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プロローグ

昔に書いたものを加執修正してます。

最初の方は少し暗めですが、どうか見捨てないでください。

少しでも楽しんでいただければ幸いです。

世界は何処までも優しく残酷なものだと人間は知る。



暗闇の中、月明かりに浮かび上がる彼女が儚げに見えた。


「助けてって言ったらいい?」


「っ!」


彼女の左手が牢屋越しに伸ばされた、触れられないギリギリの距離を何とか縮めたくて半ば強引に体を錆びた鉄棒の間に押し込んだ。


やっと指先が触れるがその指の冷たさにぞっとした。


「シオン・グラヌディス・リュシス、」


彼女が俺の名を呼ぶ、その瞳が俺を映した瞬間まるで時間が止まった様に感じた。


「私を殺しなさい。」


一片の迷いもなく告げられた命令は俺の思いを裏切るものだ。


「何で・・・」


何時も君は予想通りには動かない、騎士よりも軍師に向いてると言われたこの俺がこの少女だけは読めないのだ。


「シオン・¬¬――――――・・・」


その先は聞こえなかった。


「っ!」


触れあっていた指先が放される、たったそれだけなのに心が引き裂かれそうになった。

「言っても無駄だから言わない・・・・」


「言えよ!頼むからっ!!望めよ!」


「・・・・嫌よ」


そう言って彼女が笑った。一筋の涙がその頬に伝い落ちる、その瞬間俺は決めた・・・だからこそ。


鉄棒の間から抜け出し立ち上がる。


「わかった。」


「シオン?」


さぁ、始めよう。


俺の賭け(ゲーム)だ、Betは俺の手にある。


もう一度手にするために。


彼女の声に振り返る事はない。

















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