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変異候補

「……? 何をやろうとしているんだ?」


 サレルがそのやり取りに首を傾げている。


「えっとね、チドリさんの電気マッサージ。凄いんだよ。サレルも後でやってもらうと良いよ? きっとよくなる」

「……本当に何をする気なんだ?」


 ルーフェの状態から考えて絶対に嫌だとか言いそう。

 リーサに施すのを見られたら恨まれそうな気がするなぁ。

 とにかく気にせず行こう。

 俺はルーフェに向けて電気マッサージを施す。


「ル……グルルル……ルル……」


 ルーフェの方も大分馴れたのか近くに落ちてた岩を口に含んで噛んで堪え始める。

 やがて普段通りにルーフェのステータス項目が出現した。



 ルーフェネット Lv62 メス 種族 改造ドラゴンウォーリアー ■■■■★

 習得技能 力向上7 魔力向上2 知識向上4 生命力向上9 早さ向上5 視力向上5+1

 ドラゴンパワー4 アックスマスタリー4 サバイバル技能5 品質鑑定5 家事技能5 料理技能2 掃除洗濯技能2 味覚 竜の鱗

 火耐性4 水耐性3 野生の力5 回避技能3 ファイアマスタリー4 ブレスマスタリー3 ライドドラゴン3

 生体改造 呪詛の残滓× 呪詛治療× 人語理解4 再生力増加3 四竜の想い 原初の力

 アンバーソードボア

 スキルポイント 3



 おお、全部の四角が埋まっている。

 更に種族欄を確認してみる。



 ●ー●┐    ★

    ●ー●ー●┘


 想定通り全て埋まっている……というか眩く項目の全てが光っている。

 素材が揃ったって言いたげだ。

 で、シルエットに関してなのだが、前よりもさらにぼんやりとしていて姿がわからなくなっている。

 こういうのってわかる様になるんじゃないのか?

 えっと、どうしたらいいんだ?


「グルル……ルルゥウウ」


 ルーフェがそう唸ると同時に更なる項目が出現する。



 ▼ソルジャードラゴン

  メタルウォードラゴン

  ???

  スラッシュウイングドラゴン

  ???

  ☆サンダーマジックジュエルドラゴン



 ……これは変異先の選択が可能って事で良いのか?

 項目を弄る事でシルエットが浮かび上がる。


 ソルジャードラゴンは最初にこの項目を確認した際に見えたシルエットだ。

 単純にドラゴンウォーリアーの上位種で間違いない。


 メタルウォードラゴンは……なんか爪が大きい角ばった感じの若干スレンダーなドラゴンっぽい。

 あくまでシルエットでしか判断できないけどさ。


 スラッシュウイングドラゴンは……なんか対比がおかしいけど大きく鋭い翼がシルエットとして表示されている。

 かなり大きいのではないだろうか?


 で、サンダーマジックジュエルドラゴンなんだけど……なんだろう。

 瓢箪みたいな体型とでも言うのか?

 他三つに比べたら随分と小さいシルエットをしている。


 ただ、名前がわからない二つに項目を合わせて再確認。

 一つはなんか骨っぽい様な?

 もう一つは……サンダーマジックジュエルドラゴンに似てるけどより丸いし大きい。

 少なくともこの中で一番小さいのはサンダーマジックジュエルドラゴンだな。


 あ、変異条件まで確認できる様だ。

 ……今更確認できてもな。

 しかも満たしていない物はわからないと来たものだ。


 ソルジャードラゴン

 変異条件、必要魔石を埋める。


 メタルウォードラゴン

 変異条件、金属武器の熟練 Lv40以上


 スラッシュウイングドラゴン

 変異条件、早さ向上と視力向上が合計10以上 Lv50以上


 サンダーマジックジュエルドラゴン

 変異条件、??? ??? 高純度の魔石の服用 ???


 なんていうか、変異はさせられるみたいだけど条件が激しく謎で怖いな。

 どんな変異をするのかのステータス変化を見る事が出来れば良いんだけど、さすがにそこまでは出来ないっぽい。

 薄ぼんやりとステータスは表示されるのが限界か。


 うーん……どれもステータスの伸びはあるけど、ちょっと他の変異に合わせるとサンダーマジックジュエルドラゴンは平均的に負けている。

 突出した物が無いとも言えるな。


「ルーフェ、お前の望んだ小柄な変異が出来そうだけど、その先がどうなるか俺もわからない。それでも試すか?」

「ググルルル……ルル……ルル!」


 唸りながらルーフェが何度も頷く。


「なあ、あれは本当に何してんだ?」

「まったくな……噂じゃあいつは凄腕のマッサージ師でな、いろんな効能があるツボって物を知っているらしい」


 サレルの疑問に教官が答える。


「魔物の変異を操作するツボ? そんなのあるのか?」

「チドリさんならできる」


 リーサが確信して言ってるけど、俺も手探りだからね?

 あくまで誤魔化しをする為にしているだけでさ。

 誤解をされるのは避けたいんだけどなぁ。

 なんて指摘するよりもまずはルーフェか。


「わかった。後悔はするなよ」

「ルル……ルーフェ、チドリが選んだ。なら、後悔ない!」


 ああもう……そんなこと言われると責任感で潰されそうになるだろうが。

 さすがにこれはやり直しが効かないのはなんとなくわかる。

 もっと条件を見つけて開示してから選んでも良い様な気がするけど……少なくとも今見ているシルエット内でルーフェの望む物はサンダーマジックジュエルドラゴン以外は無い。

 元より戦闘に関しての関心が薄いんだ。

 最悪、家事専門でがんばってもらおう。

 それ位の責任は持つ。


「わかった。じゃあ行くぞ」


 俺はルーフェの変異先指定をサンダーマジックドラゴンに指定して決定を下す。

 するとルーフェの体が一際光り輝き始めた。


「ルルー!」


 ふわっと光の膜が発生し、俺は浮遊感を感じてやんわりとルーフェの背から離されて、サンダーソードの電撃が消え去る。

 するっと滑り降りて振り返るとルーフェを包むように光の膜が出来ていた。

 サンダーソードの影響か、パチパチと膜が帯電して見える。


「魔物の変異現象が発生したな。見覚えがある」

「稀にこんなのを見る時があるな」

「ああ、これが魔物が変異する瞬間か」


 どうも教官達には見覚えのある光景の様だ。


「光り方からして邪悪な変異をするわけじゃないみたいだな」

「そんなのあるんだ?」

「闇系やアンデッドの変異だと黒かったり紫色に光る」

「へー……ホルツ教官物知りー」

「ルーフェネットはどんな姿になるんだろうな」

「賭けをしたいけど、先に紫電の剣士がルーフェネットの望んだ姿ーって言ってたからなー」

「という事はソルジャードラゴンじゃないのか」

「結構新発見な事だよな。魔術学園の連中が目を血走らせて近づいてきそう」

「だよなーそもそもルーフェネットってドラゴンウォーリアーにしちゃ滅茶苦茶強かったけど、どうなんだろうな?」


 など、冒険者達は我が事のようにルーフェの変異を見守っている。

 何だかんだルーフェは人気があるんだなぁ。


 ただ……これってどれくらいの間続くのかな?

 日本に居た頃に見たアニメみたいにすぐに姿が変わって出てくる訳じゃないのか?

 なんて俺が言ったら浮きそうだと考えているとリーサが一歩前に出て聞く。


「サレル、教官……ルーフェはどれくらいで出てくるのかな?」

「野生の魔物の場合、変異中に攻撃されるのは結構危険だからな……時間がかかる場合は誰も来ない巣などで行う事が多い」

「変異中に攻撃されると奇妙な姿になったり、溶けて死んだりするって話だぞ」


 蛹か何かなんですか?

 この中でルーフェは自分の体を一度溶かして組み替えているとでも?

 魔物って虫だったのか?


 俺は膜に顔を近づけて中を確認してみる。

 煙が膜の中を渦巻いているように何かがうごいているようにも見えるけど……。


「それで紫電の剣士。ルーフェネットってどんな姿になるんだ?」


 ここで俺に聞くのか。

 ネタバレになるぞ?


「それは見ての楽しみにした方がよくね?」

「あーそうだな」

「ぶっちゃけ俺、ルーフェネットならヴィーヴルが良いと思ってる」

「あ、それマジ良いな。アレって一応ドラゴンって扱いだったはずだよな。何かの挿絵でしか知らねえけど」

「ルーフェネットなら抱けるね。健気だし、家庭的だし」

「いやー……さすがにルーフェネットもそんな姿になれたらまずは紫電の剣士の嫁になるって言うんじゃね?」

「そうだよなー……良いよなー俺もルーフェネットを嫁にしてー」


 冒険者達の雑談にサレルとリーサが困った様な表情になった。

 俺も同様だ。

 お前達はルーフェを何だと思っているのだろうか?

 そもそも嫁って……まあ確かにルーフェは押し掛け女房みたいな所があるけど、何か違くない?


「紫電の剣士って酒も滅多に飲まない僧侶みたいな奴だから、ワンチャンあるかもしれないぞ」


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