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<17万PV達成>おっさん冒険者+レベル5  作者: 四季山 紅葉
第八章:玲瓏呪域・死霊廻船
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魔人

 王都の何処かに、その場所はあった。

 広い室内、中央には円卓が置かれており、周囲には5人の者達が座っていた。


 そして一人が魔法を使い、円卓の中央に一人の男――ルイスの姿を映し出す。


 すると、その姿を見た一人は怒った様に急に立ち上がった。


「こんな冒険者がノア達を倒したってのか! 何がどうなってやがる!?」


「既にノア様を始め、ディオとグリムは捕まり、ラウンは死んだ。事態は深刻だろう」


「とりあえず、このおっさんを始末する。それは決定事項でしょ?」


「我等、始高天の目的……その達成には間違いなく邪魔となるだろう」


 誰もがルイスの顔を見て怒りや、物騒な言葉を口にする。


 そして、その言葉の最後。

 最初に立ち上がった者――巨漢のが机を叩き、叫んだ。


「よぉし!! なら俺様が始末してやるぜ! この《《魔人の力》》を使いたくて仕方ねぇんだ!」


「アンタが? アンタじゃ死ぬだけでしょ? ラウンだって死んだのに、脳筋のアンタよりもボクの方が良いさ」


「んだとガキが!!」


 男は仲間の一人――少年に煽られると、怒りの怒号を放った。

 そして、徐々に男の身体に異変が起こる。

 

 男のシルエットが、異形の者へと変わり始めたのだ。

 それを見て、少年も同じ様に異形の姿に変わった。


 他の二人は、それを黙って見ているだけだった。

 やがて、二人が飛び出そうとした瞬間、二人の間の魔法壁が出現する。


 そして、それと同時に一人の男が入って来た。


「止めよ! 私が何故、お前達4人を呼んだか分かるか? 始高天の中で魔人の力を得ているからよ。そんな喧嘩の為ではない」


「――チッ! ワカッタヨ!」


「――残念だったね!」


 男の言葉に渋々だが、双方と共に座った。


「既に創世の準備は少しずつだが完了している。目的としている各地のダンジョン、その4割だが魔法陣は設置し終えた。――次はいよいよエルフ族の里。世界樹を狙うぞ」


「おっと! それならボクが行くよ。薄汚いエルフ族――根絶やしにしてやる!」


 少年はそう言うと、背中から翼を生やして宙へと浮かんだ。

 そんな少年に、統括していた男は注意を促す。

 

「目的を間違えるな。狙い世界樹のダンジョンよ。エルフ族は二の三の次だぞ」


「分かってるよ。ついでにぶっ潰すだけさ!――さぁ行こうか!!」


 そう言って少年は空へと舞い上がり、天井のガラスを破りながら空へと消えていった。


「やんちゃ坊主め……」


 統括の男はそう言って呆れた様に言うと、小さく杖を振る。

 すると、割れたガラスは時が戻る様に天へと上り、やがて割れる前に戻るのだった。


「さぁお前達も行け! 他のダンジョンに創世の魔法陣を刻むのだ!!」


 その言葉に、他の者達も姿を消していった。

 そして最後は統括の男も、まるで霧の様に姿を消した。


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