第13話　タイミングの悪い来客

「日本には日米地位協定がある。在日米軍は日本で何をしても治外法権が成立するのだ。米兵が日本で犯罪を犯しても報道すらされないこともある。精々沖縄県人が米兵にえっちな事をされて小さく記事になる程度だ」

　そう言って艦長ちゃんを別室に連れ込もうとする閣下。そこに、

「ゾンビ、ゾンビ！」

　という声。

「何事だ」

　と振り返る閣下。

そこにはゾンビ化した一味が立ちはだかっている。

「お前の海賊船はゾンビも飼っているのか？」

「『飼っている』とは何よ！　彼らはあたしの大切な一味なのよ！　テスラー総統の攻撃で合法ハブに噛まれちゃったのよ！」

「テスラー？　そういえば最近奴を見かけないが、EVの普及は諦めたのか？」

　そこに割井イシヨ医師が現れる。

「艦長ちゃん、ゾンビ化治療血清のお金、用意できた？」

　艦長ちゃんはイシヨ医師を指差す。

「閣下、こいつです。この女がゾンビ化ハブ毒の血清を私に4億円で売りつけようとしているんです！」