつ頼むね」 

 「しゃあねえな、了解!」

 「武司君だけに任せっきりじゃ冒険者じゃねえもんな」

 ああもううるさい!

 しかにこの蜂なんか大きくね?


 「またリンクだ!この蜂どうなってんの?」

 「こいつバス・ワスプの特殊効果、花粉で回復するんだよ」

 「って瞬殺しなさいよ、そんぐらい」

 「つうが、グレーターがいると回復量増えるみたいでさ」

 「あ、またリンク」

 「これ拙くない?」

 「拙いね」

 「武司君、リンク三匹!」

 「うんわかった」

 「右手は盾に添えるだけ・右手は盾に添えるだけ…」

 「なんか無心で呟いてる?」

 「無我の境地という奴ではないですかね、私の国の宗教にそんな言葉があります」

 「スゲエな5レべ上級職」

 「いったん雑魚片付けましょうか」

 「賛成!」

 「武司君、グレーター頼みます!」

 「おけ、わかった、ド…くっそドリルしか出てこねえ」

 「うわあ、巣からどんどんポップする!」

 「倒しても倒してもキリないですよ」

 「武司君いなかったらヤバかったね」

 「マダオワッテマセンヨ?」

 ああもうお前らうるさッ!さっきから集中できないっつーの!

 「あ、もう、無理ぃー、なんかもっと大きいの出てきたー」

 「不確定名:蜂を束ねる者、鑑定します!」

 「楊さん、あいつ何?」

 「モンスター名:バス・ワスプ・クイーンです!エリアボスクラス!」

 「マジ拙くない?」

 「あいつ、通常攻撃が防具貫通っスよ?」

 なんかこの大きな蜂、時々盾貫通すんだけど?穴だらけじゃん俺んちの家宝。もうドリルなんとか考えてる暇はねえ。早くコイツ倒さないと俺の盾壊れる!

 「みんなこの蜂、早く倒そうぜ!」

 「マジか? 勇者だ!」

 「その言葉を待ってたぜ!」

 「私の刀、ちょっと残酷ですわよ?」

 なまくらじゃん、それ、サークラの姫、調子こいてんじゃねえ!

 「ヤリマショウ、アノクイーンガコッチニ来ナイウチニ」

 「まずはグレーター始末しなきゃ」

 「雑魚は?」

 「こいつが最後です」」

 「アントンかっけー!」

 「攻撃力あるアントンを中心に連携攻撃しよう」

 「ヘイトがアントンに溜まりますがよろしくありますか?」

 全員が武司君を見る。

 「おう、なんだかよくわかんねーけど任せろ!」

 俺の盾が壊れる前に。

 ※武司君は女王蜂が近くにいる事をしりません。

 

 「よっしゃああ、1番クロイツ、行きます! 素早き刃!」

 「二番タムラ、燃える刃!」

 「三番!楊!赤き花!」

 「四番 ジェシー、通常攻撃!」

 「ってジェシーお前片手剣スキル上げとけよ」

 「うるさいわね」

 「五番アントン 燃える刃!」

 ズガンと音がして、ダメージが通る。

 「やったー、ロイヤルゼリー!ロイヤルゼリー!」

 「喜ブノ、マダ早イデス!」

 「武司君、暴走モード!」

 なにこれ、この状況。

 武司は正気に戻った。

 「蜂、周りに湧いてんじゃん? つかあの奥にいる蜂が呼んでる?」

 「危ない武司君!」

 「うおおおおお? 俺の盾、俺の盾!」

 グレートワスプの連続攻撃っつか貫通・連続・毒針・発射!

 カンカンカンカン!っと盾と貫通しプレートメイルを削る。

 「なに?何コイツ?」

 「武司君、そいつ貫通攻撃あるから気を付けて!」

 先に相談してほしいし、教えて欲しい。

 ※ちゃんと説明も承認もとってあります。武司君は生返事でした。

 

 「ヤベエ、こいつヤベエ!」

 流れ弾が楊さんに当たる。

 「楊さんダメージは?」

 「20!毒はレジストしました!」

 「エ?毒?」

 聞いてないヨ?

 ※言いました

 

 「こいつの毒は体力の5%/10sです!」

 「何その呪文?」

 「10秒ごとに5%体力が減るって意味!」

 「俺には関係ねえ!」

 ってか毒の前に死ぬっつうの!

 「かっけー流石!武司君!」

 「おおおお、頼もしい!」

 「行キマスヨ後ノ連携!」

 「オウ!」×4

  連携に入る前に、女王蜂からノーマルの蜂が飛び出してくる。

 「マジ?」

 「ヤバい!」

 「うっそ!」

 「ピンチデス!」

 「拙いですね」

 「連携をしようとした者を狙ってくる防御アビリティーです!」

 「うわ、こいつら結構つええ」

 「女王蜂のバフかかってますね?」

 「大ピンチ?」

 「武司君拙い!」

 「武司君!」

 「タケシクンサン!」

 みんなの視線が集まる。

 どんどん集まるノーマルワスプ。

 「助けて!」

 「うお、死にます!」

 

  タムラ /戦士   男 HP5   Lv1

  ジェシー/戦士   女 HP120 Lv1

  ヤン  /戦士   男 HP14  Lv1

  クロイツ/戦士   男 HP21  Lv1

  アントン/戦士   男 HP15  Lv1

  タケシクン/重戦士 男 HP1   Lv5


 激やばじゃねえか!

 ってジェシーてんめぇー!

  

 「武司君! 楊が毒!」

 「タムラさん瀕死!? なんか名前がオレンジだぞ」

 「ワタシガ死ンダラ、海ノ見エルオカニ」

 お前、仲間が死んだら出発前に野ざらしにするって言ったよな?

 くっそ、しょうがねえ、さっき思いついた技を披露するぜ。


 「うおおおおおおおおお! ヘイトボルケーノ!」

 武司は盾を持って振り回した。

 ジャイアントスイングした。

 嵐のように叩きつけた。

 確かにヘイトは武司に集中したが筋肉マシマシの武司が振るうタワーシールとは巨大な蠅叩きのようだった。というか蜂叩きか?

 「死んで!たまるかあああああああ!」

 蜂バチバチバチ!

 壮絶だった。

 力任せに叩きつけるシールドバッシュ?というには大雑把すぎた。

 並みいる蜂を粉砕していく。

 巻き込まれまいとと退避するパーリーメンバー。

 グレーターワスプは暴走状態に入ったが盾に叩かれて行動がキャンセルされる。

 「オラオラオラオラオラオラ!」

 ついでに女王蜂にもオラア!

 転生人の、それも人間性能カンストの武司君が振るうタワーシールドだ。

 べチっと音がして女王蜂が潰れる。

 惨劇の後、壊れたタワーシールドを前に武司は茫然と立ちすくんでいた。

 俺の命綱…。

 

 「スゲエよ武司君!」

 「ドロップ確認、ロイヤルゼリー×3 女王の羽1 毒針25本」

 「マジ?」

 「すっごーい!武司みなおしたー!」

 「お、おう!」

 腕に抱きつくなこのアバズレ!

 「やりましたね、武司君さん」

 みんな武司を取り囲んでもみくちゃにした。

 「イキテマシタ!」

 「みんな、毒にかかた人いない?」

 「居ても僧侶いないから直せないけどね?」

 「私、ショートソードでケチった分、毒消しと薬草かってたんだ」

 「おお、すばらしい女子力!素敵ですジェシー」

 楊さん、騙されないで、ネイルに金使ったんだよその女。

 「トリアエズ、分配ハマチニ帰ッテカラニシマス」

 「換金する?」

 「まあこの中に生産系スキル持ってる人いないでしょ?」

 「あ、私、竹・藁細工スキルある!」

 「ロイヤルゼリー関係ないよね?」

 「ひどいー武司君ん!結構上手なんだよ?」

 「何作るんだよ」

 「草鞋」

 「誰が装備すんだよ」

 「んー村人?」

 「いくらで売れるの?」

 「5カパ」

 「装備ってかパンツも買えねえじゃねえか」

 「あーセクハラーひどいよーうわーん楊~っ」

 けっ。

 「まあまあ、竹細工極めてる人少ないですからね、スキル上位で椅子とか作れますよ」

 「ホント?やったー!」

 「ほら、無駄話はあとあと!行きますよジェシーさん!」

 「クロイツもひどいー、ああああ、アントンさんも笑ったわね?」

 「許さないーっ! 踊る羊亭でデザート奢らないとゆるさない!」

 ぽかぽかとアントンを叩く。

 此奴のせいでいつかパーティー壊れそう。

 武司はそう思いながら、壊れたたての部品を回収した。


 「しかし盾なしか、盾、いくらすんだろ?」

 ※武司君はドロップ品の適正価格を知りません。

 

 武司はがっくりと肩を落とした。

 「畜生、これからどうすんだ…ハッ!」

 「そうしたの武司君?」

 「ドネル・ゲバブ!!!」

 「何それ、武司君の事だからなんか食べ物では?」

 「そうだね、めっちゃ良い顔してる!」

 「お腹すきましたな」

 「ソウデスネ」

 

 「じゃあ、踊る羊亭まで競走!」

 「俺、一番!」

 「あ、ずるいですよフライング、失格!」

 「勝負にフライングとかありません!」

 

◆次回予告

 盾を失くした重戦士武司君は防具屋の前でその価格に茫然とする。

 ドロップアイテムの買い取りにも恵まれず、盾を失くした勇者は街をさまよう。

 来週もまた武司君と共に地獄に付き合ってもらおう。

 

 

◆次回予告


 盾を失くした重戦士武司君は防具屋の前でその価格に茫然とする。


 ドロップアイテムの買い取りにも恵まれず、盾を失くした勇者は街をさまよう。


 来週もまた武司君と共に地獄に付き合ってもらおう。

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