悪意
「も、申し訳ありませんでした……」
浴室から出たレベッカは、ウェンディに深く頭を下げた。ウェンディはその場にしゃがみこむと、苦笑した。
「そんなに気にしないで。仕方ないじゃない」
「そ、そうかもそれませんが……」
顔を上げると、レベッカの視線が勝手にウェンディの胸部へと吸い寄せられる。
その白さと柔かさを思い出して、レベッカの顔は真っ赤になった。たまらずそのまま再び顔を伏せる。
それを見たウェンディの顔が悪戯っぽく輝いた。レベッカの耳元に唇を寄せて、囁く。
「もっと触りたい?」
その言葉に、レベッカはパッと顔を上げる。ウェンディはレベッカの頬に優しく触れ、言葉を重ねた。
「他の人はダメだけど……ベッカならいいわよ」
「……」
レベッカが息を飲む。冷や汗が流れるのを感じた。
「……えっと」
目を泳がせながら、ウェンディに言葉を返そうとしたその時、コンコンと扉が叩かれる音がした。
その音にレベッカは飛び上がった。ウェンディが残念そうにしながら、扉へ向かって声をかける。
「なに?」
扉の外からリードの声がした。
「お嬢様、ちょっとよろしいでしょうか?」
その声を聞いた瞬間、ウェンディが顔をしかめる。レベッカをチラリと見てから、ため息をついて立ち上がった。
「今忙しいんだけど」
「申し訳ありません。旦那様より、ドレスの件で……」
その言葉に、ウェンディが怒ったように腕を組んだ。
「そんなのそっちで適当に準備してって言ったでしょう?」
「は、ですが……流石にお嬢様のご意見も必要でして……」
リードの困ったような声を聞いたレベッカは慌ててウェンディに声をかけた。
「あの、私、一度自分の部屋に戻りますね」
ウェンディはチラリと残念そうな顔でレベッカを見て、額を手で抑えるようにしながら頷いた。
「……夜に、また呼ぶわね」
「はい」
レベッカは小さく頭を下げると、外へ出るために扉へと向かった。
扉を開けると、リードが立っている姿がすぐに目に入る。リードはレベッカに対して申し訳なさそうに目礼した。レベッカも小さく頷き、その場から立ち去った。
廊下を歩きながら、浴室での出来事を思い出す。身体のどこかがもぞもぞと波立つような感覚がした。顔が熱くなり、口元を手で抑える。
「……いや、あれは」
あれは、ただのスキンシップだ。ウェンディは幼い頃からレベッカに対してじゃれてくる事が多かった。レベッカが昔から仕えているので、気を許して、あのように戯れに触れてきただけだ。
だけど、あの白い肌が目に焼き付いて離れない。それに、あの柔らかい感触--
「あ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁ~」
廊下の真ん中で立ち止まり、顔全体を覆い、悲鳴をあげたその時だった。
「レベッカ、最近ちょっと情緒不安定すぎない?」
後ろから声をかけられた。振り向くと、キャリーが若干引いたような表情で立っていた。
「なんで叫んでるの?」
「いえ、なんでも」
レベッカは慌ててキャリーに向き直った。
「キャリーさん、お仕事ですか?」
「ううん。レベッカにメイド長から伝言。明日、お客様が来るんだって。朝一番に私と客間の掃除ね」
「あ、分かりました」
レベッカは返事をして、すぐに首を軽くかしげた。
「お客様って誰でしょうか?」
「仕立て屋だって」
「仕立て屋……?」
キャリーがコソコソと声を出した。
「お嬢様がようやく重い腰を上げたみたい。卒業パーティーのドレスを作るんだって」
「えっ」
「パーティーまであまり時間がないから、大急ぎで作るそうよ。クリストファー様が仕立て屋に依頼して、明日打ち合わせに来るらしいわ」
「なるほど……」
リードが言っていた“ドレスの件”とはこの事だったのか、とレベッカは納得した。そして、眉をひそめてウェンディの部屋の方角へ視線を向ける。
「卒業パーティーって……ダンスをするんですよね?」
「え?あ、ああ、するんじゃない?よく知らないけど」
「……そうですよね」
胸の中にある疑問が沸き上がり、レベッカは顔を伏せた。
--お嬢様は誰とダンスをするんだろう?
恐らくは、親しい男性だろう。ウェンディと親しい男性は1人しかいない--。
苦しそうな表情で思い悩むレベッカを、キャリーが心配そうに見つめていた。
夜遅く、レベッカの私室の呼び鈴が鳴り響く。レベッカはミルクの準備をするとすぐにウェンディの部屋へと向かった。
扉をノックすると、すぐにウェンディの声が答えた。
「どうぞ」
すぐにレベッカは扉を開ける。
「失礼します」
ウェンディはベッドの上でレベッカを待っていた。
「お嬢様、ミルクですよね?」
「うん。お願いできる?」
「はい、もちろん」
レベッカの言葉に、ウェンディの顔が綻んだ。
部屋へと足を踏み入れ、早速ミルクの支度をする。レベッカがホットミルクを準備する間も、ウェンディはずっと見つめてきた。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
レベッカがミルクの入ったカップを差し出すと、ウェンディは嬉しそうに受け取った。
レベッカはミルクを飲むウェンディをしばらく無言で見つめた。
ウェンディはその視線に気づいてレベッカに顔を向ける。
「ベッカ、どうしたの?」
「あ、いえ、なんでもありません」
レベッカは慌てて首を横に振る。ウェンディは不思議そうな顔をしながらも、ミルクを飲み干した。
そして、
「ベッカ、来て」
そう言って、手を広げた。その姿を見たレベッカの肩がピクッと震える。
「あ、あの、お嬢様……一緒に寝るのは……」
その答えに、ウェンディは不満そうに唇を尖らせる。レベッカは必死に首を振った。
「あの、流石に、ちょっと……その明日も早いので……えっと、ダメです……っ」
ウェンディと一緒に寝るなんて、今のレベッカには刺激が強すぎる。冗談抜きで心臓が止まってもおかしくない。
真っ赤な顔で大きく手を振って拒否をするレベッカを見て、ウェンディは諦めたように息をついた。そのままレベッカのスカートを少しだけ掴む。
「分かった……一緒に寝るのは我慢する。でもちょっとだけこっちに来てほしいの。お話しましょ?」
ウェンディの言葉に、レベッカは一瞬目を泳がせる。そして、
「じゃあ……少しだけ……」
そう言って、おずおずとベッドへと上がった。
ウェンディの顔がパッと輝く。そのままウェンディは後ろからレベッカを抱き締めた。
「わっ、お嬢様!」
「んふふ、ベッカ、蜂蜜の匂いがするね」
ウェンディはレベッカの黒髪に顔を埋めて息を吸い込む。
「う……」
レベッカの口から思わず声が漏れるが、それに構わずウェンディは耳元で囁いた。
「私、この匂い大好き」
--あ、ダメ
その声に、背筋がゾクリとした。勝手に身体の奥が疼いて、何かが高まっていく。
そんなレベッカをよそに、ウェンディはうっとりとしながら言葉を続けた。
「明後日には寮に戻らないといけないし……今のうちにベッカをいっぱいギュッてしとかないと……」
なんだか、浴室での事を思い出してクラクラした。それを誤魔化すために、レベッカは声を出した。
「あの、そ、そういえば、お嬢様!明日、仕立て屋さんがいらっしゃるんですね!?」
その問いかけに、ウェンディは一瞬顔をしかめ、頷いた。
「うん……ドレスを作るの。私はわざわざ仕立てなくてもいいと思うんだけど……」
「卒業パーティーで着るんですよね?」
「あ、よく知ってるわね。そうなの。本当はパーティーなんて出たくなかったんだけど、ちょっといろいろあって、結局顔だけ出すことになってね……」
ウェンディは心の底から嫌そうな声を出した。
「なんであんな面倒くさい催しをするのかしら……ダンスも嫌だけど、わざわざ着飾るのも億劫だわ。もう制服で十分だと思うんだけど」
レベッカは思わず声を出して笑った。
「ふふっ、怒られちゃいますよ」
「まあ、そうよね……」
「でも、お嬢様、制服姿がとてもお似合いだから、制服だけでも、きっと一番お綺麗でしょうね」
「あら、そうかしら--」
ふと、ウェンディは眉をひそめた。
「ベッカ、なんで私の制服姿を知ってるの?」
「へ?」
「私、ベッカの前で制服を着たかしら……?」
ウェンディの言葉に、レベッカの顔が引きつった。
まずい。ウェンディの制服姿を目にしたのは、リースエラゴとこっそり学園に行った時だ。
レベッカはウェンディの方を向きながら、慌てて口を開いた。
「あ、いや、違います!!間違えました!あの、なんといいますか……そう!きっと制服がお似合いだから、という意味です!!見たことはなかったです!!私の勘違いでした!」
「そ、そう……」
レベッカは必死に誤魔化したが、ウェンディはまだ不思議そうな顔をしている。レベッカはアワアワとしながら、言葉を重ねた。
「あ、あの!どんなドレスを作るんですか?お嬢様のドレス姿、見てみたいです!!」
そう言うと、ウェンディは困ったように笑った。
「うーん……明日、打ち合わせをするつもりだけど……派手なのは苦手なの。淡い色のドレスがいいな……」
「お嬢様ならどんな色でもお似合いですよ」
ウェンディはクスリと笑って、レベッカの髪を撫でながら言葉を続けた。
「私は……ベッカのドレス姿が見たいな」
「ええ?私ですか?」
「うん」
ウェンディは、閃いた!というような顔をして、レベッカの顔を覗きこむように見てきた。
「ねえ、ベッカのドレスを作ってもらいましょう!」
その提案に、レベッカは驚いて目を見開く。
「わ、私ですか?」
「うん!可愛いドレスを作ってもらえばいいわ!」
キラキラと瞳を輝かせて、ウェンディははしゃいだように言葉を重ねた。
「どんなのがいいかしら?目の色に合わせて、青色のドレスとかいいかも。でも紅色も似合うかもしれないわね……あ、待って!そうよ、私とお揃いのドレスにしましょう!」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってください」
「明日、早速仕立て屋に依頼するわね。お金なら心配しないで。私が全部用意するから。ああ、楽しみだわ」
「へ?いや、あの、お嬢様、待ってください!!」
レベッカは必死に止めるが、ウェンディはワクワクしており全く止まる気配はなかった。
2人で話している間に、徐々に夜は更けていった。
翌日、結局仕事の合間にレベッカはウェンディに呼び出され、仕立て屋によって身体を採寸された。ウェンディは本気でレベッカのドレスを作る気らしい。クリストファーはそれを聞いて苦笑していたが、特に止めることはしなかった。
「なんで私の周りの人達は私にドレスを着せたがるんだろう……?」
考えてみればリースエラゴも旅の初めに派手なドレスを買おうとしていたし、キャリーにも一緒に買い物をした時にあれこれと試着させられたな、と思い出して、レベッカはため息をついた。
「へー、ドレスを作ってもらうの?いいじゃない!」
昼休み、話を聞いたキャリーは笑いながらそう言った。レベッカは渋い顔で言葉を返す。
「いや、でも、ドレスを作っても着る機会はないですし……」
レベッカがそう言うと、レベッカの隣に座っていたジャンヌが口を挟んできた。
「お嬢様の前で着ればいいと思います」
「そうそう。大喜びするわよ、きっと」
キャリーも楽しそうに頷く。
「ええ……?だけど--」
レベッカが言葉を返そうとしたその時、他のメイドが声をかけてきた。
「あ、ねえ、レベッカ、午後は西の廊下の掃除をお願いしていい?担当の子が体調不良で帰っちゃったの」
「あ、承知しました!」
レベッカはすぐにそう答え、立ち上がった。
「それじゃあ、私、廊下の掃除に行ってきます」
「はい、いってらっしゃい」
ペコリとキャリーに軽く頭を下げ、レベッカは食堂から立ち去った。
そういえばウェンディのために作成したブレスレットの存在をすっかり忘れていた。どのタイミングで渡そうかな、と考えながらレベッカは屋敷の西の方へと足を進める。今夜もきっとウェンディに呼ばれるだろう。その時に渡そうか、と思いながら廊下を歩いていたその時だった。
近くの部屋からボソボソとした声が聞こえた。小さい声だが、クリストファーとリードの声だとすぐに分かった。
気にすることなく、そのまま通りすぎようとしたが、
「……ウェンディに?それは--」
クリストファーの声が聞こえて、ピタリと止まる。声が聞こえてきた扉の方へ視線を向けた。
--なんか、この状況、前にもあったなぁ。
レベッカはそう思いながらも、今度はほとんど躊躇わず、こっそり扉に耳を当てた。
すぐにリードの冷静な声が聞こえた。
「今朝、この屋敷に、お嬢様への贈り物が届いたそうなんです」
「贈り物?」
「はい。美しい刺繍が施されたハンカチで、差出人は不明でした」
「差出人が不明というのは怪しいな……」
クリストファーの言葉に、レベッカも心の中でこっそり頷いた。
「はい。私もそう思いまして……お嬢様にも確認をしました。お嬢様はそのような贈り物をもらうような方の心当たりはないとの事でした」
「そうか……」
「それで、そのハンカチを調べてみたのですが……ハンカチはなんの変哲もないただのハンカチでした。しかし、使われている刺繍糸に微量の魔法が込められていることが判明しました」
「魔法?」
「はい……持っている人間の生気を少しずつ吸っていく魔法です」
リードの言葉にレベッカは息を飲んだ。クリストファーも驚いたような声を返す。
「なんだって!?」
「気づかずに持ち続けていたらかなり危険だったようです……」
レベッカの顔が青くなった。クリストファーの低い声が響いた。
「厄介だな……ウェンディには話した?」
「はい。流石に少し思い悩んでいる様子でした」
「学校でも嫌がらせを受けているんだろう?」
「ご本人はあまり話そうとはされませんが……どうやら、不審な手紙の他に教科書などが破かれていたりするようです。学校の方にも報告はしたそうですが……」
手紙の事は知っていたが、教科書の事は初耳だったのでレベッカは目を見開いた。
「……流石にハンカチの件は見過ごせない。こちらでも調査をしよう。頼めるか?」
「承知しました……」
リードが動き出した音がして、レベッカは慌ててその場から離れた。
素早くその場から離れ、廊下を歩きながら考える。
自分の恋心を自覚していっぱいいっぱいだったため、不審な手紙の件をすっかり忘れていた。いつにも増してアホな自分に頭を抱えそうになる。
教科書が破かれていたり、生気を吸うハンカチが届いただなんて、恐ろしい。
正体の分からない誰かが、ウェンディに悪意を向けている。
レベッカは持っている箒をギュッと握りしめた。
◆◆◆
エステル・ランバートは夢を見ていた。
自分の周りは真っ暗で、何も見えない。寒くて、寂しくて、恐ろしい。氷のような孤独感が心を満たしていく。まるで世界には、自分しかいないみたいだ。
瞳から涙が零れ落ちる。あまりの寂しさに死んでしまいそうだった。
その場に座り込み、泣きじゃくる。
その時、誰かがエステルの手を触れた。驚いて顔を上げると、そこにいたのはエステルと同じ顔の少年--最愛の弟である、ニコラス・ランバートだった。
ニコラスは無表情で、エステルを見つめる大きな目は闇のように黒い。まるで人形のような瞳だ。
--おかしい。ニコラスの瞳は、自分と同じ紫色のはずなのに。
エステルは不思議に思って首をかしげた。ニコラスはそんなエステルを気に留めるような様子を見せず、ただ手を握る。
そして、感情を圧し殺したような細い声を出した。
『おねえさま』
『なかないで』
『だいじょうぶ』
『ずっとそばにいるから』
『ずっと、ずっとそばにいるから』
◆◆◆
エステル・ランバートは突然覚醒した。ハッと顔を上げ、慌てて周囲を見回す。どうやら、自分の部屋のソファでうたた寝をしていたらしい。
頭を抑えていると、ノックの音がした。
「はい?」
返事をすると、すぐに扉が開かれ、執事が入ってきた。
「お嬢様、アルマン様がいらっしゃいました」
「ああ……」
正直に言うと会うのは気乗りしなかったが、エステルはそのまま頷いた。
「通して」
「かしこまりました」
エステルが手早く身なりを整えていると、すぐに婚約者であるブルックス・アルマンが姿を現した。
「お久しぶりです」
「ええ……」
「お元気でしたか?」
「ええ……あなたも、変わりないみたいね」
エステルがそう答えると、ブルックスは顔を綻ばせた。エステルはそんなブルックスに座るよう促した。
ブルックスは嬉しそうにソファへと腰を下ろす。エステルはメイドを呼び、お茶やケーキを用意させる。ブルックスはそんなエステルに見とれていた。
「それで、今日はどうしたの?」
「あ、あなたと話したくて……最近は会えなかったし……」
「まあ、そうね」
「お会いできて、嬉しいです、エステル様」
ブルックスは恥ずかしそうな様子でそう言う。エステルはその様子を見て、苦笑した。
ブルックスはエステルと過ごせるのが嬉しいのか、楽しそうに話を続けた。家の事、学校の事、卒業後に予定されている結婚式の事……
エステルはほとんど口を挟まず、静かにブルックスの話を聞いていた。
やがて、ブルックスの話が途切れる。それを見て、エステルはようやく口を開いた。
「ねえ」
「はい?」
「……休暇なのに、ニコラスが帰ってこないの」
その言葉に、ブルックスの顔が険しくなった。
「そう、ですか……」
「手紙が来たの。どうやら、今回の休暇は学園の近くで宿を取って、そこで過ごしているそうよ」
エステルは目を細めて、言葉を重ねた。
「前に、私が弟の私生活に口を出したから……それが嫌だったのかしらね?」
「……」
「私の介入を拒否しているみたい……ねえ、ブルックス、どう思う?」
エステルはブルックスの手にそっと触れる。ブルックスの身体が震え、ゴクリと生唾を飲みこんだ。
エステルはブルックスの真っ赤に染まった耳に唇を寄せると、囁いた。
「--コードウェル家の令嬢は、そんなにも弟の心に入り込んでいるのかしら?」
ブルックスは一瞬だけ目を閉じる。
そして、震えながら口を開いた。
「……分かり、ません」
エステルは失望したように大きなため息をつく。そして、ブルックスの手を撫でながら言葉を続けた。
「それじゃあ、ブルックス、私からお願いがあるの。聞いてくれる?」
ブルックスが勢いよく顔を上げる。そして、大きく頷いた。
「もちろんです。どのような願いでも、あなたのためならば……」
エステルはその言葉にニッコリと微笑んだ。
恐らくは本編にほとんど絡んでこない裏設定
【三大美女】
※エステル・ランバート
侯爵令嬢。明るく優しいしっかり者。学生時代は成績優秀で生徒会長も務めていた。欠点らしい欠点が見当たらない女性。少し身体が弱いのか、頻繁に寝込む。
その美しさと性格の良さから、三大美女の中で一番人気が高い。婚約が決まった時、多くの男性が泣き崩れたと言われている。
※フランチェスカ・マシェット
男爵令嬢。愛らしい容姿を持つ、無邪気で快活な少女。やや我が儘な所があるが、そこも可愛らしいと多くの人から慕われている。来年魔法学園に入学予定。
ちなみに1つ年上の姉がいる。姉の方は地味な容姿で、姉妹は全然似ていない。
※ウェンディ・コードウェル
伯爵令嬢。三大美女の中で最も美しいと言われている。
寡黙で冷淡な性格の女性。社交嫌いであり、夜会やパーティーなどには滅多に顔を出さない。三大美女の中で最も人気が低い。ただし、一部に熱狂的なファンがいるらしい。
ニコラス・ランバートと特別な関係であると噂されている。しかし、その私生活の多くは謎に包まれている。




