るぅるぅとおさんぽ5
いい匂いを探してぽてぽて。
ワガシは食品だからいい匂いの場所なのだ!
「いい匂い」
しかし、それは食品の匂いではなく、植物の匂い。
少し眺める。河童が花を愛でるかどうかはわからないが、冴は喜ぶだろうなと思うが。
「たどりつくまでに萎れそうなのだ」
今日は暑い日なのだ!
一本外れた道、裏道? には換金どころもあるはず。位置を確認しておかなければならないのだ!
花から視線を外し、並びの店舗を眺める。
記憶の高さと違うな!
しゃがんで見上げてみる。
地面すれすれから見上げた覚えもあるからと思ったが、なんか……違った。
むぅ!
「一人か?」
上からの声に顔を上げると若い男が見下ろしていた。
アミの伴侶より小さいのだ。
空の恋人とアミの伴侶と同年齢タイだろうか?
あれだ。
子供層からはちょい大人層扱いされ、大人層からはまだまだ未熟な子供扱いされる微妙層だ。
「琉伊は一人しかいないのだ」
他にも琉伊がいるなら遭遇も面白いのだ!
なぜか、琉伊の後ろや周囲を見回す微妙層。
シンはついてきていないのだ!
え? それとも遠巻きにいるのか?
「琉伊はちゃんと一人でおさんぽできるのだ!」
きょろきょろして気配が遠いことを確認してから、えっへんと胸を張る。
琉伊は、るぅるぅは迷子とは無縁なのだ!
なんか、北小か南小か、幼稚園とか、託児所とか、呟いているのが聞こえてくるのだ。
琉伊は脱走児じゃないのだ!
「小学校にいくのは汐なのだ!」
琉伊は学校に行ってないのだ。何せ五十歳こえてるからな!
「琉伊は河童に会いに来たのだー。一人で行けるのだー」
「そっかー。えらいな」
ん?
小さく……のお使いかって、いったいなんのコトなのだ?
琉伊は琉伊による意思決定で挨拶に来たんだぞ?
頑張れって見送られたのだ。
間違ってない対応だと思うけど、るぅるぅ、なんか釈然としないのだ。るぅるぅはお前より年上だから頭を撫でられるのはなんか違うと思うのだ。
朝の女性の気配を見つけて、ワガシヤ発見!
可愛いワガシを四つ買う。つるんとしたスライム状の中に黒い核が見える不思議な奴なのだ!
支払いは陸に準備してもらったお財布をひろげていっしょに確認したのだ!
サービスのぐりーんてぃを飲んでから、お土産スライムを持って河童の住処に走る。
少し、不思議そうに出迎えてくれたのは冴。
「るぅるぅ、また来たのだー!!」
ぱちりと瞳を瞬かせすぐに理解の色を浮かべる冴は凄いのだ。
「いらっしゃい」
「おみやげなのだ〜。すらいむ♪」
渡してからぱふりと抱きつく。
「それとな! このカッコの時の名前は一守琉伊なのだ!」
『ワルい奴ら』
http://book1.adouzi.eu.org/n9177by/
より花屋ピグミー
『うろな担当見習いの覚え書き』
http://book1.adouzi.eu.org/n0755bz/
『うろな2代目業務日誌』
http://book1.adouzi.eu.org/n0460cb/
『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』
http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/
高原直澄君
『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』
http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/
より青空姉妹(お名前)
『うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話』
http://book1.adouzi.eu.org/n2532br/
魚沼夫妻をお借りいたしました。
きっと周りから連絡がいってると思う。『ちっこいのが河童に会いに向かってる』




